加藤無念の5位/全日本選抜選手権

2021.06.24

 明大にとって開幕戦となった明治杯全日本選抜選手権。大会2日目には男子から唯一加藤万豊主将(政経4=いなべ総合)が登場した。グレコローマンスタイル55キロ級に出場した加藤は初戦を落とすと、続く3位5位決定戦でも接戦に敗れて結果は5位。シーズン初戦を表彰台で飾ることはできなかった。

 

5・27~30 全日本選抜選手権(駒沢体育館)

▼グレコローマンスタイル55キロ級 

 加藤――5位

 

 迎えたシーズン初戦、相対するは全日本学生選手権で優勝経験のある松井謙(日体大)。「実力差があるので、カウンターで優位に立とうとした」。慎重な入りを見せた加藤は、パッシブを取られると得意とするパーテレポジションからの攻防で得点の機会をうかがう。しかし隙を見せない相手に対して思うように点は取れず、第2ピリオドを2-5とリードされて迎える。「体力で上回る相手に立て続けに得意な形からの得点を許してしまった」。後半でも点差を広げられ、2-11でテクニカルフォール負けとなった。

 

 つづく第2試合は星野工(札幌東農クラブ)と対戦。第1試合同様にカウンターを狙う作戦で挑んだ。しかし相手のアグレッシブな攻撃の前に苦戦を強いられると、第1ピリオド1分40秒に投げ技を決められ6点差を追いかける苦しい展開に。それでも「体力は残っていたのでまだやれると思っていた」。一瞬の隙を仕留めた投げ技ですぐさま4点を返し、反撃の糸口をつかんだ。追う展開の中、最終的に10-11と1点差まで詰め寄ったが「最後は疲れていて点差を理解できていなかった」。接戦を惜しくも取りこぼす結果となった。しかし「思ったよりも戦うことができ、今後に向けて自信の持てた試合だった」と次戦に向けて確かな手応えと収穫のある試合内容だった。

 

 今年度主将となった加藤だが、口数はあまり多くない方だ。理想とする「背中で語る」主将を目指しているが、今大会で結果を残すことはできなかった。しかし「練習態度で引っ張っていく姿勢を見せて、僕についていけば問題ないと思われるくらいの練習をしていきたい」と頼れる主将としての気概は十分だ。背中で引っ張る主将がどのようなチームをつくり上げていくのか、今後も目が離せない。

 

[澤尚希]

 

試合後のコメント

加藤

――5位という結果に終わりましたが、率直な感想を聞かせてください。

 「初戦の相手が一番強いと思っていたので、そこで僕がどれだけ戦えるかと思って挑んだのですが結局は負けてしまいました。でもそこからは切り替えて敗者復活戦に勝って3位に入るというのを目指して頑張りました」

 

――今回の2試合を通して感じた課題はありますか。

 「久しぶりの減量ということもあってあまり体が動かなかったという、言い訳になってしまうのですが、あとは試合勘があまりなかったというのが今後の課題かなと思います。思ったより戦えたというのは自信にもなりましたし、今度こそは3位入賞を目指して自信の持てる試合だったと思います」

 

――現状のチームの状態はいかがですか。

 「全く試合がないということで士気が上がらないということもありますが、主将副将をはじめとして明確な目標のある人たちが練習を盛り上げるということを心掛けて、後は声掛けをして次の新人戦に向けて、それを糧にしてインカレや内閣で入賞していけたらいいかなと思います」

 

――将という立場からみて注目株の選手はいますか。

 「まだ1年生は試合に出ていないので、評価はあまりできないです。でも2年生の三井潤(法2=鹿島学園)や坂井孝太朗(文2=花咲徳栄)あたりは次の新人戦でしっかり結果は残してくるかなと思います」