全日本大学王座決定戦事前取材

2021.07.07

 あと一歩のところで優勝を逃した春季リーグから約1カ月。7月8日に開幕する全日本大学ホッケー王座決定戦に先立ち、DF大嶋鴻太主将(商4=今市)、FW加藤大椰(文4=今市)、DF古川裕大(政経4=伊万里商)、MF森紘之(法4=天理)、FW大岡凌磨(政経2=今市)、GK坂本樹哉(法1=飯能南)の6選手から意気込みなどを伺った。流した涙を笑顔に変えるため、王座優勝を目指して日々奮闘する選手の声をお届けする。 

 

大嶋主将

――練習試合はいかがでしたか。

 「春季リーグで出ていた課題と、先日の山梨学院大との練習試合で出た課題を、一度この雨で練習できなかった期間に洗い出して、そこに焦点を当てるという意味では得られるものがありました。一方でまだやはりそこで詰めていかなければいけない部分も見えてきたので、明日の練習試合に向けて、もう一度みんなでビデオを見るなりできればいいなというところでは、とても意味のある練習試合になったのではないかと思っています」

 

――具体的に得られたものとは何ですか。

 「やり方というかホッケーの戦術的なところで、ちょっと攻撃的なホッケーにシフトした中で、それが機能するかどうかという不安があったのですが、かなり機能していたので、これは王座で通用するな、というところで自信になったと思います

 

――春季リーグを終えて、チームの状況はどんな状況ですか。

 「もちろん春季リーグで優勝できなかったということがあったものの、そこで止まるのではなくそれぞれがステップアップして王座は絶対獲るぞという前向きな気持ちで練習に取り組めていて、意識高くできたことが良かったと思います」

 

――体力面はいかがですか。

 「攻撃型にシフトしたことで、より体力を使うので、それぞれが鍛えられていると思うし、それを実戦で養っていけたらいいなと思います。今日はまだ体力で負けていたけれど、リーグ戦よりは今日のほうが良くなっています」

 

――どんな練習をしていますか。

 「チーム的には、僕は技術より戦術を決める方に立っているのですが、ショートパスで何人も出て、みんなでパスを出しながら繋げていくプレーをできるようにしています」

 

――北海道大学、天理大学、山梨学院大学それぞれにどんな印象がありますか。

 「北大は負ける相手ではありませんが、無駄に試合をするのではなく、自分たちの戦術はそのように使えるかを見る機会だと思います。天理は、フィジカルが強いところで前からぐいぐい来るのですが、それに負けないフィジカルを鍛えたいです。山梨学院大は、組織的なチームだなと思います。ルールがしっかりしているというか規律正しいですね。僕らはどちらかというと自由にやっている方なので、自分たちのやり方でやっていこうと思います」

 

――最後に目標は何ですか。

 「もちろん王座優勝です!」

 

加藤

――春季リーグを終えた後、チームはどんな状況でしたか。

 「やはり春季リーグで優勝できなかった悔しさ、準優勝だったということをみんなが痛感していて、それに伴ってどういう対策をしていくのか、プレスなどの課題が見えてきたので、ミーティングを重ねて、皆が悔しさを胸に王座での優勝を目指して頑張っています」

 

――王座に向けてどのような練習をしていますか。

 「山梨学院大との試合で見つかった課題を考えて、プレス練習や、チーム全体の声掛けなどをミーティングの回数を増やすなどして反省点を、ビデオを通して確認していくことで改善することができました。そのようなチーム全体の動き方を重点的に練習しています」

 

――それぞれの印象を教えてください。

 「北大は正直なところそこまで戦力的には懸念点はないのですが、やはり王座の全国大会の初戦は足を掬われるかもということで、もちろん油断をせずに挑みます。その中で今まで練習してきたことを試す機会でもあるとも感じているので、その次の天理を見据えつつ集中して臨みたいと考えています。天理はやはり強豪校という印象が一番強いですが、一昨年勝っているという点ではまあ勝てない相手ではないかなと考えているので、天理戦のためにやってきたプレス練習など、今までやってきたことをぶつけるだけだと思っています」

 

――練習は天理大を見据えたものが多いというわけですね。

 「はい、天理に焦点を当てた戦術が練習の軸になっていると考えているので、もちろん天理だけに闘志を燃やすというわけではありませんが、天理なら活かせると考えて練習を行っています」

 

