異例の夏山行を完遂 これ以上ないリスタートに
◆8月下旬 夏山合宿(富山県・北アルプス)
[参加者]川嵜・長嶺・水野・平井
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、例年とは違うコースで行われた夏山合宿。新人合宿が中止となり、十分なトレーニングが行えなかったなどの不安要素もあったが、無事に全員が完遂。創部100周年記念登山に向けこれ以上ないリスタートとなった。
若きアルピニストたちがその真価を見せた。新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた今年の大学スポーツ界。山岳部もその例外ではなかった。2022年、山岳部100周年登山の主力となる現在の2年生を中心に動き始めた山岳部だったが、新人合宿は中止に。今回の夏山合宿は約半年ぶりの本格的な山行となった。
今年の舞台は北アルプス・立山。立山室堂から尾根を南下し、雲ノ平へ定着。水晶岳、野口五郎岳などに登り、最後は折立をゴールとするルートだ。「主体性のある合宿ができた」(川嵜摩周主将・政経2=札幌南)。例年の夏山合宿は南アルプスで行っていたため、北アルプスで行うのは今年が初の試み。また今年は部室が使えず、過去の資料も見られない状況にあり、2年生の3人を中心に一からルートを考える合宿となった「(先輩方は)頼りになるし心強い」(平井悠太・農1=正智深谷)。唯一の1年生部員の平井。5日目には腰痛というアクシデントに見舞われ、完歩も危ぶまれたが、頼もしい2年生の助けもあり見事に初の長期山行をクリア。「全て歩ききったことで大きく自信がついた」(長嶺武・農2=北杜)。部員全員が充実した11日間となった。
「来年もっと面白い山に登れるように」(川嵜)。今年度集大成となるのは春山合宿。そこへ向けて、次は冬山で経験を積む。「基礎をしっかり今年で完成させたい」(川嵜)。創部100周年登山に向け、下級生主体の山岳部はさらなる成長を目指す。
[土屋秋喜]
※写真は山岳部より提供
選手のコメント
川嵜
――合宿を振り返っていかがですか。
「登山前に40キロ以上の荷重で練習ができていなかったので不安もありましたが、特に1年生はよく心折れずにやってくれたと思います。また、去年はケガで途中失敗だったので、やり切った達成感もあります」
――山岳部にもコロナウイルスの影響はありましたか。
「やはり部室を使えなかったので、荷重の練習などはかなり制限がありました。また、山小屋などの休業も多かったので、合宿に当たってのリサーチもかなり大変でした」
長嶺
――今回の合宿にあたりどんな目標を立てましたか。
「安全に全てを歩き切ることでした。自分は去年のこの合宿で怪我をして、それで夏山合宿が中止になったので、リベンジという気持ちもありました」
――冬山に向けての目標を教えてください。
「自分はもう上級生なので、疲弊した状態でもチームの状態に目を配って、どういう行動をとるべきかの判断をもっと的確にできるようにしたいです。
平井
――今回の合宿の反省点はありますか。
「腰痛で荷物を持てなくなってしまったのは反省点です。そこはトレーニングなどでカバーできると思うので、冬山までにしっかり筋肉をつけたいです。」
――山岳部100周年に向けての抱負をお願いします。
「メンバーに入るためには筋力とか体力面もそうですし、技術面もまだまだ足りないのでしっかりと鍛えていきたいと思います」
関連記事
RELATED ENTRIES