
見せつけた確かな成長 〝明治テニス〟躍進の夏へ/全日本学生選手権総括・関東大学リーグ戦展望(女子)
今年もこの季節がやって来た。日本一を決める全日本学生選手権(以下、インカレ)、そして全日本大学対抗王座決定試合(以下、王座)進出を懸けた関東大学リーグ戦(以下、リーグ戦)と大学テニスにおいて重要な大会が続く。インカレでは男子が6年ぶり単複ベスト4進出という歴史的快挙、女子は単複ベスト16が最高ではあるものの粘り強いプレーで爪痕を残した。インカレ閉幕から約1週間後にスタートするリーグ戦に向け弾みをつける大会となった。
◆8・15~21 全日本学生選手権(四日市テニスセンター)
▼女子シングルス
丸山――ベスト16
竹本――3回戦敗退
大沼、鈴木渚――2回戦敗退
徳安、吉田――1回戦敗退
▼女子ダブルス
南口・鈴木渚組――3回戦敗退
竹本・吉田組――1回戦敗退
◆8・28~9・10 関東大学リーグ戦(各大学テニスコート)
【女子】
全員が長時間に及ぶ熱戦に粘り強く対応した。今年の女子部は「1年生から4年生までいろいろな意見を出し合える雰囲気を大事に」(竹本萌乃主将・政経4=高松北)。先輩、後輩同士で組むダブルスでも、先輩に遠慮して打ち切れないことがないような雰囲気づくりを大切にしてきた。関東学生トーナメント(以下、春関)はシングルス単複ベスト16が最高成績に終わったが「インカレ単複優勝」と竹本をはじめ全員が力強い決意を固め、インカレへ挑んだ。
本戦にはシングルスが6人、ダブルスが2組出場。シングルスではインターハイチャンピオン・丸山愛以(商1=四日市商)が健闘した。「コートを走り回ってやろう」。高校時代に対戦経験のある数々の強敵に粘り強く食らいつき、撃破。「インターハイで優勝してから不安な時期が続いていた」。大学入学後も、自身のプレースタイルに迷いが生じていた。しかし今大会明大勢として最高のベスト16まで勝ち進み、自信を取り戻す。リーグ戦でも粘り強い「自分のテニス」で、スーパールーキーが明大に勢いをもたらす。
単複両方で本戦に出場した主将・竹本は、インカレでは自身最高のシングルス3回戦進出を果たした。しかし「追い掛ける展開で自分からゲームポイントを取れなかった。最後はもっと粘りたかったし、もっとコートに長くいたかった」。今までの自分を超える結果であっても、悔しさが勝る。以前から課題に挙がる本番での決め切れなさがインカレでも浮かび上がった。それでも強く振り切ることを意識したり、気持ちを盛り上げるためにウエアを変えたりと自分自身を鼓舞することは忘れなかった。インカレでは満足のいく結果ではなかったが、最後のリーグ戦で有終の美を飾ってみせる。
「正直もう一歩のところ。それでもいい意味でリーグ戦前にいろいろな結果を見られた」(上原真吾監督)。インカレでは、たとえ負けたとしても簡単には勝たせない。「負けてしまった選手もあと少しのところまでいっていた。やってきていることは間違っていない」(竹本)。粘り強く戦う個々のプレーが光った。部員数が少ないため全員が選手としての意識を高く持つ。それぞれがインカレで悔しい思いをした分、リーグ戦への一勝への思いはどの大学よりも強い。この思いを必ずや、王座へ届ける。
[出口千乃]
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