(男子)3年ぶりに男子の東インカレ開催 大島が優勝!山隈は4位/東日本学生選手権

 群馬県のALSOKぐんまアイスアリーナにて、東日本学生選手権(以下東インカレ)が開催された。感染対策の観点から入場規制が行われるなど例年に比べると寂しい盛り上がりではあったものの、選手たちは普段とは違う新鮮な環境で演技を見せた。明大男子は全員が東インカレ初参加という状況の中、大島光翔(政経1=立教新座)が優勝、山隈太一朗(営3=芦屋国際)が4位、松井努夢(政経2=関西)が7位、堀義正(商2=新渡戸文化)は10位と大健闘で試合を終えた。

 

◆10・15〜17 東日本学生選手権(ALSOKぐんまアイスアリーナ)

 

 明大の1番手は大島。「普段からかなり緊張するタイプ」の上に、開始直後に曲が途中で止まってしまうという異例のアクシデントに見舞われる。演技を無事に再開できるまでの間は緊張した面持ちだったものの、曲がかかると雰囲気は一変。冒頭のトリプルルッツを成功させると、その後も大きな転倒などはなくまとめた。ジャッジの前では投げキスの音をリンクに響かせるなど、晴れやかな表情でのびのびとした滑りを見せる。後半のジャンプでは少し抜けてしまう場面もあったものの「自分的にはまとめられた」演技を披露した。普段とは違う4分間のFS(フリースケーティング)に体力的に苦戦しながらも圧巻の演技で堂々の優勝となった。

(写真:気合の入った演技を見せた山隈)

 

 山隈は3年生ながら、今回の東インカレが初めてのインカレ出場。「体調が悪くあまり良い練習ができておらず、とにかく滑り切ることが目標だった」と「超苦いデビュー戦」を迎えた。冒頭のトリプルアクセルを決め、前半はまとまった演技を見せたものの後半になって失速。試合前の準備不足が響き、東京選手権後に課題として挙げていたフリップやルッツといったジャンプも今大会では克服することができなかった。しかし、復帰前は自信をなくしていたというトリプルアクセルに対して「自信が戻ってきた」と語るなど、課題の克服はできなかったものの収穫もある。次週に控えた東日本選手権に向け、入念な準備で気合を入れる。

(写真:綺麗にまとまった演技をした松井)

 

 松井は衣装に合わせたのか前髪を金に染めて登場し、大きな失敗もなく堅実な演技を披露した。「雰囲気的にも物理的にも息苦しかった」という緊張した状態でも、前大会で失敗した2回転ジャンプを確実に決め切り、ステップやスピンもふらつかずに成功。「良い感触だった。次につながると思う」と満足して試合を終えた。

 

(写真:華麗なステップを見せた堀)

 「少しでも難易度を上げてしまうと、全体がぼろぼろと崩れていった」と試合後に振り返った堀。前半に跳んだジャンプは3本とも成功させたものの、4本目のトリプルサルコウで転倒するなど「少し変わったことをやろうとしたジャンプを2つとも失敗した」。東日本に向け試行錯誤のプログラムとなった。

 

 「怖かった」「息苦しかった」と語った大島や松井。「普段より感覚的には楽に滑れた」と言う堀や「本当はもっと盛り上がる試合だと思う」と少し残念そうに見えた山隈など、それぞれの感想を抱いた初めての学生大会である東インカレ。今大会で得た経験を力に変え、28日から始まる東日本へ一層の調整に力を入れる。

 

[向井瑠風]

 

試合後のコメント

大島

――初の東インカレはいかがでしたか。

 「大学の名前を背負っているという重みがあって、その分プレッシャーはありました。普段戦っているメンバーも全員自分より年上ばかりですが、今回は戦ったことない人たちばかりで雰囲気がその分全く違って怖かったです。圧がありました」

 

――ジャンプを振り返ってみていかがでしたか。

 「今回は4回転をやらない抑えめの構成で挑んで、最後2回転だったり簡単なジャンプでミスが出てしまったりしたのですが、他のジャンプはパンクすることなく自分的にはまとめられたのではないかと思います」

 

――初めての東インカレはいかがでしたか。

 「初めての学生試合!(笑)聞いていたものとは違うなと思いました。コロナというのもあり、リンクサイドに学生がみんなで並んでハイタッチするというのをイメージしていたのですが…。でもそれは仕方ないかなとは思います。各大学の監督さんなどもお見えになったりしていて、目なども合ったりしたので『あ、大学の試合だ。学生試合だ』という実感はしっかりありました」

 

――東日本にはどういった構成で臨まれますか。

 「(前回と今回の)間を取るのも良いかなとも思ったのですが、東日本まで2週間あるわけで、今回できなかった部分にはもちろん取り組むとして、もう1本か2本新しい種類の3回転を組み込みたいなと思っています。もともとは骨折で跳べなくなったジャンプたちなので、まだイメージは自分の中に残っていて、あとは練習して戻すだけといった形です。東京選手権や東インカレを戦ってみて感じたのが、今の構成を完璧にやってぎりぎり東日本を通過できるくらいかなと感じたので、もう少し心の余裕を持ちたいし、体力的にもついてきてはいるので、もう少し難易度を上げたジャンプを大体2、3種類組み込んでもっと完成度の高いプログラムにして、余裕を持って通過できるように調節できればそれが理想ではあります」

 

松井

――本日の演技を振り返ってみていかがですか。

 「構成自体はレベル的には低い構成だったのですが、難しいジャンプを攻めて失敗するよりはまとめた方が自分の順位的にもチーム的にもいいかなと思ってそうしました。2回転ジャンプが多かったのですが、東京選手権では失敗があったのでそこを決められたのは良かったです。ステップは東京選手権の時はふらついたりしていたのですがそれもなかったですし、スピンも自分の中では心配もありますが、そこまで大きなミスはなかったと思います。(感触的には良かったでしょうか)良かったと思います。次につながると思います」

 

――インカレ特有の仲間の応援などありましたか。

 「演技中も義正(堀)とかが自分が後半つらそうな顔をしている時に手を叩いてくれたりして、頑張ろうと思いました」

 

山隈

――鼻声ですが、体調はいかがですか。

 「風邪というかアレルギー性の鼻炎みたいな。寒暖差とアレルギーが重なってしまって体調を崩してしまい、それを持ち直せませんでした。ただ、体力的には思ったよりももっていたので、純粋に自分が本番では違う動きをしてしまうというのもあるし、フリップルッツは本番まで1本も締まらなかったので、こいつらは本当に手強いなと思いながらそこをなんとか克服したいと思います」

 

――前大会でも準備段階から厳しい感じとおっしゃっていましたが、今回も似たような感じでしたか。

 「感覚としては似たような感じです。ですがやはり、準備の段階から準備し切れないのは改善点で自分でなんとかできる部分なので。この先の試合は準備がなければ生き残れない場所なので、ここからあと2週間あるのでしっかりまず準備できるようにしたいです。そこから試合は始まっているので、まずはこの鼻声を治さないとね(笑)ただ今回は僕以外の明治大学のメンバーがまとまった演技をして成長を見せて良くなっていて、僕だけまだ上手くできていないので。年齢的なものもあるし、光翔(大島)みたいなしっかり力のある人も入ってきて競争が生まれている中で、自分がその波に乗れていないのも感じるので、彼らの良い波に乗れるように、彼らにしっかり追い付けるように一日一日しっかりやるしかないなと思います。そこが一番大事ですかね」