
リーグ最終戦 亜大に快勝し1部残留を決める/関東大学男子1部リーグ戦
意地を見せつけ1部に踏みとどまった。ついに迎えた関東大学男子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)最終戦。亜大に対しダブルスで全勝を収めると、シングルスでも次々と勝利していく。4年生からは町田晴副将(文4=四日市工)、河内健(商4=大分舞鶴)、藤川悠副将(理工4=高松北)の3人が出場。惜しくも全勝とはならなかったものの最終スコア8-1と快勝し、1部4位の成績で今季リーグ戦を終えた。
【S1町田VS谷颯太】
「終始自分の中で集中して取り組めたのは本当に良かった」。副田温斗(営3=四日市工)との最後のダブルスで見事勝利を収め、迎えたシングルス。接戦が続いた第1セット、第1ゲームからブレークを決めるもその後は互いにゲームを奪い合い、2ゲーム以上の差がつかないままゲームカウントは4-4へ。「相手のサーブをブレークできても自分のサービスゲームをキープし切れない苦しい展開もあった」。それでもショットの精度を上げていき、続けて2ゲーム連取。このセットを6-4で制した。第2セットも序盤は競り合いが続き、ゲームカウントは2-2に。しかし直後の第5ゲームでブレークすると勢いに乗りそのまま6-2でストレート勝ち。「下級生に対して最後に自分の戦っている姿を見せられたのは良かった」。同期や後輩、監督、コーチ陣が見守る中、シングルス1の強さを見せつけた。
ケガにより1年以上プレーができなかった期間を経て、今年度は関東学生トーナメント(以下、春関)において8年ぶりのシングルス準優勝、全日本学生選手権(以下、インカレ)では6年ぶりダブルスベスト4を成し遂げた。副将としてもチームを引っ張り、先頭に立って戦い続けてきた。「僕が一番にできることは一生懸命に真面目に戦う姿を後輩に見せること」。自身最後のリーグ戦は終わったものの、今後の関東学生選手権(以下、夏関)や全日本学生室内選手権(以下、インカレインドア)にも出場する予定だ。「学生最後に優勝ができたらいい」。町田の挑戦は、まだ終わらない。
【S4河内VS小倉諭行】
同期の言葉に背中を押された。周囲の応援だけでなく、試合中の選手も声出しを制限された今回の最終戦。「自分で声が出せず、盛り上がることができなかった」。第1セットはそうした影響もあり、精彩を欠いたプレーが目立つ。相手との差を広げられず接戦のまま、ゲームカウントは4-3へ。その時のチェンジコートの合間、ベンチコーチを務めていた同期の宮永竜聖(法4=石川県私立金沢)に、流れをつかめない自身のストレスを打ち明けた。そこで宮永から貰った一言は「声は出せんけど、しっかりガッツポーズして盛り上がるけん、叩いてほしい」。その言葉で勢いづき、河内は本来のプレーを取り戻すと一気に2ゲーム連取。6-3でこのセットを奪った。その勢いのまま臨んだ第2セット、第1ゲームを相手にキープされるもそこからは反撃のスキを一切与えない。「相手よりもラリーのミスを少なくするよう意識しつつ、しっかりと攻撃的にもやれて、これまでの練習の成果が出てよかった」。最後は6-1と圧倒し、リーグ戦最後の戦いを見事白星で飾った。
【S6藤川VS橋本洸矢】
有終の美を飾るため何としてでも勝ちたい戦いだった。第1セットはポジションを下げてくるような相手のプレーに苦戦し、開始早々3ゲームを連取されてしまう。そんな中でも攻めることを止めず、ブレークに成功。しかし、流れを取り返すことができず、3-6でこのセットを落とした。続く第2セットは7回ものジュースを制し、藤川の先制からスタート。「隣のコートで明治の選手が試合しているし、応援があったのでみんなに対していい影響を与えられるように前向きな気持ちでプレーできた」。副将としてのチームへの思いが藤川の粘り強さを引き出した。その後は拮抗(きっこう)した試合展開が続き、ゲームカウント3-3で迎えた7ゲーム目。「長いラリーが続いた際に自分から攻めることができず、ボレーも決めかねることが多かった」。相手の安定感あるプレーを崩すことができず、3ゲームの連取を許すと、6-3で勝ち星を譲った。
惜しくも敗北を喫した今試合。「良かったところはない」と悔しさをにじませる。しかし「彼が出たことはチームの一つの象徴」(上原真吾監督)。副将として1年間、テニスに集中できる環境づくりに尽力し、チームのために力戦奮闘してきた藤川。彼なりの形でチームを支えてきたその姿を同期、監督誰もが認めていた。彼の存在がチームの勝利に貢献していたことは間違いない。4年生は今大会をもって代替わりを迎える。「バランスの良いチームだった」(藤川)。試合に出ている選手も、サポートに徹した選手もそれぞれの形で後輩に残すべきものがあり、新星テニス部のメンバーたちは今日確かにそれを受け取ったはずだ。
何とか入替戦出場は免れたものの、チームの目標であった全日本大学対抗王座決定試合(以下、王座)出場を決めることはできなかった男子部。春関やインカレで近年まれに見る〝個の強さ〟を発揮していただけに悔しい結果となった。それでも1部残留を果たし、来年に望みをつなげることは成功した。4年生から下級生へ。王座をつかむ目標は、次のチームへ託された。
[井手満菜、渡辺悠志郎]
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