リーグ初戦 ダブルス活躍も王者・早大に敗北/関東大学男子1部リーグ戦

2022.08.29

 全日本学生選手権(以下、インカレ)の閉幕から1週間。この日、全日本大学対抗王座決定試合(以下、王座)進出を懸けた関東大学リーグ戦(以下、リーグ戦)が幕を開けた。初戦は王座16連覇中の王者・早大が立ちはだかり、明大はダブルスで2-1と勝ち越したものの、シングルスは全敗。悔しさの残る黒星発進となった。


【D3横田大夢(政経3=足利大付)・飯田翔(商2=足利大付)組VS吉野郁哉・山口柚希組】

 足利大付高出身ペアがまたしてもやってのけた。昨年度の王座出場校決定トーナメント3位決定戦に続き、今試合でもD3を担った横田・飯田組。チーム内でダブルスの出場権を4年生ペアと争い、数日前に出場が決まった。「いつも仲良くさせてもらっている4年生に恩返ししたい気持ちが強くあった」(飯田)。試合に出る責任感を胸に、2人はコートへ足を踏み入れた。


 立ち上がりの第1セット。1-1とした後に、一気に3ゲームを連取されゲームカウント1-4に。「僕たちが悪かったというよりは、相手のアクションが良く、それが飯田のサービスゲームで入ってきて、そのままブレークされた」(横田)。相手のショットが上回り、攻めあぐねる場面が続く。そのまま相手の勢いを抑えられず3-6でこのセットを落としてしまう。続く第2セット。2-2とした後の5ゲーム目で第1セット同様、相手に先にブレークを許す。それでも粘りを見せ、ブレークバックを決め4-4と追い付いた第9ゲーム。横田がサーブを打つ中、15-40と再び相手にブレークポイントを握られる。それでも「引かずにお互いが打ち切って取れた」(飯田)。強気のプレーで難局を乗り切ると、流れをつかみそのまま7-5とセットカウントを1-1とする。勢いづいた2人は第3セット、さらに積極的なプレーを心掛けた。周囲からの応援の力も借りて、ポイントごとに自分たちを鼓舞していく。「ファイナルセットに関しては理想の勝ち方だった」(横田)。プレー面、精神面で波に乗った横田・飯田組は、最後は6-3と圧倒しこの日最初の白星を挙げた。


 「4年生を絶対王座に行かせたいので、下級生が引っ張っていけるプレーができるように頑張りたい」(飯田)。横田と飯田は、2人ともシングルスでも出場したものの、あと一歩及ばなかった。今試合の収穫と課題を糧に、足利大付高出身ペアのさらなる活躍に注目だ。

(写真:強烈なショットを決める徳)

【S2徳航太主将(営4=法政二)VS丹下将太】

 インカレを肩の痛みにより棄権した徳は万全を期して試合に臨んだ。相手は昨年度インカレ準優勝の丹下。第1セットはゲームカウント0-3と劣勢を強いられ、苦しい立ち上がりとなる。これ以上のリードを許すまいと4ゲーム目でキープし「ここからギアを上げて追い付こうと思った」。5ゲーム目でキープし返されるも、練習で重ねてきた相手のスキを突くボレーで何とかジュースに持ち込ませる。しかし粘り切れずブレークされ、そのまま1-6で第1セットを落とした。続く第2セットもゲームカウント0-4と、相手に試合の主導権を握られたままの苦しい展開に。後半自分のサービスゲームをもぎ取り、粘り強さを見せたが、形勢逆転することはできず、2-6で敗北を喫した。

 

 この試合、ベンチにいたのは副将の町田晴(文4=四日市工)。「僕自身のテニスは分かってくれているので、メンタルケアや自分と話し合いながらプレーの提案をしてくれた」。4年生にとっては最後のリーグ戦。長年ともにプレーしてきたからこその主将、副将の絆が光った試合でもあった。


