2年ぶりのジュニア初戦 早大に快勝/関東大学ジュニア選手権

2021.09.20

 関東大学ジュニア選手権2年ぶりに開幕した。初戦は絶対に負けられない相手、早大との一戦。開始直後から流れをつかんだ明大は、攻守で圧倒。前半は早大をノートライに抑え、28―0で折り返す。後半にはなかなか攻め切れない場面もあったが、さらに点差をつけ早大を突き放す。最終スコア47―7で勝利を収めた。

 

◆9・19 関東大学ジュニア選手権(会場非公開)

▼対早大戦

 〇明大47{28―0、19―7}7早大

 

 宿敵・早大との一戦は明大のプライドを見せた試合となった。「ボールを継続して一人一人が強いプレーで前に出れた」(左センター齊藤誉哉・文3=桐生一)。前半開始直後、試合を動かしたのは明大。相手のミスを誘い、いい流れができていた。前半4分、スクラムから出したボールをつなぎ、齊藤のパスを受けた左ウイング原口虎太郎(商3=東福岡)が先制トライ。「自分だけの力ではないが、いいトライだった」(原口)。続く前半10分、明大のラインアウトから、パスをつなぎ右センター石塚勝己(情コミ2=桐蔭学園)がグラウンディング。その後はなかなかトライを奪えないものの、敵陣で攻撃を続けプレッシャーをかける。自陣に攻められるシーンもあったが、スタンドオフ池戸将太郎(政経2=東海大相模)のロングキックが光り一気に敵陣へ。前半終了間際、ハーフウエーライン付近でのラインアウトから巧みにパスをつなぎ左フランカー石浦大貴(政経2=報徳学園)がトライ。早大にトライを許すことなく、28―0で前半を終える。

 

 連続で得点した前半に続き、後半も早く流れをつかみたい明大。「ディフェンスが粘り強くてやりづらかった」(原口)。相手のミスを誘いチャンスをつくるも、得点につなぐことができず厳しい時間が続く。この激しい攻防戦を脱したのは後半12分。ラインアウトからボールをつなぎ、池戸のキックパスで大きくサイドを変え最後は齊藤がキャッチしそのままトライ。早大を突き放す。さらに点差をつけたいがここからは体力的につらくなる時間帯。両校ともミスが目立つようになってくる。それでも鉄壁のディフェンスで相手の攻撃を許さない。「どこに相手がアタックしてきてもきちんと止められるシステムが機能していた」(フッカー紀伊遼平・営3=桐蔭学園)。後半31分、ラインアウトからつないだボールを竹ノ内駿太(政経4=長崎南山)が空いたスペースに走り込み中央にグラウンディング。「FWがいいキャリーをしてくれていたのでチーム全体としてのトライだった」(竹ノ内)。最上級生のトライでチームの士気が高まる。続いて33分、相手のミスボールに反応した齊藤がトライ。「いいプレッシャーがあったからこぼれてトライまでつながった」(齊藤)。このまま逃げ切り完封勝利かと思われたが、終了間際相手にトライを許してしまう。それでも47―7の大差で勝ち星を挙げた。

 

 「ディフェンスのフォーカスが多く、ラインスピードを上げるという意識をしていたので終盤までノートライで抑えられた」(ゲームキャプテン・右フランカー吉田幹・文4=佐野日大)。菅平での早大B戦以来、ディフェンスを課題として意識していた明大。ディフェンス面での成長が勝利の大きなカギとなった。

 

 「相手は早稲田で負けられないので、絶対に勝とうという気持ちで臨んだ」(石浦)。攻守ともに圧倒し、全員でつなぐプレーが目立った今試合。台風一過の秋晴れの中、大きな勝利を収めることができた。ジュニア選手権4連勝に向けてまずは1勝。そして個人としてもA戦のメンバー入りを目指してさらなる高みを目指す。

 

[豊澤風香]

 

試合後のコメント

吉田

――セットプレーの出来はいかがでしたか。

 「全体的にスクラムは押し勝てていましたが、早稲田に少し回されてボールアウトされたのでそこはもっと圧倒できるようにやっていきたいです。ラインアウトは競られたところもありましたが、いつもやっているハイリフトやクオリティーなど高さでの勝負をして競られてもボールキャッチできるようにするという作戦だったのでそこは良かったと思います」

――個人の課題はありますか。

 「最後に足をつってしまったのでコンディションを管理したいです。プレー面は勇気づけるような派手なプレーをやっていきたいと思います」

紀伊

――試合のテーマを教えてください。

 「チームとしてはクオリティーというテーマでやっていて、全部のプレーの質を上げたまま保つということを意識しました」

 

――ラインアウトを振り返ってみていかがでしたか。

 「ラインアウトでミスをしたのは2本で、1本は、相手のディフェンスがうまかったので仕方ない部分でしたが、2本目は僕が相手のこと気にしてスローが若干高くなった部分がありました。その他はかなりいいスローが投げれていただけに少し悔しかったです」

 

石浦

――スクラムの出来はいかがでしたか。

 「全体としていいまとまりで組めていたと思います」

 

――トライシーンの振り返りをお願いします。

 「明大として練習でやってきたことが試合で出せたのでいいトライだったと思います」

原口

――ハーフタイムに何を話しましたか。

 「みんなが見て思った通りでチームとして前半集中していいプレーができたのでこれを続けようと話していました。後半最初少しトライ取り切れないことが多くて、最後トライを取られてしまったのでそこは詰めの甘さが出てしまったなと思います」

 

――これからの目標を教えてください。

 「対抗戦が始まってきているので、もちろん対抗戦優勝と最終的に選手権優勝だけでなく、メンバーに絡んで頑張っていきたいと思います」

 

齊藤

――個人としてのテーマを教えてください。

 「勝ちたいという思いもありましたし、ここでいいプレーをすれば次につながると思っていたので思い切ってプレーできました」

 

――最後にトライを取られた原因を教えてください。

 「ディフェンスは我慢できていたのですが、少しの個人の入れ違いや、少しのミスで取られてしまったのでそこはこれから修正していきます」

 

竹ノ内

――個人としてのテーマを教えてください。

 「リザーブからだったので、どういう状態になるかというのはずっと見ていたのですが、負けている場合はテンポアップして流れを変えようと考えていました。でも結構点差が開いてたので、まずはもう一回自分たちでやるべきこと、クオリティー、あとは雑になってしまうところがあるので点差がついたとき、そこをもう一回締めるのが自分の役割だと思って意識して試合に入りました」

 

――これからの意気込みをお願いします。

 「ジュニアもそうですし対抗戦もまだまだ続くのでチームとしてまたここから成長して、選手権にいい形でいけたらと思っています」