ラストインタビュー(2) 廣田恵吾

DF廣田恵吾(営4=北海道清水)

(※この取材は1月25日に行われました)

 

――最後の日本学生氷上競技選手権(以下、インカレ)を終えて、結果は準優勝でした。率直な感想を聞かせてください。

 「今まで負けたときは『もっとこうしておけば』であったり、後悔が残ることが多かったですが、インカレは『やり切った、燃え尽きた』という感情が大きかったです。大会が終わり月日はたちましたが、その気持ちは今も変わらず、最高の思い出になっています」

 

――2年ぶり、そして最後のインカレはどのような大会になりましたか。

 「徳田さん(滉也・令3政経卒)の代にはたくさん生意気を言ってきたし、たくさん迷惑も掛けて、先輩の分までという気持ちを持って大会に臨みました。結果では恩返しすることができずとても悔しいですが、少しは恩返しできたのではないかと感じています。最後のインカレはあっという間でした。自分のプレーがどうこうというよりは、後輩たちにどれだけ力を発揮させてあげられるかを考えて、4年生全員でベンチワークなどを行ったつもりです。それが後輩たちに伝わっていれば、頑張った甲斐があったと思います。また学連の学生委員長として運営側にも携わり、いつもの大会よりハードでしたが、この経験は誰でもできることではないですし、今後生きて行く上で大切なことを学べた気がします」

 

――幼い頃から慣れ親しんだ場所で競技人生の最後を迎えました。

 「小学6年次、中学3年次の全道大会、高校3年次の全国高等学校総合体育大会、大学4年次のインカレ。節目での最後の大会は、全て地元・帯広での開催でした。今回のインカレは無観客でしたが、たくさんの方々に応援していただき、幸せな18年間のアイスホッケー人生でした。インカレの初戦で対戦した京産大の土橋くんとは、5歳の頃から高校3年次まで、ずっと同じチームで切磋琢磨(せっさたくま)してきた幼馴染でした。いつか対戦したいねと話していましたが、まさか最後の大会で、しかも清水町アイスアリーナで試合ができたことが何よりもうれしかったです。会場を超満員にすることが目標でしたが、かなわず残念です」

 

――最後の1年間を振り返っていかがですか。

 「人生の中で一番早い1年でした。コロナ禍ということもあり、行動に制限があって思い描いていた大学生活ではなかった部分もありますが、楽しい毎日を過ごすことができました。みんなに感謝したいです」

 

――明大での4年間を振り返っていかがですか。

 「最初は他大学に行くつもりで高校生活を送っていました。しかし井原前監督から声を掛けていただき、それまで明大のことはあまり知りませんでしたが中学、高校の先輩・川村一希さん(平29商卒・現横浜グリッツ)も通っていた大学だったので、きっといい大学だろうと思い、明大に進学を決めました。入学した当初は、ホッケー面でも私生活面でも全てで圧倒されて、何もかもすごい先輩方を見て勉強の毎日でした。ただ勉強面は見習っていたら単位を取れなかったので、うまくやることの大切さも知りました(笑)」

 

――これまでのホッケー人生を振り返ってください。

 「とても恵まれたホッケー人生でした。たくさんの素晴らしい指導者の方々に出会い、たくさんの方々に支えられ、幸せ過ぎました」

 

――これからどのようにアイスホッケーと関わっていきますか。

 「これからの人生は、今までたくさんの方々に支えられ、素晴らしい環境でアイスホッケーを楽しませてもらったので、今度はその環境を子供たちにつくってあげられるように、子供たちに還元できるような人になりたいです」

 


――同期との思い出を聞かせてください。

 「同期との思い出は語り尽くせませんが、同期で出掛けた由比ヶ浜は最高に楽しかったです。安定の運転手だったのでお酒は飲めなくて、酔っぱらいの後始末が大変だったんですけど、僕もたくさん迷惑を掛けてきたので、助け合いってやつですね。コロナ禍になり同期で飲みに行ったり、出掛けたりすることが減ってしまったことが一番心残りです。でも、畑中(GK秀斗・政経4=苫小牧工)あたりは呼んでもないのに北海道に来たりすると思うので、卒業しても年1ぐらいで集まりたいです。ね? みんな」

 