 負け試合とはなってしまったが、格上相手に必死に食らいつき、練習の成果を感じる場面も多かった。「主将としての勇姿をチームに見せることができたので次戦は勝利という形でもチームに貢献したい」。この一戦を生かし、主将として、4年生としての意地を見せつけてほしい。


 次戦は8月31日の対法大戦。昨年度の王座出場校決定トーナメント3位決定戦でしのぎを削った相手との一戦だ。目標である王座進出を果たすために、もう敗北は許されない。リーグ戦の火ぶたはまだ切られたばかりだ。


[井手満菜、渡辺悠志郎]


試合後のコメント

――主将として今試合全体を振り返っていかがでしたか。

 「僕が1年生の時は0-9で、3年生の時も1-9で、なかなかぼこぼこにされてしまっていましたが、今日はダブルスで2-1で折り返すことができました。特にダブルスメンバーに成長を感じることができた試合だったと思います。僕が主将としてダブルス練習とかを強化してきたことが結果としてつながったのが非常に良かったです。反面、シングルスの強化が必要だと思いました」


町田

――試合を振り返っていかがでしたか。

 「立ち上がりは相手のペースにはめられてなかなか自分たちの流れをつかむことができなくて、セカンドも中盤まで押されたままでした。そこで一回自分たちで考え直すことができました。まずはしっかり自分たちのできるプレーをして、そこでまた集中力を切らさずに臨めたことが最後勝利を呼ぶことにつながったと思います」


河内健(商4=大分舞鶴)

――4年生は王座に向けての気持ちが特に強いというのはありますか。

 「すごくあります。やはり4年間ずっと一緒に信頼し合ってやっているので練習でも頼りになりますし、しっかりサポートし合っていて一番信頼できる仲間という思いが強いです」

 

副田温斗(営3=四日市工)

――今試合の勝因はどちらにありますか。

 「町田さんが後ろでストロークを頑張ってもらっている分、前でさばいていかないといけないので、そこがセカンドからよく動けていました。それはやはり相手の嫌なプレーを展開させることにつながり、すごく良かった部分かなと思います」


横田

――今試合のご自身の調子はいかがでしたか。

 「僕はかなり緊張していたというよりは、勝ちへの執着心というか、何かやるぞ、絶対勝とうという気持ちで入れたので、緊張して触れないとかポーチ行きたいけれども怖くてボレーに出れないということはありませんでした。状態としては去年の法政戦よりは全然良かったです」


飯田

――シングルスの試合を振り返っていかがでしたか。

 「僕はファーストセットのチャンスをうまく取り切れなかったのですが、気持ちを切り替えてセカンドセットからは自分のいい流れでできました。ファイナルセットになって相手が気持ちを切り替えてきて、プレーも守り気味なところからネットに多く出てきたところで、僕が少し相手よりも弱気になっていたと試合が終わってから感じました。なのでやはりこれからの試合で接戦になったときは、プレー面というよりかはメンタル面で勝負になるということを今日1日で感じたので、絶対勝つという強い気持ちを持ってプレーしていきたいと思いました」


村田英夢(理工1=麗澤瑞浪)

――試合中に声を掛け合っていたことや、心掛けていたことを教えてください。

 「試合中は基本的には戦術のことや、相手のどういうところが弱いよね、どういうところを狙っていこうとか、こういうことを気を付けてミス減らしていこう、といったことを2人では毎回話し合っています。また、相手のプレッシャーや味方の応援もある中で下を向いてプレーをしないようにできるだけポジティブな言葉をお互いに掛け合ったり、緊張している場面であれば笑顔を無理にでもつくったりしてネガティブな暗い雰囲気にならないように常に心掛けていました」


山中朝陽(文1=四日市工)

――初めてのリーグ戦でしたがいかがでしたか。

 「僕はリーグ特有な独特の緊張感というのはあまりなくて、適度に緊張はしていて、いい感じの状態で試合を楽しめました。周りからの応援が力になりました。応援があった方がやはり盛り上がれるのでそこで楽しい感じでプレーできて良かったです」