田中が躍進 復活のベスト16入り/全日本学生選手権4日目(男子)

2021.08.19

 インカレ4日目にはベスト16を懸け、男子シングルス3回戦が行われた。イップスを乗り越え、復調を目指すエース・田中瑛士(商4=東京学館新潟)が山口(早大)を破ってベスト16入り。徳航太(営3=法政二)は第8シードの田口(近大)に健闘するも力及ばず、3回戦敗退となった。

 

◆8・16〜24 全日本学生選手権(四日市テニスセンター)※無観客で実施

▼8・19

[男子シングルス3回戦] 

 ◯田中 2{6-3、7-6}0 山口(早大)

  徳 5-7、1-6 田口大)

 

【男子シングルス3回戦:徳VS田口涼太郎(近大)】

 レベルの差を痛感させられた。第1セット序盤、今大会に向け強化してきたフォアハンドを生かし着実にゲームカウントを重ねる。第6ゲームまでに4-2でリードする順調な滑り出し。しかし第7ゲームでブレークを許すと相手の流れに持ち込まれる。「キープできない中でブレークができなくなっていた」。そのまま5-7まで追い上げられ第1セット獲得のチャンスを逃す展開に。巻き返しを図りたい第2セット。「サーブの確率を重視しよう」。その思いが力みにつながり第5ゲームまで0-5と劣勢に立たされる。相手の角度や高さに富んだ多彩なショットに対応できず第2セット1―6で試合を終えた。

 目標だった1年次の3回戦突破を超えられないままインカレを去ることに悔しさを見せつつも「もっと自分を高めるための良いきっかけ」。今の実力では通用しないことを突きつけられたものの今大会が来年度笑顔でインカレを終える前章であると願いたい。


 
(第1セットで強烈なストロークを見せた徳)

【男子シングルス3回戦:田中VS山口柚希(早大)】

 自身初のベスト16入りだ。3回戦の対戦相手は2回戦で第6シードの白藤(慶大)を破った早大の1年生。「北岡(志之主将・法4=法政二)からアドバイスをもらった」。過去に対戦経験のあるチームメートから話を聞き、苦手なバックハンドにボールを集めることを意識。試合の入りは集中できず先にブレークを許し、1-3とリードされる展開に。「自分が気持ちを上げればいける」。ここから田中はリズムに乗っていく。相手の深いところにボールを打ち、ボレーで前に出る。このプレーを起点に得点を積み重ねることに成功。5ゲーム連続で奪取し、第1セットを収めた。続く、第2セットでも勢いのままに5-2と引き離す。しかし「力が入ってしまった」。マッチポイントもあったが、思うように体が動かずタイブレークに突入。しかしタイブレークでは落ち着きを取り戻し、7-4の粘り勝ち。

 

 頼れるエースの復調なるか。下級生の頃から明大を引っ張ってきた田中。2年次のリーグ戦ではチームで最も白星を挙げるほどの活躍ぶり。しかし2年次のリーグ戦終了後からイップスに陥る。「手が震えたり、全く異なる動きになってしまう」。3年次は全く調子が上がらず、結果を残せなかった。今大会に入っても本調子には程遠い。それでも本選開始後、練習によってようやく取り戻し始めたフォアハンドの感覚。完全復活とは言い難いが、新たなプレースタイルも模索しながら試合に臨んでいる。「明治を強い時代に戻したい」。帰ってきたエースは明大男子では2016年以来の男子シングルスベスト8入りを目指す。

 

 大会5日目には再度順延された男子ダブルス1回戦と男子シングルス4回戦が行われる予定。明大勢からはダブルス4組とシングルスの田中が出場。インカレ予選を兼ねた関東学生トーナメントでは男子は悔しい結果だっただけにインカレに懸ける思いは強い。勝ち切る強さをここで発揮したい。

 

[田中佑太、出口千乃]

 

試合後のコメント

田中

――相手選手と対戦経験はありましたか。

 「(相手は)1年生なのでなかったです。フォアハンドが良くてバックハンドが苦手という特徴がある選手だったので、やはり対戦した選手から『こうした方がいい』と聞いて、それが良かったので感謝しています。北岡が関東大会で戦っていて聞きましたね」

 

――意気込みをお願いします。

 「徳が負けてしまってシングルスが僕だけになってしまいました。明治でインカレベスト8は4年か5年入っていないので、強い時代に戻したいなと思います」

 

――今試合を振り返っていかがですか。

 「1セット目に取れそうな所を取れなくて、2セット目は流れでいってしまったのですが、率直に言うと悔しいです。相手が強い選手であるとは言え→いえ結構戦えてはいたので、もう少しできたのかなという悔しい気持ちが強いですね」

 

――相手選手の特徴を教えてください。

 「相手はアグレッシブにどんどんコースを変えて攻めてくるので、あまり苦手な部分があるような感じでもなかったです。バックハンドで打ち上げてくることが多かったのですが、バックハンド以上にパワーも角度もあるので、バックハンドだけでなくもっと角度をつけたり高さを使ったりと戦術の部分で工夫できたら良かったなと思います」