
強豪・桜美林大に善戦 惜敗も次につながるベスト8/全日本学生選手権
強豪相手に惜しくも一歩届かなかった。目指すは日本一と乗り込んだ全国学生選手権(以下、インカレ)。安定した射でベスト8という結果を残すも、3回戦では強豪・桜美林大の20射皆中を前に苦杯を喫することとなった。また、女子団体は予選通過に奮闘したが、わずかの差で決勝トーナメントに進むことはできなかった。
◆8・10~12 第70回全日本学生選手権(日本武道館)
▼男子団体
明大――ベスト8
▼男子個人
三田村――6位
▼女子団体
明大――予選敗退
優勝を目指したインカレ初日は、不安の残るスタートを切った。10日の予選では13中─7中と、ぎりぎりでの決勝トーナメント進出。そんな中で、翌日の決勝トーナメントでは安定した射を披露した。初戦は19中を決めて鮮やかに勝利。その後の2回戦と3回戦もともに18中と、前日とは打って変わってハイレベルな試合を見せた。その背景にあったのは試合前の反省であると、予選で1中という悔しい思いをした細川凌平(営2=秀岳館)は話す。「昨日道場に戻って先輩方にいろいろ聞いて、いつもとここが違うといったことを教えてもらった。その反省が生きた」。試合前の入念な取り組みが、明大にベスト8という結果をもたらした。
2回戦の対戦相手は、昨年度のインカレ準決勝で惜しくも敗れた筑波大。「しっかり自分のやるべきことをやって悔いが残らないように全力で取り組んだ。負ける気はしなかった」と自信を見せた細川の言葉通り、臆することなく18中という結果をたたき出し、明大の地力を見せて勝利した。
3回戦は、緊迫した空気感の中で行われた。対戦相手の桜美林大は今大会の優勝チームで、予選を20射皆中で勝ち上がった正真正銘の実力校。試合中には、桜美林大の皆中を知らせる鳴りやまない拍手が明大の選手を襲った。序盤で2本抜いてしまった明大に対し、1本も外さない桜美林大。「頭の隅で『相手はまだ抜いていない、まだ詰めている』とプレッシャーを感じていた」と小林樹生(理工2=国学院)。また伊山優樹(政経3=東北学院)は「あまり緊張しないタイプだが相手が外さないので緊張した。ぐらぐら震えた」と緊張をうかがわせた。結果は明大が18中で、桜美林大が20射皆中。明大も敢闘したが、桜美林大の完璧な射の前に圧倒された形となった。
最終結果はベスト8。3回戦で敗退となったものの、1~3回戦を通じて明大は非常に安定した射を見せた。今回初めて大前を担った若林優弥(農1=小笠)は「全国大学選抜では試合に出ることができなくて悔しい思いをしたので、そこからはいつも以上に外さない意識を持って、誰よりも中てるという気持ちで練習をしてきた」と話す。その言葉通り、決勝トーナメントでは12射皆中と堂々たる射でチームの勝利に貢献した。レギュラー争いが加熱する明大弓道部であるだけに、これから始まるリーグ戦ではきっとさらなる飛躍が見られるであろう。今後の活躍に期待が高まるばかりだ。
[布袋和音]
試合後のコメント
寺本裕明監督
――今日の団体戦を振り返っていかがですか。
「不本意ながら予選ぎりぎりでなんとか決勝に残れました。それからすると(東京都学生連盟)1部リーグの明大の意地は見せられた試合だったと思います。私たちも9割中っていたので、明大が悪かったというより相手の桜美林大が良かったですね。スキがありませんでした」
畠山祐輝主将(政経4=新屋)
――よく声かけをされていました。
「全て試合をしている本人の気持ち次第でどうにでもなると思っていたので、射のことに関しては一言も言わずに、抜いた人にはとりあえず『落ち着いて堂々と引いて』と声かけをしていました」
増田皓太(理工1=富士宮西)
――決勝トーナメントは全体として安定していました。その要因はありますか。
「予選は的中自体が悪かったのですが、みんなの気持ちが入れ替わって決勝に臨めたことが安定につながったのかなと思います。また、決勝でどうにかするために、昨日の夜や今日の朝にみんなが一生懸命集中した練習が出来たからかなと思います」
若林
――大前として初めてのインカレ。どのような意気込みでしたか。
「大前が流れを作る大事な役割だと思っているので、なるべく1本目からいい矢でいけるように集中して、しっかりやるぞという気持ちで臨みました」
小林
――決勝トーナメントは1~3回戦まで12射皆中でした。
「今日は主将と、1本引き終わるごとに顔を見合わせて『グッジョブ』みたいな感じのことを初戦の1本目からできていたので、緊張が緩和されて、練習からやってきたことをしっかりと発揮できたのかなと思います」
細川
――対桜美林大戦、両チームがハイレベルな試合をした中での敗退に悔しさはありますか。
「とても悔しいです。練習から常に緊張の状態、相手が全部詰めてきた状態のイメージトレーニングをしているのですが、それをする前に気付いたら負けてしまっていたという状況だったのでとても悔いが残りました。でもこれはリーグ戦に生きてくると思っています」
伊山
――落を務めたことについてはいかがですか。
「落の役割は、勝負矢を決めることだと思うのですが、今回結構抜いてしまいそれがあまりできませんでした。そういうところが役が重かったかなという感じはしますね」
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