鴇田が準Ⅴ! 坂井は惜しくも3位に終わる/全日本学生選手権

2021.10.15

 大会2日目を迎えた全日本学生選手権(以下、インカレ)は各階級の決勝戦まで行われた。明大からは57キロ級に出場した鴇田昇大(文3=足利大付)、塚田京(農1=埼玉栄)、79キロ級に出場した山崎然生(営2=いなべ総合)、92キロ級で出場した坂井孝太朗(文2=花咲徳栄)の試合が行われた。前日にベスト4が確定していた坂井の活躍に期待がかかっていたが、惜しくも準決勝敗退で3位。代わりに鴇田が準優勝と、明大から3年ぶりの表彰台が2人も出るという大健闘で大会を終えた。

 

◆10・13~14 全日本学生選手権(駒沢体育館)

[フリースタイル]

 

▼57キロ級

 鴇田――2位

 塚田――ベスト16

▼79キロ級

 山崎――ベスト8

▼92キロ級

 坂井――3位

 

 得意のカウンターでインカレを勝ち上がった。「一番ひやひやした試合だった」と鴇田が試合後に振り返ったのは3回戦。序盤に自身のミスから先制されると、第2P48秒にもバックを取られてしまい点数は0―3に。なかなか流れをつかむことができず苦しい展開が続いた。そんな中試合が動いたのは第2P1分58秒。相手のタックルに対して得意のカウンターで反撃すると、そのまま一挙に4得点を挙げ4―3で逆転勝ちを納めた。続く準々決勝では先ほどの試合とは打って変わり、相手に流れを渡さない試合運びで勝利。迎えた準決勝も序盤にローリングで先制し、何事もなく試合は進むかと思われたが、後半に入り場外などでじわじわと点差を詰められ、ついに第2P1分38秒に同点まで追い付かれてしまう。残り時間12秒でまたも場外を相手に狙われ失点するかと思いきや「気持ちの勢いというか相手のスキを突けて、いろいろと重なって運が良かった」と土壇場で投げ技を決める。これが決勝点となり、決勝の舞台へと駒を進めた。

 

 いくつもの難しい場面を乗り越えて、迎えた決勝の相手は日体大の弓矢。得意のカウンタースタイルで攻めようとするも、しっかりと相手に対策されており思うようにペースをつかめない。前半に3点を取られてしまい、その後相手のパッシブなどで点数を稼いだものの、1点差で惜敗し準優勝となった。それでも「2位という結果は自分を褒めていいのかなと思い安心している」と高校時代に成し遂げられなかった全国大会での表彰台に満足げな表情を見せた。

 

 東日本学生春季選手権から躍進し、今大会でも準優勝を納めた鴇田。3年生になってから多くの結果を残し、上級生としてチームを積極的に引っ張っていく。今大会3位の坂井などの下級生も、それに負けないような活躍を見せた。チームとしていい雰囲気を保ったまま、大学対抗を兼ねた来月の全日本大学選手権(通称、内閣)に臨めるか。1カ月の間にどれ程の力をためられるか期待がかかる。

 

[向井瑠風]

 

試合後のコメント

小柳義人監督

――今大会の総評をお願いします。

 「全日本大学グレコローマン選手権が終わって3日後だったので、部員の数が少ないチームは厳しいのですが、みんなよく頑張ったと思います。2位、ベスト4、8と数人入ったので、まあまあかなと思いますが、惜しい試合ばかりで、もう少しだったかなと思います」

 

――監督から見た鴇田選手の練習はいかがですか。

 「今、寺田(靖也・平27農卒)コーチと二ノ宮(寛斗・令2営卒)コーチがずっと練習に来ているので、本当に助かっています。寺田コーチが鴇田の稽古をずっとつけてくれていて、軽量級の成績は寺田コーチのおかげかなと思います。寺田コーチがいると、学生がみんな当たりに行っていて、一番練習しているのは寺田コーチというくらいです。終わった後もしっかりコーチングしてくれるので、無駄なスパーリングにはならないです。今回も結果が出て良かったです」

 

――全日本大学選手権に向けて目標をお願いします。

 「昨年度は8位なので、それを目指していきたいです。順調に行けばそこくらいは狙えるかなと思います。ただ9、10、11位くらいの大学も最近強くなっていて追われる立場になっているので、熾烈(しれつ)な戦いになると思います。ただフリースタイルなのでその点においては戦えるかなと思います」

 

二ノ宮コーチ

――今大会の総評をお願いします。

 「今大会は組み合わせもあまり良くなくて、厳しいかなと思いながら見ていました。やはり格上の相手と当たるとグラウンドで決まってしまったり、もちろん頑張っている選手もいましたが、点差が開いてしまう試合がありました。だけど、そこはこれから頑張って強くなっていくしかないです。ただ、自分と競った相手、自分より劣る選手に攻め切れずに負けてしまう、何もせずに負けてしまう試合があったので、そこがやはり取り組みの姿勢から結果につながってしまったのかなと思って、そこは少し残念です」

 

――意識の差が出たということですか。

 「頑張っている選手が頑張っているだけで終わっているのかなと思います。どうにか全体で頑張るということができませんでした。もちろん学年問わず頑張っている選手はいるのですが、練習に来てもあまり積極的にできていないとか、監督もおっしゃっていたのですが、誰かが試合しているときに観戦する態度とか、そのような姿勢が全体の雰囲気にも影響を与えているように思います」

 

鴇田

――カウンタースタイルになった理由、原点を教えてください。

 「元々カウンターは高校の時から得意技ではありましたが、ここまで確立したのは大学に入ってからです。練習で毎日毎日同じことの繰り返しをしていたら、気付いたら身にいて染み込んで、どんどんうまくなっていました。自分でもカウンターを武器にとは思っていませんでしたが、たくさん練習をしていたら他の人にはないものが出来上がっていたと思います」

 

――今後の目標をお願いします。

 「優勝もしたいですが、明治のレスリング部はもっと強いぞということを全国に知らしめたい、思わせたいので個人戦もですが来年度のリーグ戦を重視しています。現在明大は8位で停滞していますが、7位に上げたいです。少しずつリーグ戦の順位を上げて、中大と来年度当たると思うので、そこは落とせないと思います。自分たちの代になるので、先輩たちが築き上げた8位という結果を落とさず、それ以上の結果を同期たちと一緒に残したいと思います」

 

坂井

――今大会を振り返っていかがですか。

 「3位になれたことはうれしいですが、準決勝の試合がふがいないというか、内容的にもいい試合ではなかったので、悔しさはあります」

 

――相手との差はどこにありましたか。

 「技術面でタックルや組み手、総合的に踏まえて劣っている面がありました。力の差をとても感じました。そこが落ち度というか、相手に劣って負けてしまったのかなと思います」