――同期の皆さんへ伝えたいことはありますか。

 「 共弘(FW田名部・文4=八戸工大一)、大基(DF青山・法4=釧路江南)と3人でスタバに行ったり、寮でご飯一緒に食べたり、釣りの話したり。いろいろな思い出があるね。医療関係同士、コロナ禍を乗り越えていこうね。4年間ありがとう。そして、とも(田名部)のお父さん。ともからお魚を頂いていました。めちゃめちゃ美味しかったです。次は実家で待っています。莉央(FW吉岡・文4=武相)、8人の同期の中で一番関わった期間が短かったけど、そんなの感じないぐらい最初から気さくに話してくれてうれしかったです。これからは会う機会が減ってしまうけれど、たくさんお酒を飲むようになったら北海道に遊びに来てね。そして莉央の両親。4年間お世話になりました。梅酒最高でした。こちらも実家で待っています。大基、Uー15の時からバスでは一緒に座ってくれたり、遠征の部屋はほとんど一緒だったり。大基にとっては、これからが本当の始まりだと思います。どんなに壁にぶつかっても必ずはい上がり、必ず日本を代表するDFになってください。僕はそれを皆んなに自慢します。よろしくお願いします。今までたくさんお世話になったけれど、礼は言わないぜ。これからもよろしくね、My Bro。三浦(DF大輝・法4=駒大苫小牧)、俺の友達にはいない初めての人種で戸惑う部分もあったけれど、内面は意外としっかりしていて、お母さんにしっかり指導されているなと思っていました。毎晩『ボーリング行かね?』って誘ってくる生活がもうなくなると思うと少し寂しい気もするけど、プロになって北海道に来たときには試合見に行くから。その時はまた肩口ばっくり決めてくれよ。今までありがとう。年1では必ず集まろうね。応援しています。下山(FW学路・商4=北海道清水)、高校生の頃から7年間たくさん迷惑掛けられました。高校では同じクラスにさせられ、先生に『下山はお前がどうにかしろ』と言われ、注意をし続けましたが、毎週五厘頭になっていましたね。迷惑掛けられた分、たくさんの思い出はできたね。免許持っていないのに友達に運転させて空港に迎えにきてくれたこと。受験の時に、ラーメン嫌いな下山がラーメン好きな俺のために1日に4軒ラーメン屋に連れていってくれたこと。まだあるけど、ここでは言えないようなことばかりだからやめとくわ。これからは会う機会がなかなかなくなってしまうかもしれないけれど、北海道に来たらいつでも連絡してな。今までありがとう。雄大(FW佐久間・政経4=白樺学園)、中学生の頃、黒縁デブメガネだった雄大と大学で同じチームになり、たくさん酔っ払った雄大の相手をした4年間でした。大学生活で太ったのは、酔っ払った雄大がシラフの俺にBIGシーフードヌードルを食わせたからです。酒乱で私生活荒ぶっているけど、ホッケーでは頼りになりました。秋リーグの雄大は本当に凄かったよ。やめちゃうのは本当に残念だけど、社会人でやるならばっくりつぶしたいから覚悟しておけよ?(笑)。釧路には年2は行くから、例の焼肉屋行こうな。飲みは記憶なくなるからなしで頼む。今までありがとう。これからもよろしくね。秀斗くん(GK畑中・政経4=苫小牧工)、168センチ、102キロ。その節は失礼しました。秀斗くんには、たくさん飲ませたし、たくさんいじったよね。秀斗くんが部屋にいたら本当に部屋が狭く感じるんだよね。なんでだろ。顔がデカいからです。でも最近はケツもデカいし、なんなら全部デカいよ。気をつけてな。1年に1回は秀斗くんと飲みたいから北海道に来てくれや。待ってるど。今までありがとう。これからもよろしくね。同期の両親の皆さま、4年間本当にお世話になりました。遠征先では洗濯をしていただいたり、同期バーベキューや飲みをさせていただいたり、本当に楽しい思い出ができました。思い出としては、ハタボー(畑中)に赤コップをいただたこと、三浦家でバーベキューをしていたらうるさくて問題になったこと、佐久間家で牡蠣、ツブをたくさん頂き、ともくん(田名部)が伝説の『炙りカブリ』を生み出したことなどなど、たくさんの思い出ができました。この4年間を糧に、社会人になっても頑張りたいと思います。これからもお世話になります。ありがとうございました」

――最後の大会は無観客でした、家族へ伝えたいことはありますか。

 「アイスホッケーを18年間続けてこられたのは、両親のおかげです。小学生、中学生の時は、ほぼ毎日アリーナまで送り迎えをしてくれて、試合になると必ず観客席で見ていてくれました。口ではなかなか伝えられないので、この場をお借りして、18年間ありがとうございました。臭い洗濯物も、夜遅くまでの送り迎えも全部終わりだと考えると寂しくなると思いますが、恐らくこれからも沢山迷惑を掛けると思います。就職してホッケーをやるかは分かりませんが、たまにはスティックの1本ぐらい買ってください(笑)」

 

――最後に後輩へエールをお願いします。

 「私たちの分までとは言いません。私たちが1、2年目に経験した優勝、最高だったよ。それを味わえるように頑張ってください。私は後輩が好きで、特に部屋っ子、十勝出身者、いつメン、青山Jr(FW青山晃大・法2=武修館)は、可愛がってきたような気がします。時には迷惑に感じることもあったかもしれませんが、あなたたちには一番期待しています。前評判では明大は落ちると言われているそうです。そんなのは関係ない。団結した明大は絶対にどこにも負けない力があるはず。そう信じて春から頑張ってください。陰ながら応援しています。特に菅野剣太(DF法3=釧路江南)。ベンチ温め隊、ドアマン選抜じゃだめだぞ。最後にユニホームを着て、最高の仲間と最高の涙を流せるように毎日努力してください。後から悔やまないように、毎日全力で頑張ってください。もちろん飲みも」

 

――ありがとうございました。

 

[藤山由理]