
インカレ最終日 宮坂、田渕が金 男子は連覇逃し総合3位/日本学生選手権
4日間にわたる熱戦が幕を下ろした。 大学日本一を懸け強豪がひしめきあった今大会。明大勢は男子3位、女子10位と共に悔しい結果に。それでも宮坂倖乃(法3=春日部共栄)は平泳ぎで2冠を達成。1年生の田渕海斗(情コミ1=日大藤沢)が400メートル個人メドレーで、栁川大樹(政経1=日大藤沢)が100メートル背泳ぎでそれぞれ1位、2位を勝ち取るなど、明大が意地を見せ付けた大会最終日となった。
◆10・7〜10 日本学生選手権(東京辰巳国際水泳場)※無観客で実施
▼男子400メートル個人メドレー
1位 田渕 4分11秒80
▼女子100メートル自由形
4位 田嶋 55秒93
▼男子100メートル自由形
5位 五味 49秒93
▼男子100メートル背泳ぎ
2位 栁川 54秒91
4位 松山 54秒98
▼女子200メートル平泳ぎ
1位 宮坂 2分24秒04
▼男子200メートル平泳ぎ
7位 林 2分11秒71
▼男子400メートルメドレーリレー
4位 五味・中島・田渕・井元 7分18秒26
▼男子総合順位
1位 日大 491.5点
2位 近大 316.5点
3位 明大 300.5点
▼女子総合順位
1位 神大 361.0点
2位 日大 294.5点
3位 日体大 273.0点
10位 明大 147.5点
「全部出し切ってタイムも良かった」(宮坂)。去年のインカレで5年ぶりに自己ベストを更新した宮坂。水泳の楽しさを思い出し、この1年間練習を積んできた。一昨日の100メートル平泳ぎで優勝、昨日の400メートルメドレーリレーでは2位に貢献し、迎えた大会最終日。残すは200メートル平泳ぎの決勝のみだった。「この一本で出し切ろうと思い、最初から飛ばしました」(宮坂)。課題だった最初の100メートルも好ラップで入り、最後まで首位を守って1位でフィニッシュ。今大会の目標であった2冠を、共にベストタイムで見事達成した。
期待の1年生が見事やってのけた。3日目の200メートル個人メドレーで優勝した宮本(法大)や、この種目で東京五輪日本代表を務めた井狩(近大)など実力者がそろった400メートル個人メドレー。強力なライバルたちと比べたら、まだこの種目で優勝したことがないルーキー・田渕は周りからの注目度も低かった。それでも周囲の予想を「覆せばいい」と強気で挑んだ決勝。前日には課題の前半で出遅れないよう、泳ぎのテンポを上げる調整をしていた。決勝中盤の200メートル。ターン後、後半の追い上げを得意とする田渕の前に選手は誰もいなかった。「視界が良かったので勝てるなと思った」(田渕)。後半は、東京五輪において200メートルバタフライで銀メダルを獲得した本多(日大)と激しい競り合いを見せたが、果敢に攻めた田渕が一歩リード。1年生ながら並み居る優勝候補を打ち破り、見事優勝した。これで来年度5月に行われる世界水泳での代表入りも見えてきた。もうダークホースとは言わせない。
男子は総合連覇、女子はシード権獲得を目標にしていた明大。それぞれの目標には及ばず、満足のいく結果とは言えなかった。しかし今大会を通して、田渕や背泳ぎ2部門で2位に輝いた栁川が存在感を見せた。さらに200メートル個人メドレーで廣島偉来(政経1=淑徳巣鴨)が、100メートル自由形では五味智信(商1=湘南工科大付)がそれぞれ5位入賞するなど1年生が躍動したのも事実だ。「来年は後輩たちが天皇杯を取り返してくれると思う」(井元秀哉主将・法4=湘南工科大付)。来年度インカレの王座奪還に向け、今後のルーキーたちの活躍が注目される。
[渡辺悠志郎]
試合後のコメント
井元
――4日間を振り返っていかがですか。
「初日と2日目にスタートダッシュがうまく決まらず、得点が稼げませんでした。初日のスタートは5位となっており総合優勝は厳しく、このままいけば5位や6位で終わってしまうのではないかと思われていました。しかし3日目、4日目はチームで一致団結して望むことができましたし、そのおかげで調子が悪かった選手も結果を出して得点を取ることができました。そうして3位に入ることもできました。インカレはもちろん苦しい部分もありましたが、最後に振り返れば楽しかったと思います」
――主将としての1年間はいかがでしたか。
「僕自身主将をやることに対して自信がなかったです。初めての経験で右も左も分からず、先輩の力を借りながら同期にも頼りしました。それでもうまくチームをまとめられず泣いたこともありました。最後まで僕は泳ぎで見せることしかできなかったので、最後のインカレでチームがまとまってくれたことはとてもうれしいです」
五味
――決勝での対戦相手の顔ぶれはいかがでしたか。
「去年、一昨年もインカレ水泳をテレビやアベマTV、YouTubeで見ていました。その中で名がよく通った人が決勝に多くいたので、おじけづいてしまったというのは正直なところです。しかし日本のトップで活躍する選手たちと戦うレースはほぼ初めての経験だったので、自分の中でもこの経験を生かすために泳ぎたいと思いました」
――5位入賞という結果への受け止めを教えて下さい。
「正直なところ、49秒50のタイムを出して4位であったり表彰台を視野に入れていったりというのが今大会の目標でした。49秒90のタイムで5位というのは少し納得いかないですけども、先輩にも監督にもエントリーランキングから順位を上げたことについては『よくやったぞ』と言ってもらえたのでうれしかったです」
田渕
――強力なライバルたちとのレースでした。
「練習していて負ける気はしなかったです。調子を見て、その2人(井狩と本多)が五輪明けで緩んでいるところをしっかり攻めようと思っていました。僕が1番調子良さそうだったので負ける気はしなかったです。レース前から優勝しか考えておらず、ガッツポーズも決めていました」
――記録が伸びた要因はどこにあると思いますか。
「いい練習をしていたので持久力が向上し、前半に突っ込んでも耐えられるだけの自信がありました。それとバタフライは1.0秒のテンポ、背泳ぎは1.5秒というテンポで前日に詰めて調整しました。感覚も良かったので2分03秒、もしかしたら2分02秒で回れるかもしれないなと感じました。そこの前日の調整がよくできたかなと思います。2分03秒で回り、力の配分はいつもと同じようにやりました。持久力が向上していたというところもあり、平泳ぎも自由形も速く泳げたので、そこが良かったかなと思います」
栁川
――決勝の振り返りをお願いします。
「今日は優勝を狙っていたので、自己ベストも更新できず悔しい思いです」
――初のインカレの振り返りをお願いします。
「明治大学のチームとして戦えて、本当に良かったと思います」
宮坂
――レースを終えていかがでしたか。
「今日は本当に疲れ切っていて、最後に全部出し切ってタイムも良かったです。ですが喜ぶ力がなくて、本当にやり切ったという感じでした」
――今後は最高学年として活動することになります。
「今回は自分の結果としても、自信になるようなレースができました。来年はもっと強くなり、リレーも私に任せてという感じになりたいです。チームをもっともっと引っ張っていけるように頑張りたいです」
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