(男子)大島4位発進 FSで巻き返しを図る/東京選手権

 全日本選手権に向け、本格的な開幕戦となる東京選手権(以下、東京ブロック)。明大からは大島光翔(政経2=立教新座)、山隈太一朗(営4=芦屋国際)、佐藤駿(政経1=埼玉栄)、堀義正(商3=新渡戸文化)、松井努夢(政経3=関西)が出場した。

 

9・30~10・2 東京選手権(ダイドードリンコアイスアリーナ)

テーブル

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 「今シーズンの目標は全体の平均を上げること」とミスのない演技を目標に試合に臨んだ大島。冒頭のトリプルアクセルを完璧に着氷すると、音楽に合わせてジャッジにスタァ性抜群の決めポーズ。リンクサイドにいた選手達を湧かせた。その後もフリップ、課題としていたコンビネーションジャンプをまとめ4位に。FS(フリースケーティング)での更なる追い上げを狙う。

 


(写真:ジャンプで高い成功率を見せた山隈)

 

 有終の美に一歩近づく演技を見せたのは山隈だ。トリプルアクセルを決めると、続くルッツとトーループも見事着氷。「こんなにうまくできたのが大学入学後初めて」。その勢いのまま最後のフリップも成功させるかと思いきや、気持ちがはやったのか2回転となってしまう。しかし笑顔で演技を終え、今シーズンを幸先よくスタートさせた。

 


(写真:高レベルのステップを披露する佐藤)

 

 全日本選手権後初めての試合となった佐藤。冒頭のルッツを、回転数を減らしながらもなんとか着氷したものの、続くトーループで転倒してしまう。しかしその後は大きくミスなく滑り切り、6位につけた。「今自分ができることをする」と気持ちはあくまで前向き。迎えるグランプリシリーズ(以下、GS)に向け、まずは試合勘を慣らしていく。

 


(写真:高ぶる気持ちをフラメンコにのせて踊った堀)

 

 「昔なじみとの試合でモチベーションを高くして臨めた」。1週間ほど前の取材時にはジャンプの調子が悪いと語っていたものの、最初のジャンプを見事に成功させた堀。しかし、「高すぎるモチベーションを抑えきれず」アクセルを跳んだ際に左太ももを負傷してしまう。気持ちの抑制という課題が明確となった分、FSではより良い演技を披露してくれるだろう。

 


(写真:高い芸術点を獲得した松井)

 

 「正直試合が始まる前から体が疲れていて、気持ちとかみ合わなかった」と不完全燃焼感の残る結果となった松井。しかし、スケーティングでは自身も納得のいく演技力を見せ、高得点を獲得。良いところは継続したまま、気持ちを立て直してFSに臨む。

  

 久しぶりの試合で感触を確かめる者、夏以降の成長を実感する者、おのおのがさまざまな思いで臨んだ今大会。全員が前向きなまま迎えるFSでは、SP(ショートプログラム)以上の成果を出して一体感を持ったまま東日本学生選手権に進みたい。

 

[向井瑠風]

 

試合後のコメント

大島

――今日の演技を振り返っていかがですか。

 「ジャンプの面では練習よりもまとめることができて良かったのですが、スピンとステップの部分でおそらく取りこぼしを沢山してしまってこの点数になってしまったのかなと思うので、そこは結果のリザルトをみて、しっかり改善して、FSにつなげたいと思います」

――良かった点と惜しかった点を教えてください。

 「ジャンプの面では練習以上の力を出すことができて、後半のコンビネーションジャンプも課題としていたのですが、ステッピングアウトにはなったものの自分なりにいい形に持っていけて、そこは本当に良かった点だと思います。スピンの面がやっぱり悔しいなと思っていて、やっぱり今シーズンの新しいルールにまだ適応し切れてないなというのが浮き彫りになってしまったと思います」

 

佐藤

ーーSPを終えていかがですか。

 「久しぶりの試合でとても緊張してしまいました。6分間練習などはいつも通りできてたのですが、本番は思うようにいかなかったです」

ーー全日本が終わってから今までどういう経過を歩んでここまで来られましたか。

 「全日本からここまで4カ月ぐらいリンクに上がれなくて、5月ぐらいから本格的に練習を始めたのですが、最初はジャンプとかも思うようにいかなかったんですが、今は少しずつジャンプも戻ってきています。GSももう来月に迫っているので、それまでにはしっかりと今の自分ができることをできるようにしたいなと思います」


山隈

――本日の演技を振り返っていかがですか。

 「すごく全体としては良かったと思うのですが、最後のジャンプはやはり悔しいですね。ただ最後のジャンプは自分の中で何がだめだったか明確に分かっていますし、それまでの動きはすごくよかったですし、ルッツ、コンビネーションジャンプという自分の中で課題というかしっかり試合で決めたかったものをしっかり決めることができましたし。練習、公式練習、6分間練習、本番と同じリズムでブレることがなく最後まで演技することができたことがすごくよかったです。気持ちの面でも変に気負うことなく自然体で臨めたのは練習の賜物で、ずっと同じリズムで練習していたのが本番でも通用するのが分かって、すごく得るものが多かった試合だと思います。また僕の場合はアクセルとコンビネーションがこんなにうまくできたのが大学入学以来初めてだったので、プレッシャーもある中最後の一本を跳ぶという状況が試合では久しぶりでした。その中で試行錯誤しながら、今回は失敗してしまったのですが、その分次はできるという自信になりました」

 

――本日の試合を振り返っていかがですか。

 「昔なじみと滑れるということで、公式練習や6分間練習から楽しく滑ることができました。『できる気しかしない』と良い状態で滑ることができ、サルコーも今までで一番良いものが跳べました。ただその高ぶりを抑えられなかったのはまだまだ未熟なところです」

 

松井

――本日の演技で良かった点を教えてください。

 「下の芸術点、スケーティングの点数は全体的に見ても悪くない点数だったので、これにジャンプがしっかりハマってくると点数が大きく伸びてくるかなと思いました」