吉田明優勝逃す 果敢にチャレンジも実らず……/全日本学生選手権総括(女子)

2021.08.26

 悪天候が続く中でも開催された全日本学生選手権(以下、インカレ)。男女単複それぞれが熱い戦いを繰り広げるも最高成績はベスト16と今一つ足りない成績に。それでも昨年度よりも確実に成長が感じられ、団体戦での活躍も期待せずにはいられない。

 

 「全体的に本数と負け方が敗者の負け方というよりはチャレンジしての負けだった」(上原監督)。シングルスは4人、ダブルスは2組が本戦に出場した女子勢。エース・吉田明日香(政経4=四日市商)だけでなく下級生も今後を楽しみにさせてくれる、そんな戦い方であった。

 

 昨年度は3回戦敗退となった吉田明。その時負けた因縁の永田(慶大)が4回戦の相手に。「リベンジするために当てられた」(吉田明)。優勝するためにも「少しリスクを負っていかないと勝てない」(吉田明)と強気な姿勢で攻めていく。ファイナルセットまで持ち込むも大事な場面で相手が先手で仕掛けだす。そのまま流れは取り返せず、ファイナルセット3-10で終わる。昨年度より一つ前へ駒を進めたが優勝までは届かなかった。

 

 インカレ初出場選手たちが躍動した。シングルスでは徳安莉奈(文2=野田学園)、鈴木渚左(国際1=野田学園)。ダブルスでは南口亜美(国際2=野田学園)・吉田華菜子(法2=仁愛女子)組が初めてのインカレに挑戦。それぞれが大舞台を前に「緊張した」と口をそろえ、なかなか思うようにラケットを振れない場面も。結果はまだまだ足りないものかもしれない。それでも鈴木渚が前回インカレ単複王者とファイナルセットまで対等に渡り合うなど「次につながる負け方」(上原監督)であった。「もっと上を目指して頑張りたい」(徳安)。今回の課題も収穫も全てを受け入れてまたこの舞台へ戻ってくると信じたい。

 

 昨年度から進歩のある結果であったがやはり悔しい。「チームとしてもう少し欲を出して上に行きたかった」(稲葉あす果主将・国際4=野田学園)。ファイナルセットまで持ち込めても最後に競り勝てない。「練習を積み上げてきた自信がないと2回戦、3回戦になると足りない」(上原監督)。これから控える団体戦、来年度以降の試合を見据えると今回明確になった課題を一つずつつぶしていく必要がある。

 

 〝Go forward〟。厳しい状況の中で「今までのプレーの殻を破って前に出ていこう」(上原監督)。そんな思いを込め、ここまでスローガンに掲げてきた。インカレ前には集中的な強化練習に取り組み今大会に挑んだ。特に4年生にとって最後の個人戦。結果は完全に納得できるものではなかったからこそ次の団体戦こそは王座進出のためにも必ず有終の美を飾りたい。

[出口千乃]

 

試合後のコメント

上原監督

――今大会の振り返りをお願いします。

 「女子は吉田明日香が昨年度よりは1個上に上がりましたが、永田に負けたというのが悔しいです。ただ全体的に本数と負け方というのが敗者の負け方というよりはチャレンジしての負けだったので次につながる負け方、一つの意味ではリーグ戦やその先、来年度を見据えたことが明確になった大会でした。勝っている学校と我々の中でも足らない部分が明確になって、シャットや佇まい、風格がないです。予選の中では雰囲気があるけど、本戦ではない。この子たち強いねというそういった雰囲気を醸し出すこと、それは練習を積み上げてきた自信がないと2回戦3回戦になってくると足りなかったです。細かい技術の精度を上げないと、上には勝てないかなと感じました。下には負けないが上には勝てないというのが正直なところです」

 

稲葉

――インカレは先ほどの試合で最後だったと思いますが今回の結果についてどう思いますか。

 「正直もう少し上にいきたかったので残念ではありますが、やり切ったというか最後までダブルスは良い感じで終われたので良かったかなと思います」

 

――今回のインカレではシングルスもダブルスも出場されました。

 「私のテニス人生の19年、20年くらいずっとテニスと付き合ってきてやってきたので長かったようで一瞬だったなと思いますが、最後の4年間明治の選手として戦い切ったことはとても良かったと思います」

 

吉田明

――リーグ戦の意気込みをお願いします。

 「開催されるかは分かりませんが、リーグ戦が正直大学の中で最も大切な試合だと思っていて、自分が全勝する気持ちで、しっかりとチームに1勝を持ってきて、大学としても王座に向けて自分がチームを引っ張っていけたらなと思います」

 

竹本

――収穫はありましたか。

 「シングルスよりダブルスの方がポーチの感覚というか、タイミングというのは分かってきたというのが収穫です」

 

――リーグ戦の意気込みをお願いします。

 「まずは一戦一戦ですけれども、もちろん王座には行きたいですし、でも今回の結果とかでも明治は全員負けているので、そういう意味では全員、強気にやって一戦一戦勝っていきたいです」

 

徳安

――関西王者相手に敗戦となりました。

 「強かったと言えば強かったですが、自分のプレーを最後までやり通すことができたかなと思います」

 

――足りないところというのは具体的にどんなところですか。

 「相手の球に対して自分のフットワークが遅れていたりとかサーブが春関のときは良かったですが今回緊張した場面とかであまり入っていなかったり、最後自分が打ち切れなかったです。攻めていてミスしていたのでそれだけができていれば勝てた試合だったかなと思います」

 

南口 

――明大勢として最後の一組でした。

 「私たちで最後だなというのはわかっていたので、絶対勝ちたかったのですが、またみんなで気持ち高めて、来年は良い結果残せるようにやっていきたいなと思います」

 

――リーグ戦の意気込みをお願いします。

 「早稲田、慶應にもしっかり勝って、優勝することしか見えていないです」

 

吉田華

――最終戦の対戦相手はどんなプレーでしたか。

 「初めての相手でしたが、試合は見ていて昨日の夜もその人たちのダブルスの動画を見て南口さんとどういうテニスというかどういう作戦でやっていこうかというのを話し合って臨みました。なので、どんな感じかは分かりながら入った試合だったのでやられたという感じは全くなくてむしろ自分たちはやり切った感じでした」

 

鈴木渚

――フォアハンドは振り切れましたか。

 「思い切っていこうと最初から決めていたので、絶対引かないで自分から攻めていこうと決めていたので昨日より振れていました」

 

――試合後に阿部選手(筑波大)とはどんなことを話しましたか。

 「自分とやってみて感じたこと、やってみたことを聞いてみました。やはりサーブが相手にも調子が悪いのかなというのも伝わってしまったので、『それを出さない方がいいよ』と言われたのと、『やりにくかった』とは言われました」