
シングルス3人、ダブルス2組がベスト16進出/全日本学生選手権3日目
不安定な天候が続く全日本学生選手権(以下、インカレ)本戦3日目。シングルスからは徳航太男子部主将(営4=法政二)、町田晴男子部副将(文4=四日市工)、そして丸山愛以(商1=四日市商)が、ダブルスからは町田・副田温斗(営3=四日市工)組と村田英夢(理工1=麗澤瑞浪)・山中朝陽(文1=四日市工)組がそれぞれベスト16入りを決めた。
◆8・15~21 全日本学生選手権(四日市テニスセンター)
▼8・17
[男子シングルス3回戦]
○徳 2{7-5、6-3}0 森田(法大)
○町田 2{6-1、6-4}0 冷水(近大)
飯田 0{5-7、6-7(3)}2 田中(筑波大)〇
[男子ダブルス2回戦]
○町田・副田組 2{3-6、6-3、10-4}1 在原・保坂組(立大)
○村田・山中組 2{6-3、6-0}0 大矢・市川組(愛知学大)
[女子シングルス3回戦]
竹本 0{4-6、3-6}2 堤(慶大)○
○丸山 2{6-2、2-6、6-1}1 湯浅(専大)
【男子シングルス3回戦:飯田翔(商2=足利大付)VS田中佑(筑波大)】
格上相手に接戦を繰り広げた。5月の関東学生トーナメント(以下、春関)でベスト16入りを果たした飯田の相手は、同大会の決勝で町田を破り優勝した強敵。「町田さんも徳さんも春関で負けていて、正直ここまで競ることができるとは思っていなかった」。気が張り詰めていた前日の2回戦を経て、リラックスした状態でコートに入った飯田は、出だしの第1ゲームをいきなりブレーク。その後は一進一退の攻防が続いていく。相手の不調もあり5-4とリードした第10ゲーム。キープすれば第1セットを奪えるチャンスがあったものの「サーブがなかなか入らず、相手に簡単に取られてしまった」。相手に3ゲーム連取され、セットカウントを0-1とした。
続く第2セット。序盤は第1セット同様に競り合う場面が続くも、第7、8ゲームを連取され、ゲームカウントは3-5に。第9ゲームではマッチポイントを握られる展開になるも、何とか食らいつきこのゲームを奪取。流れをつかむと今度は2ゲーム連取し、6-5と一気に相手を追い込んだ。勝負の第12ゲーム。セットポイントを2回握り、攻めの姿勢を貫いたものの、ついに8度に及んだジュースを制することはできなかった。最後はタイブレークを落とし、春関優勝選手にストレートで敗北を喫した。
「今日の敗因はやはり自分のサービスゲームの展開。サービスゲームが課題だったので練習してきたがまだまだ足りない」。格上相手に必死に食らいついた飯田のさらなる成長に注目だ。
【女子シングルス3回戦:竹本萌乃女子部主将(政経4=高松北)VS堤華蓮(慶大)】
しっかりとラケットを振り切る。「振り切った方が後悔は残らないと思った」ため、学生最後のインカレはそれだけを意識して試合に臨んだ。ゲームカウント3-4の場面、降雨のため試合は一時中断することに。その間、上原真吾監督からは「雰囲気が暗くなってしまっている」と指摘を受けた。そこで竹本は「明るく『行くぞ』という雰囲気を相手に見せつける」ため、ユニホームを黒色から明るい色にチェンジ。気持ちを新たにプレーを再開した。第1セットは譲ったものの、次につながる形でゲームを終えた。しかし第2セットはゲームポイントを握りながらも決め切れない場面が続く。「そこで決め切れていたらスコアは逆だったかもしれない」。全力を尽くしたものの、勝利まであと一歩届かなかった。
「もう少し長くコートにいたかった」。この悔しさを晴らす舞台は関東大学リーグ戦だ。「最終目標は王座(全日本大学対抗王座決定試合)優勝。ただ、まずは目の前の一戦一戦に集中して全員で勝ちに行きたい」。主将としてチームを勝利へ導く姿に期待したい。
明日は雨天順延した女子ダブルス2回戦に加え、ベスト8進出を懸けた男女シングルス4回戦、男女ダブルス3回戦が行われる予定だ。昨年度の最高成績ベスト16越えに挑む選手たちの活躍に期待がかかる。
[萩原彩水、渡辺悠志郎]
試合後のコメント
【男子シングルス】
徳
――試合を振り返っていただけますか。
