団体6位 4年生の思いは後輩へ/全日本大学対抗選手権

 3日間におよぶ熱き戦いが幕を下ろした。大会3日目は重量級の選手が出場。109キロ級に出場した村上堅信(政経4=滑川)が6位。藤谷柊(政経3=和歌山県立那賀)も+109キロ級で6位と着実に得点を重ねた。その結果、合計112点で団体6位入賞。目標の3位以内には届かなかったものの来年度へつながる結果となった。

 

◆12・7~9 第67回全日本大学対抗選手権(サイデン化学アリーナ)

▼109キロ級

6位 村上(S136 J166 T302)

▼+109キロ級

6位 藤谷(S132 J165 T297)

 

※S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル

 

 「挑戦させていただき監督には感謝している」(村上)。肘のケガを治療しながら今大会に臨んだ村上。医者からも今大会までに間に合わないと言われていたが、4年生としての意地とウエイト人生の集大成への思いが勝り調整してきた。村上の順番がコールされるとチームからの大きな声援が体育館に響き渡る。「お願いします」と一礼し、最後の試技へ。ジャークの3本目は173キロに挑戦。ケガの痛みがある中、記録に挑んだ。「よしっ」と気合を入れ、右手を軽く突き上げる。両手を頭上へ伸ばし大きく息を吐くとシャフトへ手を伸ばした。勢いよく肩まで持ち上げ、頭上へ挙げるタイミングを計る。最後の力を振り絞り挙げるも、173キロを支えることはできなかった。「いろんな思いが込み上げてきた」。シャフトを落とすと同時に天を仰いだ村上。一礼をすると静かに試技場を後にした。

 今大会を締めくくったのは藤谷。「結果に満足はしていないが、いい試合はできた」(藤谷)。ジャークでは自己ベストまであと1キロとなる165キロを成功。6位に入り点数を稼いだ。今大会の全日程が終了し、明大は112点で団体6位入賞を果たした。例年7、8位で他大学と点差を広げられる明大だったが、5位まで5点差。「3位以内を目指せる段階に着実にきている」(中田健太郎監督)。コロナ禍で約2カ月間練習ができなかった時期もあったが、4年生を筆頭に困難を乗り越えてきた明大ウエイトリフティング部。「上水(良介・政経3=埼玉栄)と藤谷を筆頭に新4年生6人でしっかり引っ張っていってほしい」(中田監督)。4年生の思いは後輩へ受け継がれる。

 

[大橋直輝]

 

試合後のコメント

中田監督

――澤浦智之進選手(営4=利根実)の結果はいかがでしたか。

 「彼の実力からすると相当やれる子なので1位を取ってほしかったと思います。最後の3本目を取れれば1位だったので。しかしそこに行けたのはこれまでの努力があってのことなのですごいと思います。本当によくやったという気持ちです」

 

――岸本龍太郎主将(法4=常翔学園)はどんな主将でしたか。

 「同じ大阪出身で高校の先輩後輩という関係から監督と主将という関係でした。とても厳しい練習もして、チームのことも非常に厳しく指導してきたので、彼の負担はとても大きかったと思います。最後、肩のケガもあって上手くできなかった部分もありますが、くじけずに最後まで頑張ってくれた彼を尊敬しています」

 

――4年生はどのような代でしたか。

 「彼らの元々の実力からすると、上位争いや優勝争いをするような選手ではなかったです。コロナ禍で2カ月間くらい練習できない期間もあり、試合もなくなったのですが、毎日毎日必死に練習をしていました。私生活も非常に規則正しくやっていて、本当に人間のお手本になるような4年生だと思っています。そういうところからこのようないい勝負ができるレベルにつながっているのではないかと思います。そして厳しい状況でも明大のためにと思ってやってくれた4年生には非常に感謝しています」

 

村上

――ウエイト人生振り返っていかがですか。

 「自分は4年間兄のしがらみが1番大きかったと思います。強い兄がいるのですが、その兄に追い付きたい追い越したい気持ちで一生懸命やってきました。最後まで勝てませんでしたが、追い掛けるのが本当に楽しい4年間でした。そして監督の存在がやはり自分の中で大きかったと思います。自分を追い込んでくれて。優しい言葉も掛けてくれて。今では本当にとても感謝しています。最後の締めはやはり監督に気持ちを伝えたいと思います」