日本一への挑戦 日本選手権展望

2021.10.28

 日本一を懸けた戦いが始まる。10月29日から31日にかけて開催される日本選手権。明大は厳しい予選を勝ち抜き本戦への出場権を手にした。初戦は29日、五輪出場選手も在籍するブルボンウォーターポロクラブ柏崎との対戦となる。

 

 予選は高校生から社会人までさまざまなカテゴリーに属するチームが参戦。3位以内のチームに与えられる本戦への出場権を目指して戦う。1回戦で圧勝、2回戦では強豪・健志台クラブに競り勝った。準決勝では連戦の疲れもあり、専大相手に惜しくも敗れてしまう。そして迎えた3位決定戦。勝てば予選突破、負ければ4年生は引退という大一番に臨んだ。「負けたら4年生は引退なので、絶対に負けられないと思った」(狭間俊至・商2=明大中野)。第1ピリオドではリードを許す厳しい展開に。それでも「慌てずに自分たちのやりたいことができた」(熊谷泰人・営3=明大中野)。ミーティングで相手を分析し守備の練習をしてきたことが功を奏し、第2ピリオド以降は失点を最小限とどめた。その後は攻撃陣の奮闘もあり逆転に成功。三建30CLUBとの接戦を制し、18年ぶりとなる本戦への切符を手にした。

 

 カギはチーム力。予選では社会人チームの体格や個人技を前に苦しんだ。それでも日本学生選手権(以下、インカレ)の敗戦からチームでのミーティングを重ね、チームワークで勝利をつかみ取った。また「今年度は例年と比べて泳ぎこんできた」(熊谷泰)。最後まで全員で泳ぎ切る泳力も強さの秘訣(ひけつ)だ。そんな明大の初戦の相手は、東京五輪に出場した3選手を擁するブルボンウォーターポロクラブ柏崎。「格上の相手だからこそ、臆することなく戦っていきたい」(狭間)。日本屈指の強豪との対戦になるが持ち前のチームワークと泳力で勝利をつかみ取る。

 

「悔いが残らないように精いっぱいプレーしたい」(熊谷郁主将・営4=明大中野)。今大会が4年生にとっては最後の大会となる。「4年生との最後の大会を全力で楽しみたい」(越智大介・理工1=明大中野)。4年生を最高の形で送り出すために。チームにはポジティブな雰囲気が漂っている。長いシーズンを乗り越えてきたチームは大会ごとに成熟度が増してきた。リーグ戦では史上初の準優勝を収め、大躍進を遂げたシーズンの集大成が幕を開ける。

 

[井澤怜音]

 

予選後のコメント

熊谷郁

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか。

 「インカレではチームであまり声が出ていなかったことが課題としてありました。そういった声出しは主将である自分の役割だと思うので、声出しというところを中心に心掛けてプレーしました」

 

――日本選手権への意気込みをお願いします。

 「自分たち4年生は最後の大会になるので、悔いが残らないように精いっぱいプレーしていきたいと思います」

 

熊谷泰

――3位決定戦を振り返っていかがでしたか。

 「厳しい試合でした。体格差があり力では劣ってしましましたが、自分たちの武器でもある泳ぎの部分を生かすために、体力的に苦しくても最後まで泳ぎ続けるメンタルで勝つことができたと思います」

 

――日本選手権で4年生は引退となりますが、どのように送り出したいですか。

 「日本選手権の相手は今までとは比べ物にならないくらいの強敵になります。そんな相手でも4年生を中心に一泡吹かせられるような試合にして有終の美を飾ってほしいです」

 

狭間

――予選を通じて、そのようなところが通用すると感じましたか。

 「チーム力ですね。相手の対策などチームで共通理解して、勝つためにどうするか考えて練習したことがこの結果につながったと思います」

 

――日本選手権への意気込みをお願いします。

 「日本選手権はもちろん勝つこと、優勝を目指して戦いますし、4年生との最後の大会を楽しみたいなと思います」

 

越智

――社会人チームとの対戦で難しさは感じましたか。

 「社会人チームは競技歴が長いので、戦略や落ち着いたプレーに苦戦しました」

 

――大会までに練習で心掛けていきたいことを教えてください。

 「当たり前にできることを当たり前にやる。そういう意識で練習していきたいと思います」