
逆転の絶好機をモノにできず 早大に惜敗/秋季リーグ戦
秋季リーグ戦グループA第3節。連勝の勢いのまま、グリフィンズは2年ぶりの横浜スタジアムに乗り込んだ。しかし、迎え撃つは宿敵・早大。前半から早大ペースに持ち込まれ、リードされる厳しい展開に。後半グリフィンズ本来の力が発揮され、怒涛(どとう)の追い上げを見せるも、絶好機を相手のファインプレーに阻まれ、敗北を喫した。
◆10・2〜11・14 (横浜スタジアム)
▼11・14 対早大戦
明大7{0―0、0―14、0― 0、7―0}14早大〇
「予想よりも速くて、強かった」(RB#6森川竜偉・政経3=佼成学園)。キックオフから前半終了まで、試合を支配したのは早大だ。積極的にオープンに出て戦うプランがうまくはまらず、明大オフェンスからは目立ったゲインが出ない。ディフェンスも、早大のテンポの良い攻撃に対応できず、第2Qに二つのTD(タッチダウン)を許してハーフタイムへ。それでも「自分たちの自信のあるプレーをやろう」(QB#1吉田拓郎・法3=日大鶴ケ丘)。後半の巻き返しに向け、チームは前を向いていた。
迎えた第3Q。言葉通り自信のあるプレーで反撃に出る。「後半のアジャストは本当に上手くできた」(DB#4村田幹太主将・営4=駒場学園)。DB#21 比留間豊(法4=佼成学園)、村田ら4年生を中心に、総力で早大オフェンスをはね返す。さらに、ディフェンスの踏ん張りにオフェンスが応えた。森川のランで地道にゲインを重ね、相手エンドゾーンに迫る。そして第4Q開始6秒。ボールを受けた森川が左前方へ勢いよく突っ込み、相手をかわして初TD。さらに勢いづいたグリフィンズは、第4Q3回目のオフェンス、怒涛(どとう)の勢いで敵陣に迫る。ランは森川、RB#39廣長晃太郎(商1=箕面自由学園)を軸に、FB#45中野義広(理工3=巣鴨)の中央突破が上手く機能した。加えて、TE#40大島則也(国際4=佼成学園)へのショートパスで相手ディフェンスを翻弄(ほんろう)。時間を使いながらもじりじりと前進し、敵陣残り10yd付近まで押し込みファーストダウンを獲得した。タイムアップまで残り27秒。最後は吉田拓のパスに託す形に。勝利への一筋の望みを乗せた速球が吉田の手から放たれる。次の瞬間、球場の空に突き抜ける大歓声。だが沸き上がったのは早大スタンドだった。グリフィンズの長いドライブは、残りわずかで早大ディフェンスのインターセプトに阻まれ、得点に結び付かず。逆転勝利へのシナリオはできていたものの、最後の最後、絶好機をモノにできずに、7-14で敗北した。
今回の敗戦により、リーグ優勝、そして甲子園ボウルへの道は絶たれた。「自分たちの代で甲子園ボウルに行くことが、後輩に残せる一番の物だった」(比留間)。しかし、その目標を達成することはかなわなかった。2週間後には中大との3位決定戦が行われる。「やり切るところをやり切って、最後の試合勝って終わろう」(比留間)。中大に大勝し、"やり切る"こと。それが最上級生に残された、最後の大仕事だ。
[澤尚希]
試合後のコメント
村田主将
――最後の試合に懸ける思いを教えてください。
「自分は1人ではできなかったことが多く、後輩たちにも助けられました。そういう意味で何か後輩たちに残せるように、最後自分たちがやり切るという姿を見せることが、来年にもつながると思います。そういうところを意識して、しっかり勝ち切りたいと思います」
吉田
――試合を振り返っていかがですか。
「自分のミスで、チームの目標でもあった日本一の目標を終わらせてしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。次節の中大との試合から自分たち3年生の代が日本一を取るまでもう負けないように、後悔をしないように練習をしていきたいと思います」
森川
――第3Qの優勢な時間帯、RBとして意識したことは何ですか。
「いつも通りのことをやれば絶対勝てると思っていたので、いつも通りのことを、ただただやっただけという感じです」
比留間
――今試合、明大の良かった部分はどこですか。
「全部良かったです。〝やり切り〟をすごくこだわってやってきたので、それも全てできたかなと思いますし。本当にすごく良かったけれど、もう少し早大が上だったというのが正直な感想です」
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