
シーズン直前インタビュー 佐藤伊吹
新型コロナウイルスの影響を受け、リンクが一時閉鎖されるなど練習中断を余儀なくされたフィギュアスケーターたち。自粛期間を経て抱いた、シーズン前の思いについてのインタビューを届けする。
(この取材は8月20日に行われたものです)
第7回は佐藤伊吹(政経2=駒場学園)のインタビューです。
――最近の練習状況を教えてください。
「6月に練習が始まったんですけど、そこから学校がオンラインというのもあって、結構練習時間はいつも通りくらい取れています。休んでた時のが戻ってきて、今はまあまあいい状態で練習できています」
――オンライン授業は大変でしたか。
「行く方が大変かなと思っていたんですけど、意外とオンライン授業だと追われることが多くて、思ったよりも大変でした」
――時間の使い方に変化はありましたか。
「もちろん授業のいつもの時間通りにできればいいんですけど、練習も被ったりして、結構日曜日とか練習が休みの日にまとめて(授業を)やるという方に変わりました」
――閉鎖期間はどうされていましたか。
「約2ヶ月くらい氷に乗れなかったんですけど、その間は走ったりして体力作りをして、あとは筋力トレーニングとか、陸で回転練習をしてジャンプの感覚を少しでも忘れないようにというのを毎日してました」
――筋力トレーニングはどのようなことを行いましたか。
「腹筋とか背筋や、あと重りを使ったスクワット系とか下半身の筋力が落ちないようにしていました」
――久しぶりに氷に乗った感覚はいかがでしたか。
「2ヶ月乗らなかったことはなかったので、心配だったんですけど、ケガをしていたわけではないので、トレーニングをしていた分想像していたよりはましでした」
――練習中の感染対策はどのように行われていますか
「最初はジャンプを跳ばない時はマスクをしていたんですけど、それもやっぱりきつくて。今は一般のお客さんを入れないでやっている時もクラブのメンバーも減らして1人何時間まで滑れないとかコマが決まっていて、それを振り分けられて滑っています。朝と夜の貸切の時間は変わらずにあるので、それにプラスして昼の練習の時間なので、私はそれほど変わらないです。あとは体温を毎日書いています」
――昨年の練習との違いはございますか。
「学校に行っていた時は朝と夜しか行けない日もあったんですけど、今年は昼間オンデマンドの授業が多いので、空いた時間に練習に行っていました。練習はその分意外とできているかもしれません」
――自粛期間に趣味でやっていたことはありますか。
「もともと料理が好きなので、時間があるときは料理をしたり、映画を見たりしていたんですけど、学校が始まるとやっぱり時間がなかったです(笑)」
――料理は何を作りましたか。
「バターチキンカレーを作りました。あと炒飯とかです」
――今シーズンのプログラムを教えてください。
「自粛に入る前の3月前半にSP(ショートプログラム)を新しくしていたので、SPは新しくしてFS(フリースケーティング)は継続です。毎年片方しか変えないというようにしてきたので、今年は振付の時間もなかったですけど、元から継続の予定でもう少し慣れてきて、試合でもっと良くできるようにというのを目指して続けようとしています」
――SPの曲は何でしょうか。
「『アイス・クイーン』という曲で、ビリーダンスのノリがいい感じの曲です。ビリーダンスとかラテン系の曲をやったことがなくて、それをやってみたいと私が先生にお願いして探してもらいました」
――ラテン系をやってみたいと思ったきっかけはございますか。
「あと曲変えるのも何回かなと考えた時に、最後はやっぱり自分に合ってる曲で終わりたいと思ったので、それまでにもう少しやったことがないジャンルをと思った時にそれが出てきました」
――衣装は決まっていますか。
「まだできていないのですが、ジャラジャラ付いていたりするゴチャゴチャ系です。色はオレンジをベースにします」
――新一年生との交流はございましたか。
「3人は同じ神宮(明治神宮外苑アイススケート場)で練習しているので、基本的に毎日会っているんですけど、そこで授業の話とかもしました」
――昨シーズンを振り返ってみるといかがですか。
「私の(今年の)目標は『楽しむ』なんですけど、昨シーズンはミスしちゃいけないとか、点数とか順位を気にしちゃっていて、試合で楽しめた時があまりなかったなと思いました。そこをもう少し、もちろん緊張はすると思うんですけど、滑っていて楽しくなれるような試合を増やしたいなと思いました」
――なぜ順位を気にしてしまっていたのでしょうか。
「(大学生になって)勉強との両立も大変で、そんな中で練習量が減らないようにと練習を頑張ってきたので、だからこそミスできないというプレッシャーを自分にかけていたという部分があったなと思います」
――今シーズンの目標の理由をお聞かせください。
「(昨シーズンの)全日本選手権が練習では良くて、本番では失敗してしまって、やっぱりこれだけ今長い間試合をしていなくて、試合になった時にあとは気持ちの問題だけだと思うので、どれだけ自信を持ってできるかにかかっていると思います。そのために今ちゃんと準備をして、全日本で一番いい演技ができるようにしたいです」
――技術的な面で見えてきた課題はありましたか。
「回転不足を何年か前から取られないようにというのを気をつけてやってきて、昨シーズンはその点では良かった試合があったので、毎試合回転不足での減点を減らせるように、ジャンプを高くというのを目指して自粛期間はトレーニングだったり、体力をつけてやってきました。今シーズンはそれができるようになればいいなと思っています」
――今シーズンどのような年にしたいですか。
「まだ試合の状況がわからないのですけど、自粛明けからはしっかり練習ができているので、練習でやっていたことを試合で出せるようにしたいです」
――最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。
「今シーズンは昨年の全日本で悔しい思いをしたので、今シーズンこそは全日本でいい演技をして笑顔で終わりたいと思っているので、今は試合がどうなるかわからないですけど、いつ試合があってもいいように今頑張って練習をしているので、今シーズンも応援よろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[中澤美月]
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