
住吉が優勝! 江川は総合3位、山隈は総合2位に/東京夏季大会
2日目はF S(フリースケーティング)が行われ、明大からは6人が出場。シニア女子において住吉りをん(商1=駒場学園)は優勝、江川マリア(政経1=香椎)は3位。シニア男子では山隈太一朗(営4=芦屋国際)が2位に入りシーズン本格開幕前に大きな弾みをつける今大会となった。
◆8・26〜27 東京夏季大会(ダイドードリンコアイスアリーナ)
前日のSP(ショートプログラム)では、力みが出てしまい2位に終わった住吉。その反省を生かし6分間練習から、しなやかで伸びのある滑りを見せる。演技冒頭の4回転トーループは惜しくも転倒。しかし「すぐに切り替えて、その後に全く響くことがなかった」と次の3回転ループをしっかり決めた住吉は勢いに乗る。その後は大きなミスなく滑り切り、前日ついた8点近くの差を一気に逆転しこの時点でトップに。最終滑走の選手の結果により優勝を決めた住吉の顔には笑顔があふれた。初出場となるグランプリシリーズ(以下、GP)に向けて実戦の機会はあと1回。「4回転トーループを決めて勢いをつけられるように」。世界に向けての戦いはもう始まっている。
(写真:3位の江川)
S Pで3位につけた江川。最初の3回転ルッツと3回転トーループの連続ジャンプでミスが出るも「冷静に焦らずリカバリーができた」。『民衆の歌』の力強く迫力のあるメロディーと共に優雅に氷上を舞い『レ・ミゼラブル』を演じ切った。最終的に3位で今大会を終えた江川はシーズン本格化を前に大会にピークを合わせられるようになったことに自信をのぞかせる。本番でうまくいかなかったジャンプを修正して、大学生として初めてのシーズンを迎えていきたい。
(写真:5位の松原)
S Pを7位で通過した松原星(商4=武蔵野学院)。冒頭の3回転ルッツ、3回転フリップでミスが続き前日からの調子の悪さが抜け切っていないかのように思われた。しかし、F Sの松原は一味違った。続く3連続ジャンプを成功させ波に乗ると、不安を残していた3回転ループを決め順位を2つ押し上げ総合5位に。それでも冒頭にミスの出た3回転ルッツに関して「なんで失敗したのか分からない状態」と目前に迫るシーズン本格化に向け課題も残る今大会となった。
(写真:6位の佐藤)
「いい意味でも悪い意味でも練習が出た」。ジャンプに課題を残した佐藤伊吹(政経4=駒場学園)。練習での精度が悪かったジャンプが本番でも失敗に終わり悔しさをのぞかせた。それでも冒頭の2回転アクセルと3回転トーループの連続ジャンプを決めたことに手応えを感じた。加えてS Pの際にうまくいかなかった本番前のアップの仕方を即座に修正。動きを増やしたことで体が動いた状態で演技に臨むことができた。1カ月後に迫るブロック大会に向けジャンプだけでなく、表現面にも気を配り挑んでいく。
(写真:15位の岡部)
大会前から腰の状態に不安を抱えていた岡部季枝(法3=新渡戸文化)。満足のいく練習を積めずに今大会に挑むことになった。S Pを踊り切ったことで腰に不安を抱えて迎えたF S。自身の思うような演技をすることはできなかった。それでも演技序盤の3回転ループを耐え切り、次の3回転サルコウと2回転トーループの連続ジャンプも成功。「腰が治れば少しは戻ると思う」。次戦のブロック大会に向け、体調を万全にすることができればさらなる高みを狙える。
(写真:2位の山隈)
S Pでは2位以下に10点差以上をつける圧巻の演技を見せた山隈。最初のトリプルアクセル、次の連続ジャンプを危なげなく跳び首位の座は盤石かと思われたがそこから歯車が噛み合わない。徐々に踏み切るタイミングが合わずジャンプの抜けが目立つように。「戸惑いながら試合が終わってしまった」と最後まで修正できず、演技終了後は悔しさで立ち上がることができかった山隈。勝負の冬に向けて下を向いている時間はない。今回得られた経験を糧にできるか、注目である。
1カ月後に控えたブロック大会に向け、実戦で得られた経験は間違いなく今後の資金石となる。各々の目標を胸に勝負の冬に挑んでいく選手たち。今後の活躍に期待がかかる。
[冨川航平]
試合後のコメント
住吉
――次戦へ向けての意気込みをお願いします。
「G Pまでにブロック戦が1戦残っています。そこで4回転トーループをしっかり決めることで初めてのG Pに向けて勢いをつけられるように。まずはブロック戦で4回転トーループを決めることを目標に頑張っていきたいです」
江川
――ブロック大会が近づいていますが心境はいかがですか。
「今は4回転もやりつつ、毎回の大会もすぐにきていた感じだったのでその大会に向けて練習してきましたが、少しずつ全体的にレベルアップしていますし、大会ごとに目標を掲げてやっていたらあっという間にブロックの時期まできてしまったなという気持ちです」
松原
――F Sの演技を振り返っていかがですか。
「S Pがかなりひどかったので、それに比べたらまとめられたかなと思いますが、練習でルッツだけはコンスタントに跳べていたのでそれが出せなかったのが悔しいです」
佐藤
――これからどのような練習をしていきたいですか。
「次回、ブロックという大事な試合になると思うのでそこに向けてはSPの課題であった3回転、3回転のコンビと連続ジャンプの確率を上げることを一番の目標にやりたいなと思っています。それ以外に関してはジャンプに集中し過ぎている部分もあるので演技面や振り付けにももう少し気を配れるように練習からやっていきたいなと思います」
岡部
――ブロック戦に向けて完成度を高めていきたい部分はありますか。
「まずジャンプを確実に跳べるようにしたいのと、スピン、ステップももっとレベルを取れるはずなので練習していきたいです」
山隈
――次戦へ向けてはいかがですか。
「本格的にシーズンが始まっていくので一戦一戦いろいろなものと戦っていきますし、プレシーズンではないので、せっかくこの夏自分にとって難しい状況での試合が2試合続いたので、そういう中で学べたことをこの1カ月で自分の中に落とし込んでしっかり準備をしてとにかくいいパフォーマンスをしたいです。今は自分が納得するパフォーマンスができていないので、とにかくそこを出せるようにしていきます」
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