コロナに負けず “創”った絆/夏季合宿

 10月29日から5泊6日で行われた夏季合宿。今合宿のテーマは『創』。班で絆を創り、全員で80キロメートル以上歩き切ることを目的とした。

◆10・29~11・3 夏季合宿(湖山荘キャンプ場~東照館 オートキャンプ場~観岳園キャンプ場~観岳園キャンプ場~本栖湖いこいの森キャンプ場~朝霧高原もちやキャンプ場)

 

 新型コロナウイルスの影響で8月の北海道での合宿の延期を余儀なくされたローバースカウト部。その後9月に予定されるも感染拡大は収まらず、開催地を山梨に変えて今回合宿を行うこととなった。野営キャンプが活動の中心となる部活であるが、昨年度と今年度1回も泊まりでの活動を行うことができていない。「みんながモチベーションを持って活動をできるようにすることが少し難しかった。」(關口哲平・政経3=明大明治)。それでも週に1度のミーティングを開き部員が楽しめるようにと工夫をした。そして、感染症対策をしっかりとした上で待ちに待った合宿を行った。

 

 今回のハイクは班ごとに分かれて行われた。班分けは1年生が入ってすぐにくじ引きで決められ、2年生の班長を中心としてボーイスカウトやデイキャンプをしてきた。この合宿で絆をさらに強固なものにできるかが問われた。

 

 3年生は昨年度活動が十分にできなかったが、合宿では幹部として運営に回った。「計画がゼロになって、また下見をしたり計画書を書いて大学に提出したりすることのモチベーションを保つことが難しかった」(安里恒作主将・文3=興南)。それでも1年生の時に先輩に感じさせてもらった楽しさや達成感を自分たちの代で終わらせてしまうわけにはいかないという使命感から準備を進めた。

(写真:幹部として合宿の運営をした3年生)

 

 取材したのは、膝の痛みや疲れがたまり満身創痍で迎えたハイク最終日。最終日は17キロメートルの道のりを歩く。朝の集まりの後、出発までの時間で写真を撮ったり話したりと楽しい空気が流れた。班ごとに分かれて記念撮影をし、円陣を組むといよいよ出発。3年生の涙を流す姿や後輩を温かく見送る姿が印象的だった。

 道中には三つのチェックポイントが設置されている。チェックポイントに到着するごとに笑顔で会話が飛び交い、頑張りをたたえて抱き合う姿も。班長である倉形健太(農2=明大中野)はコロナで活動が制限される中でも1、2年生を楽しませたいと班長を志願した。「班員が顔を下げている姿やつらそうな顔をしているのを見るのがつらい。だから、これからも2年生全員で班を盛り上げたい」と二つ目のチェックポイントでインタビューに答えてくれた。

(写真:チェックポイントの前で写真撮影に応じてくれた部員たち)

 三つ目のチェックポイントでは約2キロメートルを残すのみとなりあと少しでハイクが終わってしまうことから「もう1回戻る?(笑)」と言う部員も。最後の道中部員たちはきつい表情をするどころか音楽に合わせてジャンプしたり、合いの手を入れたりと驚くほどに元気な様子を見せた。

 (写真:ゴール目前の様子)

 スタートから約7時間。『栄光の架橋』が流れる中ゴールの瞬間を迎えた。班員同士手をつなぎそれぞれの班で書いたバンダナをつないだゴールテープを切る。目には涙が浮かび達成感やゴールまでの苦悩などが垣間見えた。一つの班がゴールしていくごとにゴールテープの後ろで肩を組む部員が増え、全員で仲間を迎える。泣きながらもゴールの喜びを分かち合うかけがえのない時間と空間が生まれた。

(写真:ゴールをたたえ合う部員たち)


 「合宿ができて本当に良かった」(安里)。ゴールした後輩の笑顔や涙を見て主将は言った。運営の面でもハイクの面でも諦めないことを大切にやってきた今合宿。「班で創った絆を次の活動にどうつなげるのかが1番重要」(關口)。夏合宿で築いた絆を通常の活動や春合宿につなげていきたい。

[堀純菜] 

完歩後のコメント 

平良仁志監督

――部員に伝えたいことはありますか。

 「それぞれに役割を持たせるというのが1番の根底にあります。昔は班長しか計画を知らないで共有しないというようなことがありましたが、これからはそういうことはきちんとしなければだめだと思うので、徹底的に班員に見せて、やってこいと言いました。2年生は来年運営に回るのでここで力を付けてほしいです。ステップアップという意味でも期待しています。ボーイスカウトの基本を行いつつ成長してほしいです」

 

安里

――班単位での活動による結束はいかがですか。

 「3年間活動してきた中で班としての結束は絶対的に強いと思います。コロナで悪いこともフォーカスされますが、コロナ禍の活動になったことで狭く深くしっかりとした班の絆が芽生えたことは評価できる点だと思います」

 

關口

――部としてのテーマ『創』をこの合宿で体現できましたか。

 「初日からそれぞれの班がハイクなどを通して毎日改善点を見つけて、次の日にはその改善点をしっかり実践して克服するという活動を繰り返してきて、それぞれの班がそれぞれの色を創りながらやってこれたと思います。その意味で今回の『創』というテーマはとてもこの合宿に合っていたのではないかと思っています」

(一部の写真は明大ローバースカウト部提供)