インカレ閉幕 栁川が逆転優勝 男子は総合2位、女子は7位でシード権を獲得/日本学生選手権

2022.09.02

 日本学生選手権(以下、インカレ)は最終日を迎えた。栁川大樹(政経2=日大藤沢)が男子100メートル背泳ぎで明大待望の金メダルを獲得。そして、宮坂倖乃(法4=春日部共栄)は女子200メートル平泳ぎで連覇はならなかったものの、見事銀メダル。明大は全種目を終え、男子は総合2位。女子は7位に入賞し、目標であったシード権を手にした。

 

◆8・28~31 日本学生選手権(東京辰巳国際水泳場)

◆4日目

▼男子1500メートル自由形

3位 庭野 15分28秒77

▼男子400メートル個人メドレー

4位 田渕 4分14秒66

6位 廣島 4分19秒59

▼女子100メートル自由形

8位 長尾 56秒77

▼男子100メートル自由形

4位 五味 49秒51

▼男子100メートル背泳ぎ

1位 栁川 54秒35

8位 松山 56秒12

▼女子200メートル平泳ぎ

2位 宮坂 2分25秒58

▼男子200メートル平泳ぎ

4位 林 2分11秒12

7位 荒井 2分11秒95

▼女子800メートルフリーリレー

7位 長尾・水口・田嶋・泉原 8分19秒89

▼男子800メートルフリーリレー

3位 清水・廣島・五味・田渕 7分18秒22

 

▼男子総合順位

1位 日大  475.5点

2位 明大  394.0点

3位 早大  322.0点

 

▼女子総合順位

1位 中京大 391.0点

2位 神大  302.0点

3位 東洋大 269.0点

7位 明大  183.0点

 

 インカレ最終日に待望のヒーローが誕生した。2日目の男子200メートル背泳ぎで銅メダルを獲得していた栁川は、この日の100メートル背泳ぎにも出場。予選を3位で通過し、決勝へと駒を進める。決勝レースは前半の50メートルを8人中7番手で折り返すと、ここでのトップとの差は0秒54。しかし、ここから驚異の追い上げを見せる。折り返してからは、スピードをぐんぐんと上げ、約75メートル地点でトップと並ぶ。そして、そのまま先頭に躍り出ると残りの25メートルを失速することなく、そのまま先頭でゴール。右手の拳を高く掲げ、雄たけびを上げた栁川。「ここまでのタイムが出るとは思っていなかった」。自己ベストを0秒55更新する圧巻の泳ぎで今大会、明大勢初の優勝を果たした。

 

 女子では、200メートル平泳ぎ決勝に前回覇者の宮坂が登場。レースは東洋大の今井、早大の浅羽、そして宮坂の4年生3人が引っ張る展開に。最後の150メートルの折り返しまで3番手につけていたが、残り50メートル地点から2位を泳ぐ浅羽との距離を縮めていく。そして、残り数メートルのところで並び、最後はタッチの差で逆転。2連覇とはならなかったものの、銀メダルを獲得した。「人生で初めて根性で泳ぎ切るレースをすることができた」。レース後、最後のインカレを終えた宮坂は笑顔だった。

 

 さらに、ルーキーの庭野直樹(商1=埼玉栄)が快進撃を見せた。男子1500メートル自由形決勝に出場した庭野であったが、レース中盤までに3番手を泳ぐ選手と大きな差をつけられる。「(それでも)焦りはなかった」。レース終盤から徐々にメダル圏内へと迫っていく。力を振り絞り、残り50メートルからラストスパート。最後はあと数センチのところで競り勝ち、銅メダルを獲得。4位とは0秒01差。最後の粘りが勝負を分けた。

 

 長いようで短かった4日間のインカレが閉幕。明大男子は天皇杯奪還という目標は達成できなかったものの、総合2位と前評判を覆す成績を残した。一方の明大女子は部員8人と少数精鋭ながら、過酷なレースを乗り越え、総合7位。目標であったシード権を獲得した。今大会を通して、どの大学よりもチーム力は深まったと言えるはず。今後の明大から目が離せない。

 

[末吉祐貴]

 

試合後のコメント

宮坂

――今日の自身のレースを振り返ってみていかがですか。

 「今日は、人生で初めて根性で泳ぎ切るレースをすることができました。連覇はかないませんでしたが、満足です」

 

――目標であったシード権の獲得について、いかがですか。

 「試合全体を通して、女子部員全員がチームのためにという泳ぎをしてくれました。このチームで、目標のシード権を獲得できて本当に良かったです」

 

田渕海斗(情コミ2=日大藤沢)

――400メートル個人メドレーの結果についてどのように受け止めていますか。

 「2連覇へのプレッシャーや、やらなきゃいけないという使命感を感じ、自分にプレッシャーかけ過ぎてしまいました。また、緊張してしまったのが一つの原因かなと思っています」

 

――4×200メートルフリーリレーでは1、2年生のみで構成された若いチームでした。

 「若い力で、フレッシュな気持ちで、泳げました。そして、予選を泳いでくれた岡島大志(商4=豊川)君にメダルを持たせてあげようっていう気持ちで泳ごうと4人で話していていました。それが良かったのかなと思います」

 

栁川

――初優勝ですが、気持ちはいかがですか。

 「大学入ってから2位とか3位になることが多かったので、自分、本当に勝てるのかなと思っていたんですけど、最後(の種目で)こうやって勝てて、本当に良かったです」

 

庭野

――レース後の心境はいかがでしたか。

 「みんなの期待に応えられたうれしさと、4日目の決勝競技のトップバッターだったので、自分が明治大学のいい流れを作れたのではないかという喜びがとても大きかったです」