
全日本選手権事後インタビュー 宇田幸矢×戸上隼輔【前編】
1月に行われた全日本選手権(以下、全日本)。ダブルスでは、宇田幸矢(商2=大原学園)・戸上隼輔(政経2=野田学園)組が優勝。戸上はシングルスでも優勝と、単複二冠を達成した。今回は数々の激戦を勝ち抜き、優勝を手にした2人のインタビューをお届けする。(この取材は2月17日に行われたものです)
――まずは全日本を振り返ってみていかがですか。
宇田:結果と内容は全く良くないという感じで課題と反省が残る大会だったと思います。ダブルスに関しては、いい流れを優勝に結び付けられたことが自分としては自信にもなりましたし、これからどんどん目標を高く持てると感じました。ですが内容自体はまだまだ課題の残る内容でした。しっかりと話し合って今後ダブルスに関してはさらに強くなれる試合だったと思います。準々決勝くらいから厳しい戦いが続いて台上技術自体は少しずつ良くなっているように感じています。ですが、選択肢を増やしていかなければ、世界と戦っていくには安定して勝てないと思います。自分たちはラリーになってからの得点がかなり多く、それぞれの持ち味ですが、それに関してパワーでいこうとし過ぎた部分がありました。2人の位置や距離感というのを理解して詰めていかなければならないと感じました。
戸上:満足のいく試合というのはそこまでなかったですし、本当にギリギリの戦いを勝ち切ったという試合が多かったのです。ですが、追い込まれた状態で勝てたことはすごく自信にもなりますし今後の伸びしろを自分たちの中で見つけることができました。ただ、準決勝、決勝と0―2からのスタートでスタートダッシュの遅い試合が続いてしまいました。世界で戦うとなったら1ゲーム目から自分たちのプレーを強化していかなればならないということも見つかりました。1ゲーム目から落ち着いて相手をきちんと見てプレーをすればもっと強くなれるという実感も湧きました。
――決勝での対戦相手である森薗政崇選手(平30政経卒・現BOBSON)・張本智和選手(木下グループ)ペアは世界選手権でも一戦交えていました。
宇田:先月、試合をしていて世界選手権前もダブルスで練習していてお互い同プレーをしていくという想定や準備をしていました。ですが、そこで1、2ゲーム目は僕たちが空回りをしてしまい、いろいろと考え過ぎました。無理をし過ぎてしまったので向こうのほうが冷静だったと思います。ですが試合前はかなり自信がありました。自分たちがやるべきことをやれば必ず勝てると思っていたので、試合に入る前は冷静に入れたと思います
戸上:何度も、世界選手権や世界選手権の合宿中で戦ってきたので手の内は分かっている相手でした。ですが、先ほど宇田が言ったように試合前考え過ぎていたというのが0―2になってしまった要因だと思います。ただ、3ゲーム目で冷静にプレーできたのは、負けていても自分たちのプレーを取り戻せたということがすごくいいと思いました
――決勝では先に2ゲームを奪われて後がない状況でした。
宇田:嫌な流れというか、本当に1ゲーム目は仕方がないというか。相手も良かった分、自分たちが少し空回りしていました。自分たちが最後マッチポイント取った状態で追い付かれて負けてしまいました。3ゲーム目入る時は怖いな、ここの出だし次第ですぐ負けてしまうなと感じていましたが、ここから一球一球冷静に一点一点取るしかないと感じていました。
戸上:2ゲーム目こちらがタイムアウトを使って、デュースで取られてしまったというのがあって出だしが本当に悪かったです。0―3で負けてしまう場面で自分たちがプレッシャーを感じながら試合をしていた中でも落ち着いて試合をすることができました。戦術転換などいろいろと組み立てることができて、いい面も悪い面もありました。最終的には、苦しい中で自分たちがいかに1点をどうやって取るかという試合だったので非常に苦しかったですね。
――試合中はどのようなことを話していましたか。
宇田:絶対に苦しい試合になると思っていたので自分たちの世界選手権で戦ってきたことを思い出しつつ、ですがそのままでは良くないと思っていました。やること自体はそこまで強くは決めていませんでした。戦術よりも技術的なこと、形的よりも感覚的にいこうねという話をしていて、自分たちがその場で自信持ってやれることをやっていこうという気持ちを持って試合をしていました。お互い信頼はしていますし、どちらもアシストも得点を決めることができることが強みのペアだと思います。
戸上:試合に入る前は、自分たちのプレーをやり遂げようと話していました。その中で自分ちのプレーがうまくいかなかったことはありましたが、最後まで丁寧にプレーをすることができました。攻撃力がある自分たちのプレーは世界で通用するという自信は持っていますし、このペアに負けるわけにはいかないという強い気持ちは試合入る前から強かったです。
――改めて、ダブルスの全日本優勝という結果について振り返っていかがですか。
宇田:世界で3位になって、アジアでも優勝して、ここ最近結構良い流れできていたので絶対に取りたかった全日本で取ることができました。全日本で優勝できたので、今後パリ五輪を見据えて世界で優勝できるように頑張っていきたいですね。
戸上:僕たちは2024年のパリ五輪を目指して頑張ってきて、これから選考レースもどんどん始まってきます。選考レースというのも長いようで短い期間なので、まず全日本でこうやって優勝できたこと、ナンバーワンというのを証明できたことはうれしいことでした。ですが自分たちの目指すところは全日本の優勝ではなくて世界での優勝なので、満足せずにやっていきたいと思います。
――ありがとうございました。後編も引き続きよろしくお願いします。
[大橋直輝・小井土大裕]
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