東農大に7得点快勝 新体制で白星発進/関東学生春季1部リーグ戦

2018.04.01
 春らしく桜が舞い散る中、春季リーグ戦が開幕した。国際試合に合わせてクオーター制が取り入れられた今季。初戦は昨季リーグ戦の優勝校・東農大との対戦。明大は第1Q7分にPC(ペナルティーコーナー)から太田陸登(理工3=今市)が先制点を決める。この得点を皮切りに次々とゴールを量産。DF陣も大きなミスもなく、7-1と大勝を収めた。今季から指揮を執る小池文彦監督にとってはこれが初の公式戦。節目の一戦を勝利で飾った。
 これが新しい明大のホッケーだ。今季は従来3人だったFWを2人に減らし、その分MFを増やす形に変更。松山隼也(政経4=丹生)や舘亮佑(政経3=丹生)ら実力の高い選手が多い中盤を生かし、攻撃に厚みを持たせるのが狙いだ。その効果は早くも表れた。第1Q、太田がPCを獲得すると自らゴールを決め先制。同Q終了間際にも右サイドから舘のパスを平井一樹(文4=天理)が打ち込み追加点を挙げる。「第1Qで2点取れたのが大きかった」と平井。第2Q以降も勢いは止まらない。パスを回しながら空いたスペースに選手が入り込む。自慢のパスホッケーでゴールネットを揺らし続けた。7得点という結果に小池監督は「不安もあったが、うまく機能してくれた」と手応え。昨季の関東覇者・東農大を完全に崩した攻撃陣は強力だ。

 DF陣の活躍も見逃せない。前田隆昭主将(営4=丹生)を中心に安定した守備を披露。連動したプレスで相手にパスをつながせず、ボールを奪うとすぐにパスを前線へ。素早い攻守の切り替えでチームのリズムを生んだ。公式戦初出場となった1年生の古川裕大(政経1=伊万里商)も堂々のデビュー。厳しい相手FWへのマークで何度もピンチの芽を摘んだ。「DFの要としてしっかりやってくれた」(小池監督)と指揮官も太鼓判を押す。昨年の主力の谷光未有選手(現Selrio島根)とは同じポジション。エースの穴を埋められるか。U-18(18歳以下)日本代表も経験したルーキーに期待がかかる。

 幸先の良いスタートだ。「今年のチームは雰囲気が良い」と選手たちは口をそろえる。試合中に飛び交うチーム内での指示や提案の声。豊富なコミュニケーションでチームは良い方向へと向かっている。今試合の快勝にも「内容はまだまだ」(前田)と満足はしていない。今年の目標は春秋リーグに王座、インカレの4冠。古豪復活へ。全国の頂点を取るための第一歩を踏み出した。

[楠大輝]

試合後のコメント
小池監督
「初戦ということで立ち上がりに緊張はあったんだけど早い段階で1点取れて、良い時間帯で平井が2点目を取ってくれたのが非常に良かったです。(初戦の緊張感は)大きかったですね。絶対に負けられない、落とせない試合なので。そこは多少なりともありました。(テーマ)去年からシステムを変えているのでそこがうまく機能するか少し不安だったんですが、うまくいきました。去年は3人だったMFに4人置いて、攻撃に厚みをかけるシステムでいったんですけど、うまく回りましたね。でも後半、疲れが出て攻守の切り替えがうまくいかなかったのが反省点です。(4Qの失点)体力的な部分もありますし、後半押し込まれるケースが今までも多いので。そこは学生内でも話し合っていたのですが、そこをやられてしまったので今後の課題です。(攻守の連動)良かったですね。うちのプラン通りの試合ができました。(1年生は)かなり堂々とやってくれましたね。特に古川はDFの要として堂々とやってくれました。それもこの前全日本の合宿に行ってきて、野井(辰真・法2=伊予)も含めて安定した守りを見せてくれました。あとは大嶋鴻太(商1=今市)もしっかりとしたディフェンスをやってくれたので、1年生だけど信頼できます。もっともっとこれから強いチームと当たってどんどんレベルアップしてほしいです。(全日本の合宿とは)この間まで岡山で合宿をしていて、そこでかなりハイレベルなチームとやってきたので、かなり堅い守りをできるようになって帰ってきました。本当に頼もしい2人(野井・古川)だと思います。(古川はフル出場だった)そうですね。それも予定通りです。他にもDFはいるので、彼が抜けた時でもしっかり戦えるようにやっていきたいです。あと今日出ていない選手もいるので復帰すればDF陣に厚みが出るし、競争も生まれるのでもっと良い守備ができると思います。(来週に向けて)やっぱりうちのペースでうちのホッケーができれば必ず勝てると思うので冷静にやっていきたいです。予選を1位で抜けられるようにしっかりやっていきたいと思います」

