ジュニア世界選手権に稲山が出場 試合後インタビュー

2022.04.15

 ジュニア世界選手権に稲山友梨(営2=星槎国際)が出場した。U―20国内ランキングで上位4名が派遣される今大会。予選を5勝1敗で突破し、トーナメント戦へ進出した稲山は2回勝ち上がると3回戦でポーランドの選手と対戦。持ち味である細かいフットワークで技を仕掛けるも相手のカウンターをかわせず連続でポイントを献上。相手にリードを許しそのまま試合は終了。エペ個人ベスト32で幕を閉じた。

 今回は、試合後の稲山のインタビューをお届けします。

 

――今大会はどういった意気込みで臨まれましたか。

 「今年度、U20のカテゴリーが最後だったのですが、初めて出場することができました。最初で最後という感じだったので緊張もありましたが、久しぶりの海外の試合を楽しんでできればいいなといった思いで試合に臨みました」

 

――ご自身の調子はいかがでしたか。

 「緊張はしていたと思います。しかし、アップから試合に移るまでの流れが分かっている日本とは違い、ドタバタしていたので、緊張する暇があまりなかったような印象でした。予選落ちしなければいいと思っていたほど自信がなかったのですが、試合が始まればある程度自分の身長や力でも通用することが分かったので、調子は悪くありませんでした」

 

――トーナメント戦3試合目では、何度か相手に連続でポイントを取られていた場面がありましたがいかがでしたか。

 「1セット目と3セット目で焦ってしまいました。相手を詰めて出てこさせるということをやりたかったのですが、自分が出過ぎてしまい対応できずにやられてしまったという感じです。どうしても勝ちたいという気持ちが出てしまっていて、無意識のうちに攻め過ぎてしまっていたという感じでした」

 

――相手の選手は左利きでしたが、やりづらさはありましたか。

 「自分はもともと左利きの選手との対戦が苦手というのはあります。また、その日のそれまでの対戦相手は全員右利きの選手でした。その感覚と距離が違うのでとても難しくてやりづらさを感じました」

 

――攻撃を仕掛ける時に意識していたことはありますか。

 「自分が取ろうとしていた技が、フェイントを掛けて相手が出ようとしたところや中途半端に出てきたところを抜いて下から肩を狙うというものでした。意識していたことは近い距離で入り過ぎないことです。入り過ぎると準備ができないのですが、遠い距離の時から相手にフェイントを掛けて相手を動かせることを意識していました。遠過ぎず近過ぎず、相手が動いてくれる中で一番遠い距離を狙っていました。自分からフレッシュやアタックにいっても相手は守りの準備ができているのであまり通用しないと思い、コントルアタック(相手の攻撃を阻止しながら行う攻撃)を常に狙っていた感じです。また、相手が左利きの選手だったのでこの技を狙っていました」

 

――今大会で見えた課題は何ですか。

 「トーナメント戦3回戦の相手は、自分に比べて身長がそれほど高いわけでも力があったわけでもなかったです。そういった相手に負けた理由は勝ちたいという気持ちや焦った時に出てしまう距離の詰め具合のミスにあります。どれだけ平常心を保って試合ができるかが今大会で出た課題です。今まで、出ていた課題が改善できていないので、改めて課題として認識しなければいけないと思いました。しかし、逆にそこを少しでも良くすれば海外でも国内でもまだまだ実力を発揮してもっと上にいけると思いました」

 

――世界の選手と戦ってみて違いは感じましたか。

 「日本と比べて、自分より背が高い選手が多くいると感じました。そのため、いつも以上に相手との距離を遠く取り、自分の持ち味であるフットワークを使い、どうしたら相手との距離を崩せるかということを意識していました」

 

――4月17日に行われるフェンシング・カップに向けた意気込みをお願いします。

 「あと少ししか時間がなく、隔離期間があるので思うように練習ができないという状況ではありますが、それまでにしっかりと疲れを取り試合に臨みたいです。同じ反省点を繰り返すのではなく、新しい発見ができたらいいなと思います」

 

[正野真由夏]