――目標は何ですか。

 「チームとしては、王座優勝はもちろんですが、その中でもやはりインカレが全国三位という成績で終わってしまったところにも、三位という不満や悔しさがありそれを超えていきたいですし、見据える先はやはり全国優勝かなと考えています。個人としては、副キャプテンとしてリーグ戦もベストイレブンに選んでいただいたのですが、その中でも特に大事な試合で点を取ることができなかったという悔しい思いもたくさんあったので、結果としてチームに貢献できるかが課題だと考えています。そのためチームの状況も副キャプテンとして見つつ、いかに自分が結果を残せるかということが自分の目標です」

 

古川

――山梨学院大に負けてからどんな練習をしましたか。

 「練習的にはプレスの練習です。相手が攻めてくる時も、自分たちのプレスでどこで追いやってボールを取るかっていうところの練習をやりました」

 

――それは最後の試合の反省を生かしてということですか?

 「そうですね、山梨学院大はやっぱり天理とかと同じくらいの力を持っているので、そこに対抗するために山梨学院大のビデオを見て、ミーティングをしてみんなで話し合ったりしました。どのようにしてどのような場所で取るかというのに答えを出して、今実践しているって感じです」

 

――週末の練習試合の手応えはいかがですか。

 「試合でやった後にもう一度練習試合で山梨学院大と対戦しました。その日は足が動いていなかったというのもあり、その練習試合でも負けてしまいました。その時のビデオを観てみると、プレスや中盤とDFとFWの声かけなど、はっきりする部分が決まっていなかったので、そこをしっかりみんなで話し合いをしてミーティングで決めました。今日の練習試合も入りは悪かったですけど、どんどんプレスがかかっていって話し合った通りにできたら自分たちの思った通りになりました。まぁ最近の試合では山梨学院大戦が終わったあとやっぱり少し流れが悪くて、自分たちのやるべきことができていなかったのですが、ミーティングをしてからはみんな意識を変えてちゃんとできてきているのでそこはいいかなって思います」

 

――ミーティングはいつ行いましたか?

 「今朝も行いました。今日はミーティングをするぞ、と決めて行う感じです。いつもはそんなにやらないです」

 

――王座に向けて意識してきたことはなんですか。

 「個人的にはPC(ペナルティーコーナー)のセットプレーの成功率を少しでも上げることです。チーム全体でもプレスのかける声だったりとか意識をして、自分一人ひとりがどのような立ち位置にいるかを意識しないとそのズレによって相手の攻撃がどんどんそこからやられていくんで、まず一人ひとりの守りの意識。FWも中盤も全部ボールをとる所から意識を考えたんじゃないですかね。あとパスの間隔、パスの距離感だったりそこをしっかりやったと思います。」

 

――天理はどんなチームですか。

 「天理はやっぱりフィジカルスピード技術面が揃ったチームだと思いますね。結構大学ホッケー界でも立命館や天理などトップ層にいますし。でもまぁ僕たちが2年生の時は天理大学に勝ちましたし、3年生のときは負けましたけどいい勝負をしていたと思っています。だから僕たちもトップ層にはいると思うので、互角に渡り合えるんじゃないかなと思っています」

 

――王座の個人目標をお願いします。

 「一試合にセットプレーが必ず一回はあると思うので、そこで必ず決めきるってことと、まだ王座で優勝できていないので僕らの代で優勝を目指したいです。まずは天理ですけどとりあえずベスト4を狙っていきたいですね」

 

――春のリーグを終えてチームの状況はどうですか。

 「リーグ戦を終えてからは全員に勝ちたいという強い気持ちが出てきたのかなと思っているので、チーム全体としてはいい傾向にあると思います」

 

――体力面はいかがですか。

 「体力面では基礎トレーニングは自主トレーニングで賄うしかないのですが、練習内で走るメニューを増やしたりして、基礎体力を向上させています」

 

――ご自身の持ち味は何ですか。

 「体力に自信があるので、攻守共に貢献できるかなと思います」

 

――王座に向けてチームや個人としてどんな練習をしていますか。 

 「チームとしては、王座前までに得点力不足がかなり出たと思うので、的確なポジショニングでゴールを決めるということをみんなで反復して共有して練習しています。個人としては、いかにシュートが打ちやすいパスを出せるかという点に焦点を当てて練習しています」


――北大との初戦はどうですか。

 「北大とは四年間一度も対戦したことがないので、全くの未知数なのですが、それでも初戦からしっかり戦えるように、自分たちでやっていることを、あと三日くらいですが強化していきたいと思っています」

