2018 主将・女子リーダー対談

2018.03.18
 今年こそ悲願を達成する。今年の目標は男女ともに“王座出場”。ここ2年は遠ざかっているものの、チームの自主性で乗り越える。24日から開幕するリーグ戦では、昨年王座出場を果たすも初戦で敗れた雪辱を果たすべく今年も王座進出を目指す女子。リーグ戦で敗れた男子は、居残り練習などの練習量の多さで自信をつけた。ライバルの多いリーグ戦を勝ち抜き、全国という大舞台で明大のアーチェリーを見せつけたい。

 今回は、主将の高井智久(商3=実践学園)、女子リーダーの吉原彩夏(文3=県立蕨)にお話をうかがった。

――リーダーになった心境は
高井:今までの主将を考えると、自分はタイプが違うなと思っています。自分なりに、自分の方向にチームを引っ張っていけるように心がけて主将を務めています。先代はストイックで、良い意味で厳しい人だったのですが、僕の場合は、部員には自由に動いてもらっているということがあります。理由は、無理に上から考えを押し付けるよりも、自分たちで考えて部の運営をしていきたいということがあるからです。後輩や同期に仕事を任せて、各自成長していってほしいです。
吉原:前年度の女子リーダーがエースとしてチームを引っ張ってきた選手だったので、その穴が大きいこともありますし、その方がリーダー兼エースということで発言力など引っ張る力が強かったので、自分が就任した時はすごく不安でした。しかし、自分ができることとできないことがあると割り切って、チームで連携をとって成長していけるようなチームに出来たらと思います。

――まとめることに難しさは
高井:アーチェリー部は、他の体育会と異なるところがあります。他の体育会は、小さい時から同一のスポーツをずっと進んできて、そういった環境で育ってきた人が多いと思います。それに対して、明大アーチェリー部は、高校までは文化部だったり、アーチェリー以外のスポーツだったり、何もしていなかった人だったり、たくさんの経験を持った人が集まってきます。だから、入部してすぐは、スポーツをする上で意識が統一されないときがあります。違う環境の人たちが一斉に来るので、部員の意識の統制が難しいです。
吉原:アーチェリーが個人競技なのと、女子はメンタル面だったり、少しの練習量の差だったり、練習方法で、点数の浮き沈みが激しいです。このようなことで、モチベーションを保つことだったり、チームの雰囲気を保つことが難しいです。

――アーチェリー部になぜ入部しましたか
高井:高校まで野球をやっていましたが、僕のレベルでは大学では難しいと思っていました。それでもサークルに入るよりは、体育会の環境に自分の身をおいて、4年間を過ごしたいなという思いがありました。そこで、大学からでも始められるアーチェリーで新たなスポーツに挑戦してみようと思い入部しました。
吉原:私は、中学校では演劇部で、高校では器械体操部だったのですが、大学ではレベルが全然違っていました。だから、大学に入学して何か違うスポーツをやりたかったです。また、個人競技が良かったので、いろいろ見て、アーチェリーが大学から始められるというのとチームの雰囲気を見て決めました。

――新入生には
高井:アーチェリー部は今までの経歴関係なく、初心者から競技を始められて、3年間で培える経験というのは貴重なことばかりなので、入って損はないと思います。実績に関しても日本一になれる可能性もありますし、是非思い切って何か新しいことを始めたい、大切な仲間を得たいと思う人は入部して欲しいです。
吉原:アーチェリーは個人競技で、大学から始めやすいスポーツです。また、明治のアーチェリー部は初心者が多いのでやればやる分だけ点数が上がる可能性があります。個人の達成感やチームとして目標を目指していくことの面白さもあります。

――男子チーム、女子チームの印象は
高井:アーチェリーの技術に焦点を置いてみると、積極的に自分から先輩やコーチに教えを請いている姿が見られてきました。男子チーム全体の自主性がこの1年間で増してきていると思っています。また、去年よりも積極的に居残り練習をする人も多くなりました。個人のモチベーションや練習に対する意識や、技術向上に対する意欲が男子チーム全体として底上げされていると思います。
吉原:点数や射形で伸び悩んでいる人が多いです。半分以上がそうで、苦しい1年だったというのが本音です。そこで、各々フィードバックや練習からヒヤリングをしていって、何が課題なのか、どういうところを目指してやっているのか、ということを聞きながら活動するようにしてきました。その結果、リーグ戦に出場する選手として遠いなと感じる人でも最近ではリーグ戦に出場したいと試合を目標にしてくれています。ですから、意識としては変えられているのかなと思います。

――学生主体の難しさは
高井:基本的に練習メニューなどほとんどすべてのことを学生が行うので、不慣れなことばかりで毎回失敗もします。それでも、それがまた面白くて、改善してうまくいったときは喜びを感じられます。それだけ得られるものも大きいかと思います。基本的には幹部代と呼ばれる我々最上級生が練習メニュー等、部全体のルールを考えています。

