
大嶋世代引退 大会4連覇の強豪に1-3で敗退/全日本選手権
悲願の日本一は絶対王者に阻まれた。3年連続の出場となった全日本選手権。明大は大会4連覇中の岐阜朝日クラブに1―3と粘りを見せたが初戦敗退。今年度最後の公式戦となった。
地力の差が勝敗を分けた。格上に対しロースコアで試合を進めたい明大だったが「相手の球離れが速く、パスが正確だった」(小池文彦監督)。東京五輪代表選手も多数在籍するチームのスピードに対応が遅れ第1QにPC(ペナルティーコーナー)から失点。しかし、そこからはサークルインをさせない堅い守りからのカウンターで明大のペースを崩さず、第2QにはPCを獲得するなど得点機も。それでも「決め切れなかったのは反省点」(DF大嶋鴻太主将・商4=今市)。守備でも紙一重でこらえ切れず、1-3で試合終了のホーンが鳴った。最終QにFW山村晃生(営1=岐阜総合学園)が意地の一発を沈めたが「スピード、正確さ、時間の使い方などいろんな面で社会人の強さを感じた」(小池監督)。日本トップレベルにも通用する手応えがあった一方で、日本一への壁を感じた一戦となった。
4年生は今試合をもって引退を迎えた。コロナ禍での1年だったが「つらいことはなかった」と主将の大嶋。それはプレーでも私生活でも困ったことがあれば頼れる仲間たちがいたからこそ。MF森紘之(法4=天理)、教育実習により今試合は欠場となったFW加藤大椰(文4=今市)をはじめ下級生の頃から各ポジションで活躍していた4年生。「技術的な部分での信頼感だけじゃなくてみんなリーダーシップがあった」(大嶋)と、助け合える仲間に支えられてここまで来た。明大ホッケー部としてはこれで一区切り。経験と仲間と自信を胸に、紫紺の勇者たちはこれからも歩みを続ける。
[中野拓土]
試合後のコメント
宮田知総監督
――4年生に向けてメッセージをお願いします。
「4年間ありがとうという純粋な気持ちでいっぱいです。我々の指示通り完全燃焼してくれたと思います。これからはOBとして明大ホッケー部を支えてほしいなと思います」
小池監督
――試合を振り返っていかがですか。
「社会人よりも走って勝とうと言っていました。良い感じで入れましたが、先に失点してしまったのが痛かったです。ただ、最後に1点取れた部分は成長した点かなと思います」
大嶋
――仲が良く出場機会が多かった学年ですが、主将から見てどのような同期ですか。
「技術的な部分での信頼感だけじゃなくてみんなリーダーシップがありました。自分が強く言う時は周りがサポートしてくれますし、周りが強く言ってくれる時は自分が補い、互いに補完し合えたのが今年の強みだなと思います。技術的なことだけじゃなく絶対的な信頼があったのは最後に首脳陣からいいチームと言ってもらえた理由なのかなと思います」
――後輩の選手たちに向けてメッセージをお願いします。
「技術は高いものを持っているので、あとは明治の強みである寮生活で感情を共有しているというところの仲間意識や思いやりを大切にしてほしいと思います。周りをもっと見れるようになれば、よりまとまっていくと思うので期待しています」
森
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「相手が5連覇の懸かったチームで強いのは分かっていたので、いかに勝つかというのが難しくて。自分の持っている実力をさらに越えていくということが難しかったですけどすごく楽しかったです」
――4年間で成長できたことは何ですか。
「反骨精神です。周りがしっかり練習している中で、自分たちは2時間しか練習できない。その中で勝ちたいという思いがあるからみんな集中して取り組めましたし、自分たちでできるんだっていうのはこの4年間で学べたと思います」
FW酒井詳司(営4=石動)
――引退を迎えた今の気持ちを教えてください。
「けがで試合にはなかなか出られませんでしたが、みんなが好きやったからここまで続けられたというのが正直な思いです。自分自身の成長というよりも、みんなと一緒にいたいなと思ってやってこれました」
――試合をスタンドから見ていて何か感じたことはありましたか。
「同期も後輩も、頑張っている姿や成長している姿を僕が一番見てきたので、今日最後まで戦っている姿を目の当たりにできてすごくうれしかったです」
DF古川裕大(政経4=伊万里商)
――今季途中からけがで出場できない歯がゆさはありましたか。
「自分の最後の年のインカレに出られなかったのが一番悔しかったです。最後までやりたいという気持ちはありました」
――同期の皆さんに何かメッセージをお願いします。
「大嶋キャプテン、森副キャプテンは引っ張ってくれていて、攻撃の要は加藤やFWの村井巧(法4=天理)がいてくれたので前線でも仕掛けることができました。守備も大嶋がいて僕が抜けたとしても安定感がありました。4年間ありがとう」
村井
――4年間を振り返っていかがですか。
「今となっては寂しい思いがありますけど、1年生の頃は淡々と毎日を乗り越えるだけでした。そういう日々があったから今楽しいと思えているのかもしれないですけど、結果的にはここまでやってきてよかったなと思っています」
――同期の皆さんに伝えたいことはありますか。
「僕自身役職がなくて自分のモチベーションを維持できるタイプではなかったんですけど、森や大嶋が声を掛けてくれて。2人も気分が乗らない日があったと思うんですけど、みんなを鼓舞してくれたのは感謝しかないです」
福島裕太マネジャー(法4=水戸桜ノ牧)
――最後の試合を終えた今の気持ちを教えてください。
「やり切った気持ちが一番大きいです。ここまで楽しいことも苦しいこともあったんですけど、ここまでやり切れてどこか報われた感覚があります」
――4年間で思い出に残っていることはありますか。
「僕はマネジャーとしては審判をやることが多く、選手から厳しい言葉を言われることもありましたけど、とてもいい経験になったと思います。審判をやったことでメンタルはかなり鍛えられました(笑)」
山崎郁未マネジャー(総合4=明大中野八王子)
――4年間を振り返っていかがですか。
「土日は毎朝5時半に起きてグラウンドに行っていたので、それがなくなるのも寂しいような楽になるような複雑な気持ちです。最初の頃は全然仕事ができなくて大変でしたけど、今は後輩、同期がいてくれることに感謝していますしこれまで楽しかったです」
――山崎さんにとって同期の皆さんはどのような存在ですか。
「1年生の時は別々に行動していたくらいなんですけど、今となっては仲が良いなと思います。自分が支える側ですけど、同期に支えられてここまでやってこれたと思います」
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