
加藤がベスト8 4年間の大学レスリングを締めくくる/天皇杯全日本選手権
大会最終日を迎えた天皇杯全日本選手権(以下、天皇杯)。今試合をもって引退となる加藤万豊主将(政経4=いなべ総合)はグレコローマンスタイル55キロ級で出場した。「悔いは本当にない」(加藤)と天皇杯ベスト8という成績で4年間の大学レスリングに幕を閉じた。
◆12・16~19 天皇杯全日本選手権(駒沢体育館)
[グレコローマンスタイル]
▼55キロ級
加藤――ベスト8
[フリースタイル]
▼57キロ級
鴇田――ベスト8
▼92キロ級
坂井――1回戦敗退
「悔いのないようにしたい」(加藤)と挑んだ天皇杯。1回戦で迎えた相手は、今年度の全日本大学グレコローマン選手権で2位の成績を収めた松岡(帝塚山大)。1点をリードされ迎えた開始1分42秒。加藤が仕掛け、相手から2点を奪う。さらに投げ技で4点の追加。「(気持ち的に)余裕があった」。その勢いは後半でも止まらなかった。開始38秒で投げが決まり4点を奪取。最後は「スタンドの技で中心に練習してきた」という首投げが決まり、フォール勝ちを収めた。続く2回戦では、世界選手権優勝者と対戦。結果は敗北となったが「引退試合にチャンピオンとやれて良かった」と学生最後の大会を締めくくった。
主力の選手が抜けた状態で今年度の主将を任された加藤。「どうやって全員の向上心を高めるかというのを常に考えていた」。明大レスリング部では選手が強制的に練習をさせることはなく、個人の裁量に任せて練習を行っている。それゆえに選手の士気はさまざまで「自分が引っ張っていかないといけない」とこの1年間チーム全体を鼓舞し続けてきた。特に後輩育成の面に力を入れ、その結果は今年度の下級生の活躍ぶりにもつながっていった。
今試合で引退となる加藤だが「(今回の試合に出て)レスリングは楽しいなと思った」。この4年間でなかなか思うように結果が出ない時期もあったが「最後の試合、本当に悔いはない。明治の伝統のある部活でいい4年間を過ごさせてもらえた」。この言葉に大学レスリングを全力で走り抜けた思いの全てが込められていた。
今大会をもって代替わりをし、また新たな明大レスリング部の1年が始まる。来年度、選手たちはどんな戦いを見せてくれるのか。これからの明大レスリング部にも目が離せない。
[安室帆海]
試合後のコメント
加藤
――4年間振り返っていかがですか。
「最初の印象として、レスリング部は自由な感じだなと思いました。練習も自分でやらないと強くなれなくて、それに引かれたというのもあるのですが、そこで尊敬する先輩がいて、その人が引退するまでには活躍するという気持ちでやっていました。でも正直、なかなか成績が残る事はありませんでした。3年になって、上級生として自分が成績を残して明治大学レスリング部を引っ張っていくという気持ちが出てきました。自分が結果を出すことで練習の士気が上がったり、後輩の育成をすることによって初心に戻ってまた自分が振り返られることがあって、そこから成績も徐々に残るようになってきました。4年生でまた新しい(主将という)役目を任された時に、変わらないことをやろうという気持ちで、練習でも、寮生活なので私生活でも引っ張って自分が見本となるように意識してきました。いい引継ぎをしてこの世代は良かったなといわれる形で託したかったというのがあって、それがうまく僕の結果であったりさまざまな面で示すことができたのかなと思います」
――今試合に出場されていかがでしたか。
「レスリングは楽しいなと思いました。正直レスリングの何が楽しいのかと考えたりもしたのですが、こうやって振り返ってみると楽しかったと、全日本の舞台に出られて良かったなと思います。最後の試合、本当に悔いはないですね。つらいことも厳しくてきついこともありましたが、やはり明治の伝統のある部活でいい4年間を過ごさせてもらえたと思います」
――後輩の皆さんにメッセージをお願いします。
「後輩に対しては、大学生活はあっという間というのを体感したので、練習のときはしっかり練習して、遊びは遊びでメリハリをつけていってほしいです。しっかり練習していれば試合に勝って結果がついてくると思います。(明大は)練習もあまりやらない大学なので、そこをしっかり目標をもって1日の数時間の練習をどれだけ生かせるかを後輩に考えていってほしいと思います。主将の色で(部の雰囲気が)変わってくるので、自分なりの色を出してもらって、そこで後輩を引っ張っていってほしいです」
関連記事
RELATED ENTRIES