前田
「得点はたくさん取れていたんですが、もう少し決めるチャンスはあったかなと思います。2桁いけたと思いますね。(手応えは)明治がほとんど攻めていたので、あれだけチャンスがあって7点は少ないかなと思います。(ボール支配率が高かった)相手のプレッシャーが弱かったのもありましたね。ずっと引いていたので自分たちのペースで回せていました。ただもう少し中盤使って、そこから組み立てていくことが必要かなと思いました。(守備は)まだまだですね。もっと上で戦っていくならミスをなくして、下がらないディフェンスをして前でどんどんボールを取っていかないといけないと思います。(古川とコンビを組んだ)自分は古川とやっていて、すごくやりやすいです。今日も初戦で1年生にしてはすごく動けていたので期待しています。(新チームの手応え)まだ2カ月しかやっていないですけど、組み立てていくのはできるので、あとはそれをやるかやらないかだと思います。やればできるので、それをやり続けることが必要だと思っています。(チームづくりで意識していること)やっぱり一人一人が考えてプレーできる選手になってほしいので。そういう選手が集まったチームがやっぱり強いと思うので、そこは意識しています。(今年のテーマは)テーマというか目標は学生の大会全部優勝する、4冠取ることです。(良いスタートが切れた)初戦を勝ったということは大きいので、そこに関しては良いんですけど試合内容はまだまだです。もっと上にいけるので修正していかないといけないです。(谷光の穴)谷光さんが抜けて古川が入ってきたので、これからどうなるか分からないですけど、今日はこれだけ力を発揮してくれたので穴を埋められると思います。(就活の影響)就活が忙しくて練習に出られない部分もあるんですけど、舘を中心に3年生が指示しているので。まあそこに関しては3年生がもう少しやってほしいかなという感じですね。(中盤の選手たち)中盤の4人は本当にレベルの高い4人です。ボールさばける選手がそろっているので、もう少しパスで組み立てていけるようなチームになっていきたいなと思います。(次戦に向けて)今日の反省を1週間で修正して、決められるところで決められるように早稲田戦ではやっていきたいです」

平井
「今日は第1Qで2点取れたのが大きかったです。チームプレーをみんな意識して前向きにプレーできていたのでよかったかなと思います。自陣ではなくてなるべく前の方でボールを持つ時間を増やすようにというのをできるようになったと思います。FWもそれなりに力が付いてきたし中盤の層がかなり厚くなってきたので、そこで運動量を増やすというのが去年との違いかなと思います。FWは自分のミスも見えている中でのミスでそれはよかったですし、チーム全体としては昌太郎(久保庭・営1=天理)も点を決めたので自信にしてほしいし他の選手も公式戦で点を取る経験をもっと増やしてほしいなと思います。みんながモチベーション高く勝つという目的意識を持ってやっているので、今年は初戦とかはあまり気にせず気負いはなかったです。今日は自分も含めもっと点数を決められる場面はあったからそんなに満足のいくものではなかったです。点を取れなかったところは就活やケガも重なって練習不足というのが大きいかなと思います。クオーター制は交代が早いけどその分短い中で点を取るということが今は楽しいですね。7-1という結果的には良い中でも課題はしっかり出たし、出だしとしては良かったと思います。パスしてどれだけ中で持たせるかというところとボールを取った後にいかにすぐ前にパスできるか、あとディフェンス面ではFWが代わった時とかに失点しないようにするというところとかは次に向けての課題かなと思います」

