法大との天王山 熊取谷弾で先制も勝ちきれず/関東大学1部リーグ戦

2021.10.09

 首位で迎えた第19節は、勝ち点5差で2位につける法大との天王山。試合は序盤からペースをつかむと、39分に熊取谷が豪快なミドルシュートを沈め先制。その後も主導権を握ったが、82分にロングスローから一瞬のスキを突かれ同点に。再びリードを奪うことはできず、首位の座を確固たるものにすることはできなかった。

 

 U―22日本代表候補合宿でFW佐藤恵允(文2=実践学園)を、ケガでエースのMF杉浦文哉(政経4=名古屋グランパスUー18)を欠き、迎えたこの試合。攻撃陣に離脱者が多い中で、指揮官は「体は小さいがサッカーセンスが高く、技術もしっかりしている」(栗田大輔監督)と評価するルーキーの熊取谷をスタメンに抜擢した。試合は序盤から明大ペース。3バックを中心に、長短のパスを交えながら法大ゴールへと迫っていった。

(写真:安定したハイボールへの対応を見せた青嶋)

 采配的中。試合を動かしたのはサッカー王国・静岡が生んだ期待のルーキー・熊取谷だった。39分、左サイドでボールを運んだ太田からのパスを受けると、PA(ペナルティエリア)の手前から右足を振り抜く。豪快なミドルシュートはゴールへと突き刺さり、待望の先制点となった。「前回出場した際の反省点を生かせた」(熊取谷)。スタメン出場した第14節の国士大戦でもゴールへの執念を見せていた熊取谷。積極的な姿勢が実を結び、うれしい大学初ゴールとなった。

(写真:熊取谷のゴールをアシストした太田)

 後半はサイドから法大ゴールへと迫り、多くの決定機を迎えるも追加点を奪えない展開が続く。すると82分、相手のロングスローから攻め込まれると、最後はこぼれ球を押し込まれ、試合は振り出しに。「際のところで守れるか守れないかが勝敗を大きく分けてくる」(青嶋)。再び勝ち越しを狙い攻勢を強めるもゴールは奪えず。課題のセットプレーからの失点が響き、1―1のドロー決着となった。

 今節の結果を受け、明大と4ポイント差の2位には消化試合が3試合少ない駒大が浮上。「明大らしいサッカーをやり続ければ優勝という結果が付いてくる」(栗田監督)。リーグ戦も残るは4試合。猛追を見せる駒大から逃げ切り、創部100周年に花を添えるため。紫紺の勇者たちの戦いは続く。

 

[土屋秋喜]

 

試合後コメント

栗田監督

――短いパスをつなぎながら、タイミングよくロングフィードを使い相手の背後を狙うような戦いを見せていましたが、今日の戦いぶりはいかがでしたか。

 「前半と後半でそれぞれ『自分たちのサッカーをして勝とう』というコンセプトでした。前半は得点でも内容でも勝っていて、明大らしいサッカーができたと思いますが、後半はもったいなかったです。失点は仕方ないですが、交代選手がもう少し2トップに絡むことができれば局面が変わったと思います」

 

――優勝に向け1試合も落とせない展開が続きますが、残り4試合への意気込みをお願いします。

 「勝たなくてはいけないという使命感でやっているとソルジャーみたいですし、みんなサッカーが好きでやっています。1試合ずつきっちりと明大らしくプレーしてほしいですし、そうしたサッカーを続けられれば、優勝という結果につながっていくと思います」

 

青嶋

――試合を振り返っていかがですか。

 「法大には前期で負けています。同じチームに2度負けてはならないし、全員の気持ちはそろっていましたが、結果的に失点して引き分けで終わってしまったのは守備陣のリーダーとして反省しなくてはいけないと思います」

 

――大学サッカーも残り、リーグ戦が4試合と全日本大学選手権のみとなりましたがいかがですか。

 「4年間を過ごした明大には感謝しかありません。今の4年生は、プレーで示すことも大事ですが、下級生に何を残せるかということの方が大事だと思うので、全ての試合を全力で戦う姿勢を見せて優勝したいです。全日本大学選手権に関してはまだ出場が確定していないので、まずはその出場権を獲得できるよう頑張っていきたいと思います」

 

熊取谷

――今季2度目のスタメン出場でしたが、どのような部分で大学の舞台でも通用していると思いますか。

 「相手のライン間でボールを受けたり、スペースに走ったりという部分では通用していると思いますし、それ以上に守備の部分でも通用していると思います」