佐々木雄が初の全日本出場 成長見せるも白星ならず/全日本選抜選手権

2018.06.16

 全日本のレベルの高さを肌で感じた。世界選手権の代表選考の役割も担う今大会。2日目のこの日は、グレコローマンスタイル82キロ級の佐々木雄大(政経2=野田中央)の試合が行われた。1回戦は相手選手の棄権により勝ち上がるも、今大会準優勝を飾った藤井達哉(青学大)を前に2回戦で敗退。全日本初白星はお預けとなった。

 

◆6・1417  全日本選抜選手権(駒沢体育館)

 

[グレコローマンスタイル]

▼82キロ級

佐々木雄――ベスト8

 着実な進歩を実感する試合となった。ルール改正により、今年度から消極的な選手への摘発が一層厳格化。グレコローマンスタイルでは、2度のパッシーブで1点を失うだけでなく、パーテレポジションでの試合再開が強いられる。佐々木雄がルール改正のあおりを受けたのが4月のJOC杯決勝。3点をリードしながらパーテレポジションでの攻防に敗れ、そのままテクニカルフォール負け。グラウンドでの弱さが浮き彫りになった。そこから2カ月。今大会、藤井との2回戦を0―2で落とした佐々木雄。与えた2点はいずれもパッシーブによるものだったが「JOCではそこから負けたので、耐えないといけないと思っていた」(佐々木雄)と、グラウンド技からの失点はなし。勝負には敗れたが、短期間での確かな成長を感じた。

 次の舞台はアジアだ。JOC杯での準優勝により、7月末にインドで行われるアジア・ジュニア選手権への出場権を手にした佐々木雄。「薄れてしまっていた気持ちを、全日本のおかげでチャージできた」。国内トップレベルの選手との対戦を糧に、アジアでメダルを手にしてみせる。

 

[谷山美海]

 

試合後のコメント

佐々木雄

――初の全日本の舞台はいかがでしたか。

 「普通の試合とあまり変わらないです。雰囲気とかも気になりませんでした」

 

――トップレベルの選手相手になかなか攻め入ることができませんでした。

「相手も自分と似た前に出ていくスタイルのレスリングで、そこで負けていたので、相手のペースで得点されてしまいました。単純に技術とフィジカルで、まだまだ藤井さんには勝てませんでした」

 

――今年度からグレコローマンスタイルでのパーテレポジションの導入や階級変更など、さまざまなルール改正がありました。

「JOCではそこから負けたので、耐えないといけないと思っていました。階級も今までより軽くなりましたが、今までは体もつくれていなかったので、今回は減量もしっかりして臨みました」

 

――7月末にはアジア・ジュニア選手権も控えています。

「アジアまでのガソリンが入りました。JOCから時間が経って、自分ではそんなつもりなくても気持ちが薄れてしまっていたので、全日本のおかげでチャージできました。自分もまだまだだなって思えたので」

――再来週の新人戦に向けて意気込みをお願いします。

「いつもどおりやるだけなので、アジアに向けて順調に仕上げていきたいです」