慶応に快勝で開幕4連勝 昨年の雪辱を果たす/関東大学春季大会

2018.05.20
 高いワークレートで勝ち星を手繰り寄せた。試合の立ち上がりで攻め込まれ、先制を許してしまうが「グラウンドを立体的に使ってアタックすることを意識した」(スクラムハーフ福田健太主将・法4=茗溪学園)。次第に慶応の速いディフェンスに対応し始め2トライを返す。そして前半終了間際には、敵陣10メートルラインからナンバーエイト井上遼(政経4=報徳学園)が相手ディフェンスのギャップを突いて空いたスペースにゲイン。その後、左ウイング石川貴大(政経2=報徳学園)から大外に構えていた右ウイング山村知也(営3=報徳学園)にパスがつながり、そのままインゴールに飛び込んだ。前半を21―7で折り返すと、その後も積極的なアタックを継続し最終的に45―12と30点以上の差をつけて勝利。昨年度は春秋ともに勝ち切れなかったが「スコアできない時間にみんな我慢したから、トライまでに持っていくことができた」(田中澄憲監督)とチーム全体の成長を感じさせた試合内容だった。

 宮城県、石巻の地で行われた今大会。試合前日には被災地や遺構を訪れた。これまで新聞やテレビを通してしか見ていなかった場所に実際に足を踏み入れることで、選手としてだけではなく〝学生〟としても多くを学び、震災を考えるきっかけとなった。「僕らの試合を見に来て良かったと思ってもらえたらうれしい」(福田健)。この地でラグビーができるありがたみを深く感じ、選手たちは見事に勝利をつかみ取った。

[清水康佑]

試合後のコメント
福田健
――立ち上がりに慶応に良い形で入られてしまいました。
 「慶応のディフェンスが素晴らしくてアタックで全然前に出られていなかったので、一人一人がクイックフィート、アジリティーを使ってステップを踏んで、少しずつ前に出ていこうという話をしました」

右ロック舟橋諒将(文4=札幌山の手)
――今回の試合の振り返りをお願いします。
 「試合の入りが少し悪かったですが、流れを修正して前半の折り返しも良い形で終わることができました」

井上
――前日に被災地や遺構に訪れたと伺いました。
 「遺構の状況や被害の大きさをしっかりと聞きました。今日は来てくださっている方々に元気を与えられるような試合をしようと試合前にみんなで話し合いました」

山村
――昨年は負けてしまった慶応に勝てた一番の要因は何ですか。
 「チームのスタンダードが上がっていて、一人一人練習でやっていることを遂行できているからだと思います」

日付 対戦相手(対戦カード) 場所 開始時間 結果
◆第7回関東大学春季大会・Aグループ試合日程◆
4・30(月) 帝京大 札幌ドーム 13:00 〇17―14
5・6(日) 東海大 秩父宮ラグビー場 11:30 〇62―33
5・13(日) 流経大 静岡県草薙競技場 14:00 〇61―14
5・20(日) 慶応 石巻市総合運動公園フットボール場 13:00 〇45―12
6・3(日) 大東大 八幡山グラウンド 14:00

◆関東大学春季大会A 対慶応戦の先発メンバー&リザーブ◆
1.PR 齊藤 剣(政経4=能代工)→17.安(後半12分) 9.SH 福田 健太(法4=茗渓学園)→21.梅川(後半30分) 16 松岡 賢太(商3=京都成章)←2.武井(後半30分)
2.HO 武井 日向(商3=国学院栃木)→16.松岡(後半30分) 10.SO 忽那 鐘太(文4=石見智翠館) 17 安 昌豪(営3=大阪朝鮮)←1.齊藤剣(後半12分)
3.PR 吉岡 大貴(農4=日向)→18.祝原(後半12分) 11.WTB 石川 貴大(政経2=報徳学園) 18 祝原 涼介(情コミ4=桐蔭学園)←3.吉岡(後半12分)
4.LO 小宮 カズミ(文4=目黒学院)→19.片倉(後半20分) 12.CTB 渡邉 弐貴(営4=国学院栃木) 19 片倉 康瑛(法2=明大中野)←4.小宮(後半20分)
5.LO 舟橋 諒将(文4=札幌山の手) 13.CTB 齊藤 大朗(商2=桐蔭学園)→23.雲山(後半16分) 20 朝長 駿(農4=長崎北陽台)←6.山本龍(後半20分)
6.FL 山本 龍亮(情コミ2=桐蔭学園)→20.朝長(後半20分) 14.WTB 山村 知也(営3=報徳学園)→22.矢野(後半30分) 21 梅川 太我(営2=石見智翠館)←9.福田健(後半30分)
7.FL 繁松 哲大(政経2=札幌山の手) 15.FB 山﨑 洋之(法3=筑紫) 22 矢野 湧大(文3=大分舞鶴)←14.山村(後半30分)
8.No.8 井上 遼(政経4=報徳学園) 23 雲山 弘貴(政経1=報徳学園)←13.齊藤大(後半16分)