
中大に惜敗 4連覇ならずも4年生笑顔の引退/関東大学リーグ戦
泣いても笑っても最上級生にとっては最後の試合。ここまで全勝の中大に2点を先制された第2ピリオド、FW佐久間雄大(政経3=白樺学園)とFW徳田滉也主将(政経4=武修館)の意地のゴールで同点とする。続く第3ピリオドではFW唐津大輔(法2=日光明峰)が2得点と躍動するも、中大の攻撃陣を止められず。最終スコア4-5での敗戦となり、リーグ戦4連覇はかなわなかった。
◆10・18〜12・6 関東大学リーグ戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
▼12・6 対中大戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
明大4{0−0、2−2、2−3}5中大○
リーグ戦4連覇の懸かった明大。優勝のためには6点差以上での勝利が条件だった。そんな厳しい状況の中でも「自信しかなかった」(FW岩崎竜馬・法4=釧路工)とチーム誰1人として諦めていなかった。
0-0で迎えた第2ピリオド中盤、全勝優勝を目指す中大に立て続けの失点を許し、スコアは0-2。逆転の優勝に黄色信号がともる。そんな嫌なムードを吹き飛ばしたのはエース佐久間だった。徳田主将からのパスを受け、ワンタイムシュートを振り抜いた。「流れを変えたかった」(佐久間)と反撃ののろしを上げた明大は、第2ピリオド終盤にゴール前での混戦の中、徳田がリバウンドを押し込み同点に。優勝を目指す明大にとって苦しい状況であることに変わりはなかったが、チームの士気が下がることなく正真正銘最後のピリオドを迎えた。
しかし、6点の壁は高かった。当然中大サイドも点差のことは把握済み。敵陣の「リスクを負わないプレー」(徳田)もあり、容易に大量得点を取ることはできない。一方、1点ずつ確実に積み重ねる中大。けがにより今季出遅れていた唐津が第3ピリオド開始3分、そして19分にも意地のシュートを決め、最後まで攻めの姿勢を貫くも、ゲームセット。最終スコア4-5。試合終了のブザーが鳴り響くと同時に、歓声とともにベンチから飛び出す中大。それとは対照的に肩を落とし、沈黙の輪が広がる明大。4連覇の夢が途絶えた瞬間だった。
関東大学リーグ戦3位という結果に終わり、順位としては目標には一歩及ばなかった今大会。そんな中でも、3年生ながら名実ともに明大のエースとしてチームを引っ張った佐久間が、大会ポイント王に輝いた。チームの勝利、そして何よりも引退していく4年生のことを一番に考える男は、タイトルについて「うれしさはない」と語った。しかし「(佐久間に)助けられたシーズンだった」(徳田)と、その熱い思いは十分チームメイトに伝わっている。
学生最後の大会を終え、これで4年生は引退となる。試合終了直後こそ、悔しさからその場に立ちすくんだ選手たちだが、表彰式を終えた彼らの表情は晴れやかなものであった。「楽しい試合だった」(高木)。全てを出し尽くした4年生たちは「最高としか言えない」(岩崎)仲間たちとともにホッケーができた喜びをかみ締める。「この悔しさは後輩に託す」(GK香田凌辰・政経4=白樺学園)と苦しい1年間を乗り越え、その先の笑顔を手にした4年生たちの思いは"常勝明治"の血となり、次の世代へと受け継がれていく。
[佐藤慶世]
※試合後のコメントは後ほどインタビュー記事として別に掲載します。
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