
【瓦版】宇田・戸上組 日本一/全日本選手権
優勝の栄冠は紫紺を背負う若き2人がつかんだ。今年度破竹の勢いで活躍し迎えた全日本選手権。宇田幸矢(商2=大原学園)・戸上隼輔(政経2=野田学園)組が明大生同士のダブルスとしては5年ぶりとなる快挙を成し遂げた。
世界を経験した2人は〝だて〟ではなかった。王座を懸け、対峙(たいじ)したのは世界選手権でも戦った森薗政崇(平30政経卒・現BOBSON)・張本智和(木下グループ)組。「世界選手権や世界選手権の合宿中で何度もやってきた相手」(戸上)。お互いの手の内を知り合う中での一戦となった。
試合が始まると序盤から力強いボールが飛び交う展開に。その中でもサーブとレシーブの段階からラリー戦に持ち込ませない相手に翻弄(ほんろう)され、立て続けに2ゲームを連取される。「相手も良かった分、自分たちが少し空回りをした」(宇田)。第2ゲームをデュースの状態で落としてしまったこともあり、プレッシャーを感じていた2人。「出だし次第ですぐ負けてしまう」(宇田)。もう後がない第3ゲーム。「ラリーになるように自分たちの戦術を変更した」(戸上)。丁寧にレシーブを入れにいき、つなげる卓球を意識した。これが功を奏し、このゲームを獲得。勢いそのままに次のゲームも連取し、勝負の行方は第5ゲームへ。序盤から攻撃の手を緩めず、戸上の低い打点でのドライブで得点を重ねていく。宇田のカウンターもさえわたり、最終スコア11―7で日本の頂点に立った。
今年度は飛躍した年だった。アジア選手権では金メダルを獲得し、世界選手権では銅メダルの偉業を達成。「世界選手権を経て、自信と覚悟は持たなければと感じた」(宇田)。世界を相手にしてきた分、国内で負けられないという気持ちが今回の全日本選手権の優勝につながった。しかし「自分たちの目指すところは日本の優勝ではなく世界での優勝」(戸上)。学生ながらに全日本選手権で単、複の優勝を経験してきた2人。世界を相手に得た覚悟を背負い、日々夢に向かってまい進し続ける。
【小井土大裕】
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