
全日本閉幕 決勝Aに8艇進むも無冠に/全日本選手権
全競技の中で最も早く第100回を迎えたことを記念し、海の森水上競技場で開かれた今大会。明大からは全10艇が出場し、決勝Aには8艇が進むも、無冠に終わった。4カ月後の全日本大学選手権(以下、インカレ)に向け、この結果を糧に弾みをつけたい。
◆5・12~15 第100回全日本選手権(海の森水上競技場)
▼男子シングルスカル(S近藤)――B決勝6位
▼男子軽量級ダブルスカル(S市川B吉田)――B決勝1位
▼女子軽量級ダブルスカル(S荒川B樋口)――A決勝4位
▼男子軽量級ペア(S大久保B佐々木剣)――A決勝5位
▼女子ペア(S山田B平松) ――A決勝4位
▼男子フォア(S和田3佐々木丈2門馬B松川)――A決勝6位
▼男子舵手付きフォア(C鹿川S阿部3杉本2平田B鷺池)――C決勝4位
▼男子クォドルプル(S東坂3寺井2辻B中山)――A決勝5位
▼男子エイト(C岡部S平野7岡本6藤井5山本4上戸3金澤2武藤B中條)―― A決勝6位
▼女子エイト(C岡部S田口7磴6青山5中山4山吹3小野寺2田草川B林原)――A決勝6位
4月の日立明三大学レガッタ(以下、三大学)から約1カ月。「今回はみんなが自信を持った状態で試合に臨むことができた」(林原萌香女子主将・法4=米子西)と良好なチーム状況の中、全日本を迎えた。今大会での躍進が期待された明大だったが、決勝初日は不運に見舞われる。女子エイトは終盤まで熾烈(しれつ)な上位争いを演じるも、ボートのシートが外れるアクシデントが発生。「それまではイメージ通りだった」(林原)と理想的なレースを展開していただけに、悔しい結果となった。また男子フォアでは腹切りと呼ばれるミスが起こり、土壇場で最下位に転落。さらに女子軽量級ダブルスカルでは、健闘を見せるもわずか1秒差で表彰台には届かず4位。「ギリギリの練習が足りない」(岡野知幸助監督)と課題が見つかる結果となった。
しかし、収穫も少なくない。市川隼伍(法1=関西)、吉田成汰(営1=岡山東商)の男子軽量級ダブルスカルではB決勝ながら見事優勝。この1年生ペアの活躍について岡野助監督は「これで喜んでもらうと困る」としながらも頬を緩ませた。
「大学の中ではトップを取ることを目標に挑んだ」(星遼監督)と迎えた全日本最終日。男子エイトは、今大会の予選や敗者復活戦でスタートから出遅れる結果に。だからこそ「最初の500メートル、全力を出し切るつもりでいこう」(岡本康聖主将・商4=宇和島東)とクルー全員の意識を統一。課題を改善し、500メートル地点まで、他艇に1歩も譲らない激しい競り合いを見せる。しかし「いいスピードに乗ったところでそれを続けることが難しかった」(星監督)と序盤のペースを維持し、相手の艇速に食らいつくことができない。1000メートル地点から差がじわじわと開き「パワー負けを感じた」(岡本)。最後まで追い付くことができず、そのまま6位でフィニッシュ。5年ぶりのA決勝進出なるも、表彰台には及ばず、悔しい結果に終わった。
女子ペアや男子クォドルプルもA決勝に出場したが、惜しくも表彰台に上がることはできず。「全員がベストを更新してレベルアップしていかなくてはならない」(星監督)。悲願の全日本大学選手権(以下、インカレ)に向けて、再び明大はこぎ始める。
[上瀬拓海、原田青空]
試合後のコメント
星監督
――全体を振り返っていかがですか。
「決勝に行ったクルーは確かに多かったのですがその先、決勝で本来の力だったらもう少し行くだろうなという順位には届かなかったかなというところがありました。いい意味で、ここでリセットしてまたオフ明けから少し切り替えていけると思っています」
――インカレに向けて必要なことはありますか。
「チーム全体としてはもっと勝つ雰囲気づくりをしていきたいと思っています。もちろんやる気もありますし、頑張っていることも分かります。ただインカレとなるともちろん大学対抗ですし、本当のチーム戦になってくる所なので戦う集団としてみんなの意識を引き上げていきたいなと思います」
岡野助監督
――大会3日目を振り返っていかがでしたか。
「アクシデントも多かったのでベストとは言わないですが、次への経験になったという意味では良かったかなと思います」
――助監督から見て、良かったクルーはありますか。
「男子のクォドルプルは途中トラブルで遅れましたが、遅れたなりにリカバリーをして決勝に残れたのでそれは良かったです」
林原
――全日本を振り返っていかがですか。
「三大学が終わってからは練習で数値目標を1週間ごとに設定して、雰囲気良く大会を迎える事ができたことは良かったです」
――敗者復活戦の課題を克服して決勝を迎えたと伺いました。
「敗者復活戦でスタートの500mを飛ばし過ぎたという課題があり、決勝は300mくらいで落ち着いたこぎが確立できました」
――インカレに向けて一言お願いします。
「女子エイトメンバーは不完全燃焼で終わってしまったので、そのメンバーでクォードを組み、優勝をしてリベンジしたいです。他のメンバーも他の艇で決勝に残り、総合優勝に貢献できたらと思います」
岡本
――全体的に3日間のレースを振り返っていかがでしたか。
「予選で課題だったスタートを、改善し切れたことは強みになりました。500から1500メートルで力負けをしてしまったので4カ月後のインカレに向け全員でパワーアップしていきたいと思います」
――クルーの雰囲気は、いかがでしたか。
「全員が勝とうというプレッシャーはなく、チャレンジャーとして、同じ順位でも最初から勝負して、負けるなら負けようということで気楽にできました」
――今後に向けてはいかがですか。
「フィジカル強化など課題が多く見つかり収穫もありました。コーチが少ない状況なのでコックスも含めた9人全員で意識を高く持って、自分たちの力でやっていきたいです」
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