
インカレ開幕直前 岡本主将インタビュー
大学日本一を決める全日本大学選手権(以下、インカレ)が9月8日から11日にかけて開催される。昨年度は男子総合6位、女子総合3位と目標である男女総合優勝に及ばなかった。今年度、最終学年である男子クルーは全員、本大会でボート競技に区切りをつける。これまで積み重ねてきた努力を糧に競技人生を懸けた最後の戦いが幕を開ける。
今回は岡本康聖主将(商4=宇和島東)のインタビューをお送りします。(この取材は9月4日に行われたものです)
――4年生として最後のインカレについていかがですか。
「高校からこのボート競技を始めて7年目になりますが、ボート競技は大学で区切りをつけて、社会人ではボートを続けずに企業に入って働くことになります。大学最後でもあるし、競技人生最後の大会になるはずなので、最後に有終の美を飾って終わりたいなという思いは本当に強いです」
――東日本選手権では足の状態がよくないとおしゃっていましたが、今はどうですか。
「今は、100%です。完璧に仕上げてきました」
――これまで主将として部をまとめてこられていかがでしたか。
「主将として何かができたのかなというのは正直分からないです。自分なりに考えてできることはやってきたつもりではあるので、それが部にどのような影響を及ぼすことができたのかというのは、今回の最後の大会でそれが結果として現れるのかなと思っています。そこは楽しみであり、不安もありという感じですね。これまで自分が積み重ねてきたことが最後にいい形になってくれればいいかなと思っています」
――チーム作りとして意識されてきたことはありますか。
「結構変えたことは僕らが1、2年生だったときは寮の掃除やいろいろな仕事を1年生だけで行っていたのですが、僕らの代に変わってから掃除も全員で行うようにしてきました。そういったところでのチームへの帰属意識というか、全員で集まってするミーティングと部員の中で、マネージャーも含めた6個のグループを作って、そのグループごとにミーティングをするなどして各学年縦のつながりがしっかりとできる交流の場をしっかりつくってきました。横のつながりだけではなくて縦のつながりをしっかりつくるという思いは僕自身もそうですし、同期4年生も強かったです。全員で納得してこの1年間やってきた感じです」
――今の端艇部の雰囲気はいかがですか。
「今まで学年ごとに区切れ区切れで壁を感じていましたが、縦のつながりが強くなり、今はいい意味でしっかり境界線がなくなっています。本当にチーム一丸となって大会に向け、やっていけるなという感じが今までの4年間の中で1番強いと感じています。そういった面ではいい雰囲気で全員が勝ちにこだわって今練習ができているのかなと思います」
――大学生活を振りかえって一番印象に残っているレースは何ですか。
「4月にあった日立明の三大学レガッタですかね。出場した男子エイトが19年ぶりに日大に勝って優勝を明治の手元に戻したレースになりました。新たな歴史を刻むことができたというか。自分がエイトに乗って勝ったことがなく、個人的にもすごくうれしいレースだったのでそれが4年間で一番印象深いレースだったかなと思います」
――今のクルーの強みは何ですか。
「今、スタートを重点的にやっていて、スタートで置いて行かれてしまうとレース展開として結構厳しくなるので、必ず最初の500メートルトップタイムで通過していきたいです。もともとの強みとして、コンスタントでスピードが落ちないというところとラストスパートでしっかり上がるということがありました。そこは引き継ぎつつ、スタートで頭を取ってしっかり後は逃げ切るというレース展開をエイトの9人で共通認識として行ってきました。まだ完成できてはいないのですが、やりたいこととしてはスタートでしっかり出ることで、それにむけて確実にレベルアップはしている状態です。スタートしっかり出てコンスタントで落とさずスパートで最後他艇を寄せつけないレース展開ができるような強さがあるのではないかと思っています」
――クルーについての思いを聞かせてください。
「インカレで明治のエイト優勝がなく、今年本当にいい状態で仕上がってきてチャンスの年だと思っているので、初優勝は取りたいです。今年あとはコックス1人と漕手4人エイトで4年生が計5人乗っています。ボート人生最後のレースになるメンバーが5人いて本当に最後になります。絶対勝つんだという気持ちで、死ぬ気で僕を含めて5人が上げてくれるのではないかと思っています。後輩4人も力のある選手を乗せているので、そこを信じて9人で日本一のスピードを出して必ず優勝したいと思います」
――今、プレッシャーを感じていますか。
「プレッシャーはないですね。今まで勝ったこともないし、どこのチームもどっこいな感じがしています。これまでやってきた積み重ねと当日のちょっとしたところで勝負が変わってくると思います。平常心を忘れずにレースだからといって特別なことをすることもないです。他のメンバーはわからないですが、僕はプレッシャーを感じずに最後に伸び伸びこいで笑って終わりたいなと思っているくらいです」
――インカレに向けての意気込みをお願いいたします。
「4年生全員が今回でボート競技引退になるので、最後全員で笑って終わりたいという気持ちです。男子エイトの優勝もとれば初ですし、女子の対抗クォドルプルも去年優勝しているので、勝てば2連覇が懸かっていてすごくプレッシャーがあると思うのですが、それをはねのけて欲しいです。インカレに出場するクルーはバランスよく決勝に行ける、優勝を狙えるクルーがそろっていると思うので、できるだけ高い順位を取ってもらいたいです。最後は男女総合優勝に向けて新体制になってからやってきた積み重ねというところがどう出るかだと思います。ですが、最後まで諦めず、死力を尽くしてどのクルーも戦うので、ぜひとも応援をよろしくお願いします」
――ありがとうございました!
[原田青空]
◆岡本 康聖(おかもと・こうせい)商4、宇和島東、180センチ・75キロ
※写真は明大端艇部提供 岡本は最前列左側から3番目
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