 

――天理大や山梨学院大は因縁の相手だと思いますが、どうですか。

 「勝てる見込みはありますし、勝ちたいですが、試合展開的に接戦になると思うので、どれだけチームとしてまとめ上げられるかがカギになると思います」

 

――王座に向けての意気込みをお願いします。

 「四年間過ごしてきましたが、まだしっかりとした全国大会で優勝はしていないので、今年が最後だと思って自分が持っている力を全部出しきれたらいいなと思います」

 

――王座に苦手意識はありますか。

 「明大自体が王座であまり勝てておらず、夏の暑さなど環境面もあると思いますが、その嫌な風潮を今年で断ち切りたいですね」

 

――あまり勝てていないというのは、王座がトーナメントだからですか?

 「関西のチームとはなかなか試合をすることがないので、慣れていないという部分もあると思いますが、やはり地力、底力をもっとつけないといけないのかなと思います」

 

大岡

――春季リーグを終えてチームの状況はいかがですか。

 「練習の方ではうまくいっていなかったのですが、試合になったら自分たちのいつも通りのプレーができて、しっかり勝ちきるところは勝ち切って、決勝は負けてしまったのですが、それも王座に向けてのいい経験になったんじゃないかなと思っています」

 

――体力面はいかがですか。

 「僕自身では、練習の後とかに個人で走ったり、あとは体力だけじゃなくて、フィジカル面で筋トレとか体幹トレーニングなどをしてしっかり体力を向上させていこうとしています」

 

――春季リーグが終わってから練習で力を入れているところはありますか。

 「自分たちとしては、攻めの精度っていう部分で狭いところで攻めるんじゃなくて、広いスペースを使いながらパスを短くつないでいくっていうことを、チームとしての決まり事としているので、そこを重点とした練習とかを多めに取り入れています」

 

――ご自身の持ち味を教えてください。

 「僕の持ち味はスピードとドリブル技術です。スピードでカウンターの精度を上げていこうというプレーが自分の強みかなと思っています」

 

――チームとして、個人としての課題は何だと思いますか。

 「チームの課題としては、立ち上がりの遅さですかね。第1Q、第2Qっていう前半では、自分たちのうまいことをやっていけないということが多いので、そこの序盤の立ち上がりをもっとよくしていけば、チームがもっと良くなると思います。個人としては、パスだけに徹するんじゃなくて、しっかりと自分の武器であるスピードとドリブルを駆使してチームに貢献していくっていうのが今の課題だと思います。パスに固執しすぎているところが自分の課題です」

 

――王座にむけての意気込みをお願いします。

 「春季リーグ準優勝で惜しくもタイトルを取れなかったので、王座ではしっかりと明治の繋ぐプレーを心掛けて、王座のタイトルを取りに行けたらいいなと思っています」

 

坂本

――春季リーグを終えてチームの状況はどのようになっていると感じますか?

 「自分が一年生の立場で言うのもあれなんですが、決勝でも最終的に同点に追いつかれてしまってそれで負けてしまうという形で、春季リーグでも勝てるとは思っていたのですが、自分の力足らずで負けてしまったという部分が大きいかなと思います」

 

――練習試合を行う中でどのような手ごたえを得られましたか?

 「チームとしては、試合に今まで出ていたメンバー以外のベンチのメンバーなども試合に出たら活躍したり、点をとったりなど点につながるプレーが増えてきたと思うので、(選手の)層が厚くなってきたことを実感しています」

 

――王座に向けて、チームまたは個人単位で取り組んでいる練習はありますか。

 「チームだとやっぱり朝練とかで今までのことにプラスして低いタックルを中心に、相手の上からいかないっていうのを意識したりとか、個人個人で課題をもって練習に取り組むようにしていて、自身としても全然力が足りていないと思っているのでその朝練以外でもフットワークなどキーパーにつながるトレーニングは心がけています」

 

――自身の力が足りていないということについて、具体的にどのような点が改善されれば更にチームに貢献できると考えていますか。

 「春季リーグでSO(シュートアウト)戦で負けてしまったので、SOの一対一という部分では自分の力が足りていないというのを感じています。朝練での練習の中でSOを入れてもらって今までより多くやってもらい、自分でも動画とか練習の中での動きを、練習試合もビデオ取ってもらっているんでそれを確認しながら自分での練習に取り組んでいます」

 

[向井瑠風・新村百華]