
ルーキーが快走! 悔しさ残るも堂々の2位フィニッシュ/東日本学生選手権トラック
期待の新戦力が結果を残した。入学後最初の大会でスクラッチに出場した中村凌輔(政経1=千葉学芸)と渡部春雅(政経1=駒大高)。いずれも2位と好成績で終え、期待に応えた。しかし目標は優勝のみ。高校時代からその名をとどろかす新星は、決意を新たにする。
◆5・4~5 第60回東日本学生選手権トラック(松本市美鈴湖自転車競技場)
▼男子1kmタイムトライアル
福地――10位
▼男子4kmチームパーシュート
青木・齋藤・小池・片岡――2位
▼男子チームスプリント
塩島・野中・吉岡――8位
▼男子4kmインディヴィデュアルパーシュート
片岡――1位
青木――3位
齋藤――10位
▼男子ケイリン
上野――8位
野中――10位
▼男子スクラッチ
中村――2位
小池――7位
▼男子スプリント
吉岡――6位
▼女子3kmインディヴィデュアルパーシュート
渡部――3位
▼女子スクラッチ
渡部――2位
誰もが彼女をマークしていた。前日に行われた長距離種目では大会新を叩き出し、優勝。1年生ながらもその存在感は大きかった。会場中が注目する中、スクラッチ種目のスタートを知らせるピストルの音が聞こえる。「だいたい最後の数周勝負になるので、それまでにみんなの足を削ろう」。その言葉通り、序盤からレーステンポを自分から組み立てる。ゆっくりとしたペースでスタートしたものの、着実に集団のトップに。ペダルを踏む速度に緩急をつけると、他の選手もそれに追従する。順調にレースを展開しているようだが、それは彼らの駆け引きでもあった。「男子みたいに、スピードが落ちているときにスピードをかけてくるような選手がいなかった」。終始渡部の作るペースで走り、彼女の体力を削らせた。ラスト1周、1着でゴールを通過し、残っている体力全てで足を回す。しかし、残り数十メートルで逆転され、惜しくも2位に。「最後は刺されてしまい、まだまだだと思いました」。悔いが残る試合となった。
表彰台に上がるも、悔しさが勝る試合だった。入学後初めての大会で、男子スクラッチに臨んだ中村。スクラッチは、高校時代に全日本トラックで優勝を果たしている得意の種目だ。期待がかかる中、予選を順調に勝ち進み迎えた決勝。レース中盤までは足を使わずに集団内で並走する形を取る。「最後のスプリントに懸けるように考えていた」という言葉通り、最後の1周で集団から飛び出し、前の選手を追う展開に。「もう少し早く動けていたら」。最後まで距離を詰めるも先頭に逃げ切りを許し、優勝までは一歩届かず。わずかの差で2位に終わった。悔いは残るが、1年生ながら結果を出せたことは自信にもつながった。今回見えた、仕掛けるタイミングという課題。その課題を克服し、次の個人戦では今回果たせなかった優勝を狙う。
風が強く、あいにくの天気に見舞われた今レース。それでも、攻めを意識し疾走する姿は到底入部したての1年生とは思えない。インターハイ優勝など輝かしい経歴を持つ期待の新人。2位ながらも、その存在感を大いに発揮したレースといえよう。「次の個人戦で優勝して、インカレでも良い成績を取る」(中村)と今後の目標を語る。明大・自転車部の新たな章の1ページ、コロナもあり難しいシーズンだが、2人の将来に注目だ。
[西村美夕、堀之内萌乃]
試合後のコメント
渡部
――今回のレースはいかがでしたか。
「コンディションは前日よりも風が強くて悪かったのですが、前日みたいに走れれば良いと思っていました。しかし、結果は良くはなかったです。タイムも全くでしたし。さっきのスクラッチ負けてしまって。攻めて走れたのは良かったのですが、もっとレースのことを考えて走れたら勝てたかもしれないです。今回のレースは悔しいです」
――今後の目標をお願いします。
「今もコロナウイルスで緊急事態宣言が出されています。なので、今できる試合で一つ一つ自分のできる走りをして、良い結果を出せるようにしたいです」
中村
――ゴールした時の心境を教えてください。
「ホームストレートに来た時に前にいたので、もう少しだったなと悔しかったです。2位のうれしさよりも悔しさの方が勝っていました」
――大学に入ってから初めての大会で緊張しましたか。
「はい。名前を知っている選手もいて、その中でもちゃんと戦えたので自信になります」
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