強豪・早大に2勝をあげたものの敗北/関東大学女子1部リーグ戦

2022.08.30

 ついに開幕した関東大学女子1部リーグ戦(以下、リーグ戦)。念願の全日本大学対抗王座決定試合(以下、王座)への切符を懸けた戦いが始まった。第1戦の相手は全日本学生選手権(以下、インカレ)で女子ダブルスの優勝、準優勝を独占した早大。対する明大はシングルス3の鈴木渚左(国際2=野田学園)とシングルス4の竹本萌乃主将(政経4=高松北)が勝ち切ったものの団体での勝利には及ばず、悔しさの残る幕開けとなった。

 


【S4竹本VS安藤優希】

 「主将として、絶対に勝つという思いを最後まで貫いた」。ダブルス2本を落とし、負けは許されない状況で迎えたシングルス4の竹本。開始早々、苦手なプレースタイルに対応できずゲームカウント0-4に追い込まれる。第1セットを諦めかけた竹本だったが、ベンチに入っていた濱中重宏コーチの「やっていることは間違っていない」という言葉が励みとなった。軌道の高いロブでラリーをつなげるという相手の攻め込みづらいプレースタイルに対しても忍耐強く打ち返し、5ゲームを連取。しかしセットポイントをモノにできず、ゲームカウントは5-6に。2度目のピンチを救ったのは、やはりベンチコーチの存在だった。「冷静なアドバイスのおかげで持ち直すことができた」。球の軌道を修正したことで調子を取り戻し、タイブレークを制した。続く第2セットでは主導権を握れず、お互いにキープの続く展開に。その中でもカウンターに足で追い付き、着実にポイントを重ねる。今まで一度も勝ったことがない相手だったが一歩も引くことなく、最後は6-4でこのセットを制す。声援を力に変え、主将としてチームに勝利をささげた。


【S5五十嵐唯愛(政経1=四日市商)VS宮田萌芳】

(写真:力強いショットを放つ五十嵐)


 シングルスで唯一1年生から出場した五十嵐。チームカウントは0-2と劣勢の中流れを変えようとしたものの、相手の粘り強いストロークに付いていくことができなかった。第1セットはいきなりストレートで取られてしまう。「次のセットに生きるプレーはできていた」。第2セットは言葉通り、前のセットでできなかった攻めるスタイルに切り替えて臨んだ。積極的に前に入ってエースを決めたと思えば、技ありのドロップショットで相手のペースを崩していく。互いにポイントを取り合い、ゲームカウント2-2と互角の戦いを繰り広げる。しかしここから相手の際どいコースのショットにまたしても追い付くことができず、3ゲーム連取され後がない状況に。それでも攻めの姿勢をやめることはなかった。甘く入った球が来たらすかさず前に入り、相手の逆を突くプレーでゲームカウント4-5まで追い上げる。だが、勢いはここまでだった。次のゲームは1ポイントも奪うことができないままゲームセット。リーグ戦の初試合は悔しい敗北となった。

 

 大学生活初めての団体戦はチームメイトからの応援の中行われた。高校時代はコロナ渦で声出し応援が禁止されていたため、「新鮮で楽しめた」。自分がチームに貢献するためにできることは何かを模索して次に挑む。

 

 次戦は9月1日の慶大戦。決して簡単な相手ではないが、初戦の敗北を無駄にすることはない。初の王座進出を目指し、チーム力で確実に勝ちを積み重ねる。

 

[高橋佳菜、春木花穂]

 

試合後のコメント

竹本

――勝利が決まった時はいかがでしたか。

 「ほっとしました。チームの負けは決まっていましたが、そこで自分が負けるよりは勝つ方が今後の残り4戦にもつながってくると思いますし、自分としても今まで一回も勝ったことのない選手で、自信にもなりました。チームに1勝を持っていけたことは良かったと思います」

 

――慶大戦に向けて意気込みをお願いします。

 「もちろん勝つ気です。絶対にチャンスはあると思います。何があるか分からないので、最後まで勝つ気で、全員で頑張ります」

 

鈴木

――インカレ閉幕からまだ日が経っていませんが、調子はいかがでしたか。

 「集中しすぎて周りが見えなくなってしまうことが、インカレの試合が終わってからの反省点だったので、その部分だけ気を付けてやってきました」

 

――試合の振り返りをお願いします。

 「ファーストはお互いに接戦で、3-2、4-3などの場面で気持ちが切れそうな時もありました。しかし本当にそこだけは切らさないで、絶対にここのポイントが欲しい、少し辛いなという時は、4年生の岡垣穂香(国際3=岡山学芸館)さんのことを思い出して、穂香さんが見てくれていると思って、絶対に諦めないよう頑張ろうという気持ちでやりました」

 

五十嵐

――個人の目標を教えてください。

 「このリーグ戦が年に1回の団体戦なので、チーム全体で勝つことを目標にするには個人での勝利が必要になるので、今日は負けてしまったのですが、これから試合に出る機会があれば個人で試合に勝って、チームに貢献したいです」

 

――次戦に向けて意気込みをお願いします。

 「次の試合は出ることができるか分からないですが、出る、出ないに関係なくプレーだったり、主審やボールパーソンの仕事だったりといった部分でチームに貢献していきたいです」