(女子)松原総合3位 5人が東日本選手権へ/東京選手権

 昨日のSP(ショートプログラム)に続いて行われた女子FS(フリースケーティング)。6人6様、それぞれ思いを乗せて滑り切った。3位に松原星(商3=武蔵野学院)、7位に井上千尋(商4=椙山女学院)、9位に堀見華那(商1=愛知みずほ大瑞穂)、12位に本田真凜(政経2=青森山田)、15位に佐藤伊吹(政経3=駒場学園)、19位に岡部季枝(法2=新渡戸文化)がつけるという結果に終わった。

 

▼10・7〜10 東京選手権(ダイドードリンコアイスアリーナ)

 黒地に大きなラメが光る衣装に包まれ登場した松原。おとなしい中にも揺らぐ感情を持ったピアノと弦楽器の音色を、大人っぽく上品にまとめあげた。冒頭、滑らかに滑り出したが、途中いくつかのジャンプで着氷がふらつく場面があった。しかし疲れが出てくる後半、トリプルサルコウ、トリプルトーループの連続ジャンプをはじめ、安定したジャンプを連発。前半のミスをカバーするかのように、リンクを大きく使ったしなやかな滑りで最後まで演じ切った。FSで110点以上を取るという自身の目標は達成したものの「ノーミス」というもう一つの目標は繰越し課題となった。小さなミスを減らして、東日本選手権ではもう一つも二つも上の表彰台で笑顔を咲かせたい。

 

 気持ちのこもった演技になった。「魅せる演技がしたい」と、大好きな『ビューティーアンドビースト』で挑んだ井上は、SP11位からはい上がり総合7位に食い込んだ。緊張した面持ちで登場したが、音楽が始まると曲に身を委ね最初のダブルアクセルを成功させた。途中惜しいミスが目立つも、基礎点の高いジャンプを次々と成功させる。事前取材で語った「質の良い練習」の努力が実った結果だろうか。きれいにジャンプを決めると黄色い衣装が華やかに開く。「練習より体力が持った」とキスアンドクライで振り返ったように、最後まで情感たっぷりに舞った。強さと美しさを兼ね備えた演技をした井上は、まさに〝氷上のベル〟だった。

 

 練習を重ねて演技を作り、自分のものにすることは、計り知れない努力と時間を要するはずだ。冬の主役は、数分の演技に全てを懸けて輝く彼女たち。東京選手権での反省を生かして東日本へ挑む姿に期待がかかる。

 

[新村百華]