――これから期待する選手は
高井:甲乙つけがたいです。みんな可能性があると思います。自分は、太田(葉月・政経2=明大明治)と同じ2年生の田村(亮祐・文2=翔陽)です。彼は、その代の中では男子チームで1番点数が高い選手です。1年生の頃から、リーグ戦にも出場していて、アーチェリーに対する情熱が人一倍強い選手です。また、練習熱心です。その一方で、彼の活躍も期待しますが、田村の活躍を見て、男子チーム全体で刺激を受けて、伸びていってほしいです。その意味で、彼は、キーマンだと思っています。
吉原:私は太田です。全日本学生室内個人選手権(インカレインドア)でしっかり点数を出しましたし、優勝したからです。これからもエースとしてやっていってほしいなと思っています。

――春合宿では
高井:今は強化練という期間に入っています。基本的には1ヵ月後に控えているリーグ戦に向けて、追い込みをかけている時期ですので、普段の練習よりかなり練習量を増やしています。2月の頭から始めていて、合宿までと合宿中とリーグ戦までの3つに分けて練習を行っています。合宿までの期間が終わったのですが、合宿中では、アーチェリーは再現性が求められるスポーツなので、自分なりのフォームを身につけて自信をつけるために自分の射形を固めるというテーマで合宿をしていました。合宿では今までにないくらい矢数を射って追い込みをかけました。だから、各々が自分のフォームに自信を持ち始めているのかなと思います。今からは、さらに自分の固まった射の完成度を高めていく時期なので、これから頑張っていきます。
吉原:合宿の練習に関しては男子と一緒です。練習の量と質の面では、合宿前に試合を2回ほど行ってきたのでその課題などを克服していけるように時間を取りました。また、女子に関しては、リーグ戦に向けてミーティングを開きました。先輩方から一言ずつ意気込みを話していく機会ですので、そこで、王座に向けて意思統一できたのではないかと思います。

――ライバルとなる学校は
高井:男子チームはくじ引きが面白い組み合わせになっています。六大学で毎年試合をしますが、奇しくもほとんどが同じブロックに集結しました。基本的には我々全部勝ちに行く気ではいるので、特にここがライバル視ということはないのですが、同じ六大学には負けなくないという思いのもと、全チームライバル視しています。
吉原:女子は組み分けがすごく良かったです。王座を目指せる位置にあるかなと思うのですが、中大が明大と似たようなチームです。前回は2月に試合をしたのでこの2ヵ月でどれだけ伸びてくるのかというところです。また、法大が年明けくらいからだんだん力をつけ始めているので気を抜かずに突破していきたいです。

――リーグ戦に向けて伸ばしていきたいものは
高井:試合になると、自分の100%を出すことが難しくなってくると思います。リーグ戦は5試合あるので、その中で早い段階で自分のフォームに自信を持ってほしいというのがあります。
吉原:もっと勝ちにこだわってほしいです。練習試合でもリーグ戦に向けてやっているものです。リーグ戦も王座に向けて全試合勝つくらいのつもりでやっていかないと王座でもいけないと思います。また、王座でも勝ち進めないと思います。あと2回練習試合を組んでいるので、個々人が勝つという意識を持つことと自分がリーグ戦のメンバーになるというつもりでやってほしいです。

――リーグ戦間近ですがリーダーとして臨むリーグ戦はいかがでしょうか
高井:単純に昨年までは自分が付いて行くだけで、試合に出たいと考えながらやっていました。それが、自分が先頭となって、自分よりももっと選手一人一人、チーム全体のことを考えるように変わっていったのかなと思います。
吉原:リーダーになっても試合に出られないこともありましたが、リーグ戦では試合に私が出ようが出まいが勝たせる責任があると思います。周りを見つつ自分のことを一生懸命にやることはもちろん、しっかり点数を出していかないといけない責任や、周りを見て鼓舞したり締めたりすることをやっていけるようにしたいです。

――意気込みをお願いします。
高井:創部から部として、男子チームはブロック2位で王座に出場を目指しています。個人としては、最近は僕が全然点数が伸びてこないので、個人的に悔しい思いをしています。なんとかリーグ戦に出るための調子を上げていきたいです。リーグ戦では先頭に立ってチームを引っ張りたいです。
吉原:私も王座出場です。リーグ戦は1年生の時に出させてもらっていました。その時がいちばん点数が出ていたのでどうなるかわかりませんが、リーグ戦に全て出ることと自己ベストが出せるように取り組んでいきたいです。

――ありがとうございました。

◆高井 智久(たかい・ともひさ)商3 実践学園 175センチ・54キロ
◆吉原 彩夏(よしはら・あやか)文3 蕨 164センチ

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