相手の勢いを止められず 初戦で姿を消す/全日本大学選手権

2021.12.03

 自分たちのバレーができなかった。インカレ初戦の相手は大体大。序盤から主導権を握れずに、試合はフルセットまでもつれ込む。同点で迎えた最終セット終盤。相手のサービスエースでブレイクを許すと、そのまま大体大の勢いを抑えられず。本来の力を出し切れないまま、悔しい敗戦を喫した。

 

◆11・29~12・5 全日本大学選手権(会場名非公開)

◆12・1 大体大戦(会場名非公開)

明大2{23-25、25-21、22-25、25-22、13-15}3大体大◯

 

<スターティングメンバ―>(ローテーション順)

ОH工藤有史(政経2=清風)、MB安井恒介(政経3=市立尼崎)、ОP金田晃太朗(政経1=駿台学園)、ОH松本大翔主将(法4=埼玉栄)、MB三輪大将(政経4=高川学園)、S神園洋(法3=札幌藻岩)、Li武田大周(商2=松本国際)

 

 勢いをそのままぶつけられた。第1セット序盤からミスが続き、15-20と5点ビハインドで終盤を迎える。嫌な流れを断ち切りたい明大。工藤の連続スパイクでブレイクすると、安井にも相手ブロックをこじ開ける力強いスパイクが生まれ1点差まで追い詰める。しかし、インカレ初戦をストレートで勝ち上がってきた大体大の雰囲気が静まることはなく、相手に流れが傾いたまま第1セットを献上した。

 

 続く第2セットは一転。工藤、安井のスパイクで勢いに乗ると、相手にリードを許すことなくセット数を奪い返す。このまま押し切りたかったが、主導権をつかみ切ることはできず第3、4セットではお互いセットを分け合う形に。勝負の行方は最終セットに懸かる。

 

 最終セット。相手ブロックでブレイクされ、3-5とリードを許す展開に。このままでは終われない明大。エース・三輪のスパイクで反撃の口火を切ると、怒涛(どとう)の5連続得点で意地を見せつける。それでも、大体大の勢いが衰えることはなかった。立て続けにブレイクされると、13-14で大体大のマッチポイント。相手スパイクを拾い切れず、ボールは非情にもコートの外へ。「やりたいことができずに終わった」(松本)。歓喜に沸く大体大の傍らで、明大の日本一への挑戦が終わった。

 

 今大会をもってユニホームを脱ぐ4年生。最後は不完全燃焼に終わったが、明大での4年間を「めちゃくちゃ楽しかった」(松本)、「人として成長できた」(宮下想・営4=習志野)と振り返る。届かなかった日本一の目標は、安井を筆頭とする新チームに託された。「来年こそは勝ちたい」(安井)。今大会の悔しさを胸に、来年度こそはセンターコートで歓喜の輪をつくる。

 

[野口優斗]

 

試合後コメント

松本

――引退が決まった瞬間の気持ちを教えてください。

 「現実とは思えない、夢なのかなというくらい信じられなかったです。やりたいことも何もできずに終わったので、悔しいという気持ちもない感じです」

 

宮下

――本日の試合を振り返ってみていかがですか。

 「先週の練習試合でもAチームの調子が良くなく、安定したチームをつくれずにインカレに入ってしまいました。自分たちのやりたいこともできずに、相手も勢いに乗せてしまって、やりづらかったゲームでした」

 

安井

――4年生とする最後の試合になりました。

 「大翔さんは、コロナとかで試合が半年なかったりしてどういうモチベーションでやっていったらいいのかみんなが分からなくなったときに、ずっとモチベーションを落とさずにまとめようとしてくれていて、意見を曲げずに引っ張っていってくれたので見ていてすごいなと思いました。三輪さんはずっと対角で組んできて、いつ見てもすごいと思わせられるし、普段は結構おちゃらけた感じなのですが、バレーになったら誰よりもスイッチ切り替えて一番にバレーのこと考えているのを見ると、一番尊敬できるなと思います」

 

工藤

――新チームはどういうチームにしていきたいですか。

 「1年間を通して勝ち切れるチームにならないといけないと思います」

 

武田

――来年は上級生となります。

「今日みたいに支えられる側ではなく、周りを支えていく立場にならないといけないと思いますし、声とかでもチームを鼓舞しなければいけないので、周りのことを優先できるプレーヤーにならないといけないと思います」