
関東学生選手権直前インタビュー(2)/中村優里、荒金泰成
インカレ出場に向けた戦いが幕を開ける。5月に開催予定だったリーグ戦が中止となり、今年度初の主要な大会となる関東学生選手権(以下、関カレ)。主力である上級生に加え、堀部聖太(政経1=岩国工)や稲山由梨(営1=星槎)など頼もしいルーキーを迎えて戦う。今特集では、各学年1人ずつ計4人の選手の声をお届けする。
第2回は上級生2人のインタビューです。(この取材は9月5日に行われたものです)
荒金泰成主務(政経4=大分豊府)
――前期の部活動の振り返りをお願いします。
「緊急事態宣言もあり、5月以降全く練習ができていませんでした。6月からは再開することができたのですが、条件付きでの練習だったのでみんなでそろって練習をすることがなかなかできない状況でした」
――5月のリーグ戦が中止となり、どのようにモチベーションを維持していましたか。
「モチベーション的にはきつい部分がありました。8月の下旬から全員で集合したのですが、これからどうすれば良いかという話をしました。それぞれの目標をホワイトボードに書き出して、関カレに向けて意気込んでいます」
――部の雰囲気はいかがですか。
「久しぶりに全員で集まり、一人一人の考え方が違っていてばらばらな部分があります。関カレに向けて一つになっていこうとしている最中です」
――部員とのコミュニケーションはどのようにして図っていますか。
「6月から練習が再開して種目ごとに集合した時には、自分が行ける日は極力練習に参加しました。そこではなるべく全ての部員とコミュニケーションを取るように心掛けていました。フェンシングのことだけでなく世間話でもいいので、コミュニケーションを取らない期間を作らないようにしていました。8月に練習が始まってからは、練習の際にどうするべきなのか、練習態度がどうなのかという話をして、言わないといけないことはしっかりと言うようにしています」
――新しい練習法や筋トレの効果はいかがでしょうか。
「試合が今のところあまり無いので、結果と結び付いているかは分からないです。個人的には、新しいトレーニングを導入することで次の世代の練習のバリエーションが増えると考えています。また、新しい練習を取り入れることによって、後輩からも具体的な意見が出てくるようになったので、そこは良いところだと思います」
――関カレとは部にとってどのような大会ですか。
「関カレで勝たなければインカレに出場することができないということもあり、部にとって非常に重要な大会となっています。個人に関しては全員がインカレ出場できるようにそれぞれ頑張ってもらいたいと思います。団体に関しては関東の強豪校が勢ぞろいとなるので、男子の最高記録であるベスト4以上を狙っていきたいと思います。女子の方は2年前に準優勝しているので、決勝進出を狙っていければいいという感じです。私自身としては4年生最後の大会になります。約2年間試合に出場できていなかったので、納得のいくような終わり方ができるように、個人の最高記録を狙って試合に臨みたいと思います」
――前回出場された関カレでは2回戦敗退でした。それから成長したと感じる部分はありますか。
「精神的な部分の成長はもちろんあります。フェンシングの戦術の考え方という部分でも、どういうふうに得点を取っていけば良いのか、相手によってどういったプレーをするのかということを考えるようになったと思います。前回の関カレは下級生という立場だったのですが、今は上級生という立場として部全体のことを考えるようになりました」
――関カレに向けた練習はどのようにやっていますか。
「ホワイトボードに個人個人の目標を書いてもらっているのですが、そこで気付いたことや取り組まなければならないことをそれぞれ整理してもらっています。そこからどんな練習をしていけばいいのかを発展的に考えているのではないかと思います」
――ご自身の持ち味はどこにあるのでしょうか。
「自分で言うのは初めてですが、守りを誘ってからのカウンター攻撃です。フレッシュという伸びのある技があるのですが、そこからの切り返しで相手が入ってきたところにさらに切り返して入っていくのが得意です。守りで相手に点を取らせないフェンシングが持ち味です」
――関カレへの意気込みをお願いします。
「一人一人が最高の成績を残せるようにしたいです。またチームの雰囲気を最高の状態に持っていって、インカレに向けて良いスタートを切りたいと思います」
――ありがとうございました。
中村優里(営3=成立学園)
――この約1年間はどのように過ごしていましたか。
「コロナの影響でなかなか部全体としていつも通り練習することができず、自主練習に近い感じでした。そのため、部活以外のところでできる限り外部の練習に参加をして、体が鈍らないようにしていました。試合がいつあるか分からなかったので、いつ試合が来ても大丈夫なようにしながら1年間過ごしてきました」
――自主練習期間でどういったことを学びましたか。
「一番大きいことは、私がコロナ期間で剣を変えたことです。コロナという時期だからこそもう一度自分を作りかえるチャンスだと思い、剣を変えてプレースタイルも変えたのが大きいです。フレッシュ(矢のように前に飛び出して行う攻撃動作)が主体なことは変わっていないのですが、課題としては無駄な動きが多いことです。フレッシュなどの飛んでいくアタックが私は得意なので、攻撃をより生かすために長い剣が良いのかなと思いました。本当は色々な技ができた方がいいのですが、得意な技を極め、よりシンプルに戦いたかったのでこの剣にしました。様々な技を全て捉えるという難しいことよりは、自分の距離に入ったらまっすぐ突くことを優先することによって、頭もすっきりして思い切って戦えることも多いです。フレンチ(剣の持ち手の一種)の強みはそういうところかなと思います」
――今の課題を教えて下さい。
「かなり久しぶりの試合前ということで、おじけづいているところがあります。剣を出さないといけない時に引いてしまうというのが課題なので、そこをためらわずに出すところは出すというふうにしたいです。思い切って飛び込むことにまだ迷いがあり、試合までにすっきりした状態で迎えられればいいかなと思います。大抵の練習は勝つことよりも負けてもいいから自分の技を試す、失敗してもいいから飛び込むということを意識していました。それをやることで点が入るようにもなり自信もつきました」
――チームとしての理想の戦い方を教えて下さい。
「みんな同じくらいいいところがあり、みんな主力になれるようなメンバーです。だからこそ4年生、3年生だからとかではなくて、学年問わずアドバイスし合っていきたいです。4年生が1年生に聞くこともありますし、そういうフラットな関係で、堅くならずにいいところは盗みあっていけるような雰囲気でいければ良いなと思います。まだ団体戦も練習していないので、ここからコロナが落ち着いていけば、外部の練習に行ったり他の大学と団体戦をやったりしながら、チームの戦い方を練れたら良いなという感じです」
――関カレの目標を教えて下さい。
「自分が1年生の時は準優勝だったので、団体優勝を目指してやれればいいなと思います。個人としては、やはりメンバーになりたいというのがあります。1年生の時は自分のことをやるのに精いっぱいでしたが、今は3年生になってもうすぐ世代交代なので、自分が引っ張っていかないといけない立場となりました。自分のプレーを出し切ることは前提として、その上でチーム全体の雰囲気作っていくことなどができれば良いなと思います」
――関カレへの意気込みをお願いします。
「試合の具体的な結果というよりは、学年というプライドを捨てて、思い切ってプレーをすることに集中したいです。目標としては、団体戦は王座に行くということと個人戦では表彰台に上りたいというのがあります。そうなるために、自分はフレッシュが得意なので〝フレッシュと言えば中村〟と言われるくらいにプレーするということが私の意気込みです」
――ありがとうございました。
[フェンシング部担当一同]
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