悔しさ残る3位 王座での雪辱誓う/関東学生春季1部リーグ戦総括
新チーム初の公式戦、関東学生春季1部リーグ戦。予選プールを1位通過し、良いスタートを切ったかに見えた。しかし準決勝で法大に敗れ、結果は3位。選手たちは肩を落とした。
◆4・1~6・24 関東学生春季1部リーグ戦(慶大日吉ホッケー場他)
▼明大――3位
大会後、小池文彦監督は語った。「物足りないです。優勝を目指してやってきたので落としてしまったのは残念」。指揮官の表情は厳しかった。
4月1日、慶大日吉ホッケー場。選手たちは充実感であふれていた。昨秋の関東王者の東農大に7―1と圧勝。「初戦の緊張感もあったがうちのプラン通りの試合ができた」(小池監督)。今年度から新しく始めたMFを4人とするシステムがうまくはまった。パスを回してスペースを作る。そして、空いたスペースに選手が入り込む。中盤を厚くしたパスホッケーは相手を寄せ付けなかった。
その1カ月後、同じ時間、同じ場所。選手の表情は全く違うものだった。準決勝・法大戦。序盤から優位に試合を進めるが、1点が決め切れない。同点で試合を終え、突入したSO(シュートアウト)戦でも5人全員が失敗。「絶対に勝てる試合だった」(FW平井一樹・文4=天理)とエースも唇をかみしめた。いとも簡単にゴールネットを揺らし続けた東農大戦での姿はどこへ――。
予兆はあった。予選プール第2戦で早大は攻撃の核をつぶすために、MF4人に執拗(しつよう)なマークをつけた。これがチームに焦りを生む。「中盤が駄目だとチームも駄目になってしまった」(平井)。MFを介さずにボールをFWに送ることで攻撃のリズムがつくれない。無理なパスミスも増え、得点力は半減。組織的なホッケーを目指したはずが、パスのつながらない単一的なホッケーに。その後、何とか引き分けたが、狂った歯車はなかなか戻らない。予選プール最終戦の東大戦は5―0と快勝したが内容的には物足りず。昨秋と同じ、準決勝で涙をのむこととなった。
根底にあったのは〝良すぎる〟雰囲気。新チーム開始当初、選手たちは口をそろえて「今年のチームは雰囲気が良い」。確かに試合中のコミュニケーションは以前より増えた。しかし逆にそれがあだとなって、勝つための厳しさが欠如。法大に敗戦後、DF前田隆昭主将(営4=丹生)は絞り出すように話した。「(雰囲気が)逆に甘いのかな。自分たち上級生が甘さと弱さをつくってしまっている。チームワークを良くするのに厳しさとか強さがなくなってきて、それが弱さになっているのかなと思う」。
それでも実力の高さは証明済みだ。年代別日本代表も擁し、技術の高さは全国随一。昨年度のインカレ3位、全日本選手権準優勝のメンバーも多く残り経験は十分に積んでいる。冒頭の小池監督の言葉には続きがある。「成長は日々していると思う。でももっともっと期待したいから。これからもっと上げていける」(小池監督)。伸び代は十二分。次に挑むのは全日本大学王座決定戦だ。ノーシードであることが決まっているが関係ない。強敵たちをなぎ倒し、全国の頂点まで駆け上がる。
[楠大輝]
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