
女子が4年連続の王座へ 男子は辛勝で1部残留/関東学生1部リーグ戦総括
4年連続の大舞台進出を決めた。開幕の中大との一戦を危なげなく制すと、そこから破竹の3連勝を記録。4戦目の早大戦こそ落としたが、スポーツ推薦での入学者を擁する強敵に肉薄し、確かな実力を見せつけた。勝てば王座進出が決まる学習院大戦では、チームの士気が一段と高揚。重要な試合で今リーグ戦のチーム最高スコアをたたき出し、王座進出に花を添えた。
チーム力の向上は新戦力の台頭に由来する。中でも、今リーグ戦からメンバーに名を連ねた松原安莉(商2=湘南白百合学園)と荒井公佳(政経2=共立女子)の2年生コンビが躍動。松原は初戦の中大戦で初出場を果たすと、602点の好スコアで早速フォース入り。その後も出場を続け、安定した射でチームの勝利に貢献した。「メンタル的に強くなった」(吉原彩夏女子リーダー・商4=蕨)。元来ミスを引きずりやすい性格だったが、試合を重ねるごとに精神面での強化に成功。試合ごとに見つけた課題を克服する修正力の高さも光った。
荒井はリーグ戦直前に留学。帰国後間もない中でのリーグ開幕だったが「練習の質が良かった」と限られた時間の中でしっかりと感覚を身に付けた。法大戦で自己新記録となる640点を記録しフォース入り。「本番に強く、点数でチームを引っ張ってくれるタイプ」(吉原)とチームにおける信頼度も高い。1年を経て大きな成長を遂げた実力派コンビのさらなる活躍に期待がかかる。
〝風〟への対応力がカギを握る。王座では70メートルで競技が行われ、より一層風の影響を受けやすい。風に左右されない八幡山レンジで練習をする明大の選手にとっては、最大の〝難敵〟になりそうだ。時間と環境が限られた中での調整になるが、選手おのおのがしっかりと本番に備えたい。今度は強豪ひしめく全国の舞台で、明大の名を知らしめてみせる。
[男子]
一矢報いた。連敗の中挑んだ東大との第3戦。50メートルから主導権を握り、終始リードした。中でも花井大起(政経2=明大中野)がチームトップの311点を記録。「いつも力んで射っていたが、それがなかった」(花井)。30メートルでは、出場選手全員が50点代後半を次々と出し、実力で圧倒。リーグ戦初勝利を挙げた。「下級生が多い中、多くの選手が一皮むけた」(高井智久主将・商4=実践学園)と、出場した8人全員が600点を上回った。しかし、勝利を収めたのはこの試合のみ。「チームとしての安定感が足りなかった」(高井)と強豪ぞろいの1部リーグで結果を出せず、王座への出場を逃した。最終順位はAブロック4位となり、1部2部入替戦に出場した。
入替戦の相手は東農大。1部に残留するには入替戦に出場の4チーム中、上位2チームに入る必要がある。「油断してしまった」(高井)と前半でまさかの最下位と出遅れる。巻き返したい後半は高得点を連発し逆転。最終スコア3798-3773で4チーム中、2位に入り1部残留を決めた。3年間チームを引っ張ってきた米谷洋祐(商4=座間)は「このリーグ戦で肩をケガしてしまった」と万全ではなかったが、エースの意地が米谷を突き動かした。
今大会、存在感を発揮した高木敬徳(法3=逗子開成)と花井。高木は第4戦でも自己ベストを更新。「第3戦で自己ベストを出してから自信がついた」(高木)。花井は2年生ながら全試合に出場。第3戦では試合会場内でトップの得点だった。このリーグ戦をもって4年生は引退するが、大きく成長を遂げた下級生が、来年こそ悲願の王座進出を勝ち取ってみせる。
[丸山拓郎・髙橋昇吾]
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