勝利を決したのは〝我慢強さ〟 江戸川大との激戦制す/関東大学2部リーグ戦

 最後まで手に汗を握る展開だった。序盤は江戸川大の猛攻に圧され、相手のペースで試合は進む。しかし、続く第2Qで見事逆転。最終第4Qでは1点差まで詰められる場面もあったものの、溝口月斗(国際4=東海大付札幌)の気迫あふれるシュートで流れは完全に明大へ。79―70でシーソーゲームを制した。

 

◆9・14~11・6 第97回関東大学2部リーグ戦(とどろきアリーナ他)

▼9・26 対江戸川大戦(関東学大金沢八景キャンパス)

○明大79{17―22、17―9、21―15、24―24}江戸川大70

 

 スターターは、PG常田耕平(政経4=正智深谷)、SG吉村公汰(営3=土浦日大)、SF戸堀春輝(営4=国学院久我山)、SF田邉太一(情コミ2=福岡大大濠)、PF中村吏(法4=正智深谷)。

 

 「準備不足だった」(常田)。昨年度のオータムカップは2位と、2部では追い掛けられる立場の明大。倒しにやってくる他のチームの壁とならねばならない。しかし、想定以上の相手のプレッシャーに「引いてしまった」(勝山大輝・法3=正智深谷)。フロントコートへボールを運ぶことにも苦労し、完全に江戸川大のペースにのまれる。5点のリードを許し、重い雰囲気のまま第1Qを終える。

 

 続く第2Q。戸堀の「ディフェンスもっと集中しよう!」という声掛けに呼応するように皆の士気が上昇。怒涛(どとう)の追い上げを見せる。まずは常田の華麗な2連続ドライブイン、戸堀の3Pで同点に。ベンチへ向けたお決まりのポーズも飛び出す。その後も戸堀が得点を重ね、一時は7点あった差を一気にひっくり返し34―31。相手の得点を第2Qでは1桁のわずか9点に抑えてみせた。


 リードを保ったまま迎えた後半。ベンチから出場した勝山が魅せた。3Pでファールを獲得し、3本のフリースローを確実に沈める。この時間、放つシュートは全てリングに吸い込まれ、見せ場を演出。「ここ我慢だぞ」と相手の監督に言わせてみせた。そして、第4Q序盤。今試合28得点をあげた大川(江戸川大)の2連続3Pが決まると3P合戦に。すぐさま戸堀が決め返すと次は坂本(江戸川大)、またもや大川の3Pで1点差まで詰め寄られ、しびれる展開に。しかし「厳しい時間帯に4年生が4年生らしいプレーをした」(常田)。ケガから復帰した溝口がここで意地を見せる。まるで〝ねじ込む〟という表現が適切かのような気迫あふれるシュートを連続で見せつけ、チーム最多の19得点をあげる活躍ぶり。完全復活ののろしを上げ、試合終了のブザーが鳴った。

 

 我慢強さが勝敗を分けた。「シーソーゲームになったら最後はやはり気持ち」(勝山)。全勝優勝という確固たる目標が選手たちを突き動かす。厳しい時間帯も、戸堀を中心に声を出し続け、相手に傾きそうになる流れを粘り強いディフェンスで何度も引き寄せた。「今日の経験はとても良かった」(常田)。シーソーゲームを勝ち切った勢いそのままに、連勝街道を突き進む。

 

[伊東彩乃]

 

試合後のコメント

常田

ーー今日の勝利はとても大きなものだったと思います。

「3戦目にこのような戦いができて、良い意味でも悪い意味でもとても良かったと思います。いい意味では、シーソーゲームを勝ちきったこと、悪い意味で言ったら、試合の入り、準備の悪さが出ているので、そこを修正しつつ、どんどん乗っていきたいです」

 

戸堀

ーーコート内での声出しは意識していますか。

「重い展開のところで気持ちまで重くなったらそれこそおしまいだと思うので、自分の中では明るく盛り上げていけば、自然と流れも来るし、つかみ取れると思っていたので、声出しはとても意識してやっていました」

 

勝山

ーーとても良いタイミングで3Pが決まっていましたね。

「僕は1、2年生のときに試合に出られていなくて、田邉にかなり負担をかけてしまっているので、自分やってやるということを毎日意識してやってきました」