松山
「初戦を大量得点で勝てたので、これからリーグ戦を戦っていく上で勢いが付いたと思います。決めるところを決めたのと、サークルインを多くできて際でも点を決められたのは良かったと思います。でもゴール前に行っている割には点が少し足りないかなと思います。(正確さが)少し足りなかったと思います。(個人の状態)試合出たのが去年の春以来なので、まだ試合勘を取り戻せていないところもありますが、そうも言っていられないので練習で合わせていきたいと思います。2月頭から本格的に練習をしました。ランニングはしていたんですが、試合の体力とは全然違うので、そこは苦労しました。スティックは軽く握ってはいましたけど、打ったりはできていなかったので。(新チームの雰囲気)後輩ものびのびとできていると思うので、そこは1年生も伸びやすい環境にあると思います。全体的に仲がいいですし、雰囲気もいいですね。後輩をのびのびさせてやれるように、もちろん厳しい時は厳しく言う、メリハリを付けるようにしていますね。プライベートは仲良くして、試合始まれば上下関係をしっかりする感じですね。去年に比べてみんな全体的にやりやすいかなと思います。自然にいい感じに変わりましたね。(就活)4年生は週に2,3回いない人もいるし、忙しい人も一日いない人もいますね。それでも午前中の全体練習に出られないなら午後にやるなどしているので、カバーできていると思います。(意気込み)失点なく勝てるように頑張りたいと思います」


「今日はプレス、パスという基本的なことを大事にしてやろうと。初戦なので硬くなっていつも通りのプレーができないことがないように、声を掛け合っていつも通りのプレーをしようと意識して話していました。相手の主力選手が一人いないというのもあったのであれですけど、東農相手に7ー1は反省とありますけど70,80点くらいチームにあげたいなと思います(笑)。(シュートのバリエーションが増えた)FWは平井さん、中盤はボールを持てる選手が多く、中心選手が多くいる分バリエーションが増えましたね。去年のインカレと全日本選手権を経験したのも今のチームに大きいと思います。全国が見据えられるようになりました。新2年生がインカレ、全日と試合に出ているところが多かったので、2年生にプレーの自信が出たり、その時に試合に出ていた人は自信がついたと思います。自分も中盤で持ったりすることも多かったので、よかったです。(フォーメーション変化)今までの練習試合で結果を残せていない時も多くあったんですけど、公式戦を7ー1で勝てたので今までやっていたことが正しいんだなと思いました。最初は戸惑いもあり、まだ完成してないですけど徐々に精度を高めていけたらなと思います。去年はFW3枚でやっていたので、プレスの形がそれと決まっていましたが、新チームになって変わった時にFWが2枚なので中盤でのズレが難しいという部分がありましたね。(声が出ている)今年のチームは自分が引っ張るというくらいでやっています。おととし1年生で使ってもらえて、去年は大舞台を経験できて、そこで今年大事なのはチームを引っ張ることだと思います。強いチームはチームを引っ張る方がいます。FWでは平井さんですけど、中盤では自分がチームを引っ張っていればと思ってやっています。(3年で副将)去年隆昭さん(前田)がやられているのを見て難しそうでしたけど、平井さんや隆昭さんが僕に『自由にやっていいよ』と言ってくれているので、去年と変わらず自分のプレーを高めることに集中しつつ、副キャプテンというチームの中心なので、周りを見てアドバイスをしたりしていますね。(個人の状態)トラップのミス、パスのミスが目立っていた部分もあるので、そこの精度を上げて、完璧にできるように1年間やっていきたいと思います。(課題)基本技術ですね。海外のトップレベルの試合を観ると、どこに差があるかというとシュートとかでもなく、基本技術の高さです。パスを緩く出すのか、強く出すのかしっかりと合わせるのが大事ですね、これからもっと高めていかないといけないなと思いますね。(意気込み)今日は7ー1で勝ったので、早大に失点しないこと、どんどんシュート入れて5ー0以上で勝ちたいです」