夏関開幕 初日は半数が勝ち進む/関東学生選手権1日目

2021.11.17

 待ちに待った関東学生選手権(以下、夏関)の本選が2年ぶりに開催された。この日行われた1回戦では、男子シングルスから6人、女子ダブルスから2組が出場。それぞれ半数が2回戦出場を決めた。

 

◆11・15~23 関東学生選手権(大宮けんぽグラウンド)

▼11・15

[男子シングルス1回戦]

 河内 0{3-6、1-6}2 白藤(慶大)〇

 藤川 0{1-6、1-6}2 矢島(法大)〇

〇町田 2{6-2、6-3}0 天崎(日大)

〇野田 2{4-6、6-4、11-9}1 石垣(日大)

〇横田 2{6-0、6-3}0 岩田(立大)

 飯田 0{5-7、2-6}2 稲田(立大)〇

 

[女子ダブルス1回戦]

 竹本・鈴木渚組 1{5-7、6-3、6-10}2 今田・堤組(慶大)〇

〇吉田・南口組 2{6-4、6-2}0 猪川・上井倉組(法大) 

 

【男子シングルス1回戦:横田大夢(政経2=足利大付)VS岩田一輝(立大)】

 冷静さが功を奏した。本選1回戦の相手は、横田と同じく2年生の岩田。「高校時代から何度も対戦経験がありお互いのことを分かっている感じ」。大きなプレッシャーを抱えることなくコートに降り立った。1セット目は6-0と圧倒。だが2セット目では「相手が『駄目元で勝てないから思いっ切りやろう』というのを感じた」。オーバーペースな試合を始められ、1セット目よりゲームを獲得することに苦労し始める。8ゲーム目にはこの試合初のブレークを許し5-3に。続く9ゲーム目も、巻き返しを図る相手の勢いに押されデュースが続く。それでも「ポジションを前にして、早いタイミングでプレッシャーをかけようと思った」。コートに張り詰める緊張感を打ち破ったのは横田。6-3で勝利を収めた。

 

 雲一つない晴天であったこの日、試合開始の朝9時には、コートの真正面から強い日差しがもろに突き刺さった。さらにコート環境など悪条件が重なり、反射してラインが見えづらくなる。「相手がどこに打ってどこに着地するのかも見えなかった」という予想外の状況に。お互いに不利な状況で試合が展開されるも、横田は戦術の明確さとコート内の守備範囲の広さで相手を上回った。今大会の目標は「優勝すること」。予想外の展開すらモノにした横田は、勢いそのままに勝ち進めてみせる。

 

【女子ダブルス1回戦:竹本萌乃主将(政経3=高松北)・鈴木渚左(国際1=野田学園)組VS今田穂・堤華蓮(慶大)組】

 勝利は目の前だった。前シーズンが終わり、竹本新主将の初陣となった今回。1回戦から立ちはだかったのは、8月の全日本学生選手権では倒せなかった今田・堤組だ。1セット目は2-5まで追い詰められるものの、8ゲーム目でキープに成功する。粘り続け5-5まで取り戻すが「勇気を出せず、簡単なミスをしてしまった」(鈴木渚)。リターンミスでキープを許してしまい、5-6。最後は長いデュースの末、1セット目を落とした。2セット目では「絶対気持ちを下げずに明るくやった」(鈴木渚)。1ゲーム目からブレークに成功する。直後のサービスゲームも死守すると、調子を上げ続け6-3。一歩も譲らずスーパータイブレークに突入。しかし、スキを突くプレーを連発され4点先取を許す。負けじと6-7まで立て直すも「あと少しだった」(竹本)。6-10で敗北した。

 

 結果こそ負けとなったものの「めちゃくちゃ楽しかった」(竹本)。まだ組み始めて間もない2人だが「すごく頼もしい存在」(鈴木渚)。「いろいろなボールを打ってくれる」(竹本)と息の合ったプレーを展開。最後までお互いを明るく鼓舞する姿が目立った。ダブルスでは敗退となったものの、両者とも2日目からシングルスに出場する。「やってきたことをただ信じるだけ」(鈴木渚)。まだ今後の展開から目が離せない。

(惜敗したものの、最後まで笑顔でやり切った竹本(右)・鈴木渚組)

 

 半数は敗北してしまったものの、男子シングルスでは横田や野田成佑(商2=大分舞鶴)が、女子ダブルスでは南口亜美(国際2=野田学園)・吉田華菜子(法2=仁愛女子)組などが勝利。2年生を中心とした活躍が見られた夏関初日だった。2日目からは男子ダブルス、女子シングルスが始まる。代替わり後初の大会で、全員がベストを尽くす。

 

[金井遥香]

 

試合後のコメント

横田

――反省点や課題は見つかりましたか。

 「ストロークで特に後半など、必要以上に力んでしまいました。もう少し楽に入れたいのですが、力んでしまったり、反対に力むとスイングスピードが落ちてしまい、ラケットが振れなくなってしまったりするなと感じました。今日はあまりサーブが良くなかったのですが、サーブがいつもの調子だったらもう少しいいサーブが打てるので、どんな状態でも常にベストなサーブができるように普段から練習していけたらと改めて感じました」

 

――今大会の意気込みをお願いします。

 「今大会で1回戦を勝てたので、楽になった部分もあったのですが、やはり優勝という目標を狙いながら、自分自身のテニスの技術面の成長というか、試合に勝っていけば勝つほど自信もついて、自分の技術にもさらに磨きがかかると思うので、優勝を狙いつつ、そういう自分の技術だったり精神面だったりというのを向上できるよう今大会は臨みたいなと思います」

 

竹本

――今試合はずっと明るい姿が印象的でした。

 「大学生になって今まで同期や先輩と組んでもらって、初めての後輩でした。ただ試合になったら関係なく、しかも私は正直ダブルスの苦手意識が強いので、余計に負けたときに落ちるのは絶対に悪い方に行くと分かっていました。『とりあえず楽しもう』と言って、反対にやりたいことがあったら言ってと話していました。リーグ戦を通して、自分の気持ちを試合中にうまくコントロールできました。負けていても下がらずできるというのは1年生と比べたら、成長できたと思います」

 

――主将になっていかがですか。

 「練習メニューを決めるにしても、何にしても自分1人だけで決めるのではなく、部活では私と尾﨑(眞理佳・文3=明大明治)で考えたメニューで指示してやってもらっています。ただやってもらうだけでなくどういう練習をやりたいか、新しいことをやった時にこれは必要か必要でないかを確認して、みんなからの意見を取り入れるようにしています。支えられているという感じです」

 

鈴木渚

――良かったところや収穫を教えてください。

 「自分はダブルスをあまりやってこなくて、シングルスの方が得意なのですが、相手とのラリーの中で早いボールだったり、緩いボールだったりを使い分けが分かるようになったこと。サービスに少し自信が持てるようになったこと。またリターンからのポイントのバリエーションを増やせるようになったので、その三つが大きかったかなと思います」

 

――普段はシングルスのイメージが強いのですが、竹本選手と組んでみていかがでしたか。

 「自分は今まで同期と、同い年と組んだことがなかったのですが、いるだけで心が落ち着くし、思いっきり自分がやりたいことができて、そういう安心感があるので、やっていてすごく楽しいなと思いました」