
阿部が会心の走り 2部降格を回避/関東学生対校選手権総括
何とか1部残留を決めた。昨年度の総合9位を上回ると意気込んで挑んだ今大会。しかし得点が期待されていた最上級生が伸び悩み結果は16チーム中13位。15位からとなる2部転落をあわやの場面で回避した。
◆5・24~27 第94回関東学生対校選手権(相模原ギオンスタジアム)
▼明大――13位 15点
選手層の薄さが浮き彫りとなった。昨年の同大会では8人が入賞し計27得点を獲得したが、今年は入賞者4人でわずか15得点に終わった。原因の一つとして考えられるのは調整力不足。「調子を上げ切れなかった」(河村一輝・政経3=大垣日大)「自分の跳躍ができなかった」(廣瀬卓主将・理工4=北嵯峨)。昨年の入賞者達がピーキングにそろって頭を抱えた。また4年生の不調も大きく影響している。昨年の全日本大学駅伝予選会で日本人トップの記録をたたき出した坂口裕之主将(政経4=諫早)が右足の痛みで1万メートルを欠場。ここ2年続けて入賞していた棒高跳の廣瀬、3000メートルSCの東島清純(営4=米子松蔭)もそろって入賞を逃した。結果4年生が持ち帰った得点は〝0〟。チームの柱としてあまりにふがいない結果に「主将としても4年生としても申し訳ない」(廣瀬)。今一度練習を見直し、9月のインカレでは奮起を期待したい。
意地の走りを見せた。最終日、5000メートル決勝に登場した阿部弘輝(政経3=学法石川)。序盤から日大のワンブィ、順大の塩尻和也ら各校のエースに食らいつき、先頭集団で積極的なレースを展開する。2000メートル付近では上位3人で4位以下を大きく突き放すも、その後のさらなるペースアップには対応出来ず3500メートルからは単独走を余儀なくされた。風が強いことで有名な相模原ギオンスタジアム。また単独走と言うこともありその影響を受けるも「バックストレートでの応援が聞こえて一番きついところで粘れた」とチームメイトの応援を力に変える。結果全体3位の順位でゴールラインに飛び込み、明大勢唯一の表彰台を勝ち取った。
新戦力の台頭が心強い。2日目の110メートルH、3日目の1万メートルWにはそれぞれ平賀健太郎(営1=洛南)、古賀友太(商1=大牟田)が登場。どちらも1年生ながら7位、4位に入賞し、1部残留に貢献した。特に古賀はユニバーシアード入賞を果たした野田明宏選手(平30商卒・現自衛隊体育学校)の昨年の順位を上回る4位。4年生が抜けた穴をしっかりと埋めた。「速い選手よりも強い選手でありたい」(古賀)。頼もしいルーキーが明治を支えた。
切り替えるしかない。今回の結果に山本佑樹駅伝監督は「良かったのは阿部だけ。もう1回立て直しをしなければいけない」と苦言を呈す。1ヶ月後には全日本大学駅伝の予選が控えている。11年連続出場を途絶えさせることはできない。体勢を立て直し、正念場に挑む。
[島田雄貴]
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