「今日は昨日に比べて、自分の調子があまり良くなかったのですが、その中で今日は割り切って、調子が悪いなりに頑張ろうというふうに切り替えてできたのが良かったです。また今日は少し肩を痛めていて、あまりサーブをフルで打てなかったのですが、しっかりサーブを入れた後にストロークで戻していく形を取りました。自分の弱い部分が分かった上でプレーできたところが良かったところだと思います」
飯田
――今の気持ちを教えてください。
「相手が格上だと知っていて、町田さんも徳さんも春関で負けていました。正直ここまで競れると思っていなかったので、勝てるチャンスがあったからこそすごく悔しいです」
――今大会で得た課題と収穫を教えてください。
「課題はサーブ、サービスゲームです。もちろんサービス力もあるのですが、サーブからの展開というのをもっと工夫して、もっと楽にサービスゲームを取れるようにしたいです。収穫としてはやはりフォアハンドで相手を追い出すボールからのストレートというのを練習でやっていて、それを試合で使って結構ポイントが取れたのでそれは良かったなと思います。また相手は強い選手だったのですが、やってみたら自分でも結構競れると分かったので、もっと自信を持ってリーグ戦に向けて、自分は強いんだというポジティブな気持ちを持っていきたいです」
【男子ダブルス】
町田
――ダブルスの1回戦目と比べて、良くなったと感じる部分はありましたか。
「リターンだと思います。今日はいつも以上に、いいリターンをしっかりと相手のコートにねじ込むことができました。そのねじ込む中でも、しっかりと相手が動く方向を見て逆にボールを送るなど落ち着いてできていたので、リターンが前回の試合と比べて成長できたなと思います」
副田
――ファイナルセットの心境はどのような感じでしたか。
「合宿をインカレの前にやっていて、そこでは結構ファイナルセット、タイブレークといった場面が何回もありました。合宿でも勝ち切ることが多く、今回もまず序盤に離すということを僕は心に置いていました。それが結構うまくはまって最後8-4で2回目のチェンジコートができたので、そこは合宿でやってきたことがここになってちゃんとできているなと感じています」
村田
――この大会に向けて強化してきたことを教えてください。
「僕たちは春関で結構勝てたのですが、その時は声を出してどんどん打っていって勢いで勝っていきました。それが相手や周りに研究され、動画なども見られる立場になり勢いだけではいけなくなりました。なので、例えば前衛の動きやミスが出ているところ、サーブの確率やリターンなど、基本的な技術でミスが出ているところを見直して、 一つ一つ基礎からやり直していきました」
山中
――試合を振り返ってみていかがですか。
「ファーストセットは緊張もあったのですが、リターンゲームでもサービスゲームでも、うまく自分たちの流れに持っていくことができました。セカンドセットは、ファーストセットを取って始めの方にブレークできて、気持ち的にも余裕があったので、練習してきたことを生かして前でしっかり動いて決めることができました」
【女子シングルス】
竹本
――今日の中で良かったプレーを教えていただきたいです。
「今日一番良かったのはサーブかなと思います。サーブは昨日からすごく調子が良くて、ファーストサーブの確率がすごく良かったです。ファーストサーブの確率を上げようと思って、回転を多くして入れにいったのではなく、しっかりと振り切った上で確率が良かったです」
――4年間のインカレを振り返ってみていかがですか。
「結果としては3回戦に進めたのは初めてだったので良かったのですが、やはり今日の相手もチャンスがある選手でしたし、もちろん優勝を狙って練習をしてきていたので、もう一個上にも行きたかったです。4年間を振り返って、自分のテニス自体は1年生の時に比べたら成長したとは思いますが、飛び抜けた成績は出せなかったので、やはり悔しいです」
丸山
――今日の調子はいかがでしたか。
「体の状態はそんなに良くはないのですが、どんどん試合をやっていくうちに、その中でプレーが固まっていくというか、どんどんいいプレーになっているなとはすごく感じています。バックのスライスやスピンで上げるなど、いろいろ自分が組み立てて試合しているなという感じはありました」
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