
伊藤慧が優勝 道免は惜しくも3位で引退/東日本学生秋季選手権
東日本学生秋季選手権最終日となる3日目。この日は明大から5人の選手が出場した。その内フリースタイル97キロ級で伊藤慧亮(営3=小諸商)が優勝。またグレコローマンスタイル87キロ級で道免陸哉(文4=三次)が3位に入賞し、今大会で引退となった。
◆11・23〜25 東日本学生秋季選手権(駒沢屋内球技場)
[フリースタイル]
▼57キロ級
内田、本田――2回戦敗退
▼70キロ級
谷津――2回戦敗退
▼79キロ級
杉山――2回戦敗退
▼97キロ級
伊藤慧――1位
[グレコローマンスタイル]
▼87キロ級
道免――3位
準決勝では相手が棄権したため、決勝が今大会の初戦となった伊藤慧。1年次に敗れたこともある因縁との再戦となった。「点を取るのはあまり得意ではない」(伊藤慧)の言葉通りじりじりとした展開が続く中、パッシブと押し出しで点数を獲得していく。2-0という少ないリードで試合時間が残り20秒を切った時、相手に足先をつかまれ「終わったと思った」(伊藤慧)。そのまま大きな得点の技につなげられるかと思いきや「足を取られたときに最小限の失点に抑える練習をしてきた」(伊藤慧)と練習の成果が光り、なんとか場外に逃げ込み2-1で試合を終える。「上手な勝ち方。相手の強さを抑えて、自分で取れる時にきちんと取る」(小柳義人監督)と下級生の活躍が光る今大会で3年生の力を見せつけた。
(写真:今大会で引退となった道免)
今大会で唯一出場した最上級生道免。「試合前に二ノ宮(寛斗)コーチから『最後だから思い切りやってこい』と言われた」(道免)と、気合十分で挑んだ相手は大東大の市原。開始直後にローリングで得点されるも、すぐさま反撃し同点に。しかし、じわじわと点差を広げられていく。後半開始20秒、投げ技で2点差まで追い付くが、ローリングでまた離される。最後は場外によってテクニカルフォール負けを喫したものの、最後まで粘り強く戦い抜き4年生の意地を見せつけた。
これでほとんどの4年生が引退となる。今年度も昨年度に引き続き多くの大会が中止や延期になり、最終学年としてやり切れない思いもあったかもしれない。しかし「なんだかんだ良い1年だった」(道免)と振り返るなど、決してつらいだけの年ではなかった。最後まで前を向き続けた彼らの後を追う下級生も成績を残し、明大レスリング部の未来は明るい。今年度も残すは天皇杯全日本選手権のみ。走り切る彼らを見届ける。
[向井瑠風]
試合後のコメント
小柳監督
――伊藤慧選手が優勝しました。
「伊藤は出られるかどうか危なかったです。体調不良で寝込んでいましたが、どうしても出たいということで出たら勝てたので良かったです。彼は3年生で来年度もあるので、いい実績になったと思います。上手な勝ち方ですね。相手の強さを抑えて、自分で取れる時にきちんと取る。最後危なかったですが(笑)国士舘のキャプテンだから厳しい戦いかなと思っていました」
――大会全体を振り返っていかがですか。
「新人戦はそれなりに結果を残しました。3年生が課題です。伊藤とかは期待できますが、もう少し谷津(龍斗・営3=館林)や内田(創太郎・政経3=埼玉栄)、ケガをして杉山(裕紀・法3=沼津城北)も出ていないですが、もう少し3年生が頑張らないときついかなと思います。代が交代するので、そこから3年生主体に練習しないといけません」
二ノ宮コーチ
――大会全体を振り返っていかがですか。
「地力がないわけではないですが、決勝に出ている選手と比べると差があります。地力だったら3番に入れる選手は多いですが、勝ち切る試合で勝ち切れなかったです。上の選手との差を詰めることも大切ですが、勝てるかどうか分からないくらいのレベルの試合で勝ち切れていなかったと思います」
――4年生では唯一道免選手が出場しました。
「インカレで思ったような試合ができていない中で、選手権に出ました。最後は点差がつきましたが、思い切って、今までいけていなかった部分や、投げを狙いに行く場面、点も取れました。よく頑張ったなという気持ちと上級生としての取り組みにも出ていたと思います。頑張ってくれたと思います」
道免
――引退を迎えた今のお気持ちをお願いします。
「本当に終わったんだなという感じです。前回の全日本大学選手権(以下、内閣)で本当は最後のつもりだったのですが、ふがいない試合で何もせずに終わってしまったので監督とコーチから選手権に出た方がいいと言われて、同期はみんな内閣とかで引退していたのですが、僕だけ最後まで頑張ってみようということになりました。4年間で少しは強くなれたと思います。後輩もみんな頑張ってくれているので、あまり思い残すことはないかなと思います」
――上級生として過ごした2年間はいかがでしたか。
「去年は本当に試合ができなくて、気付いたら4年生みたいな感じでした。今年は試合が後半に畳み掛けてきたのですが、1、2年生がよく頑張ってくれて、4年生も内閣で竹沢(利紀・法4=高岡向陵)とかが頑張ってくれて。コロナで振り回されましたが、なんだかんだいい1年だったと思います」
伊藤慧
――試合を振り返っていかがでしたか。
「僕はあまり点を取るのは得意ではないので、押し出しで点を取ってなんとか逃げ切ればいいと思っていました。それなりの試合運びでできたと思います。ロースコアにはなると思っていました」
――決勝の相手についていかがですか。
「1年生の頃にやって負けていたんですよ。今回はなんとか勝てました。その時もロースコアで点の動きはなかったですが、押し負けました。低い点数ですが、当時は取り切れなかったです」
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