全日本チャンピオンに敗戦 二ノ宮が3位入賞/全日本大学グレコローマン選手権

2017.10.21
 グレコローマンスタイルの学生王者を決める全日本大学グレコローマン選手権が開幕した。大会1日目は59kg級、71㎏級、80㎏級、98㎏級、130㎏級の5階級が行われ、98㎏級の二ノ宮寛斗(営2=岐南工)が2年連続の3位入賞を果たした。創部初の優勝者は出なかったが、2日目に残りの階級で悲願の優勝を狙う。
 決勝への道のりに強敵が立ちふさがった。二ノ宮はフリースタイルで出場した愛媛国体後に結膜炎にかかり、思うようにグレコの練習ができないまま今大会を迎えた。その中で今の実力を測るのにふさわしい相手、全日本チャンピオン・奈良(日体大)と準決勝で対戦。一矢報いたいところだったが、王者の壁は高かった。開始11秒で首投げを決められ、いきなり4点を許す。その後も一回り大きな相手に思うように攻めさせてもらえず、第2ピリオド1分29秒でテクニカルフォール負け。1点も奪えず「これが全日本トップとの差」(二ノ宮)と振り返ったが、完敗にもその姿は充実感に溢(あふ)れていた。準決勝に敗れ、迎えた藤田(神大)との3位決定戦は1点を争う激闘。2―1で互いに息が上がる程の熱戦を制し、インカレに続き3位入賞と結果を残した。「3位決定戦はきつい試合だったけど、勝ち切れてよかった。トップ選手との体格、パワーの差を感じているので力をつけていきたい」(二ノ宮)。どんな状況でも結果を残し続ける安定感と、今の自分に慢心せず常に上を見据える向上心。レスリングに真摯に向き合う明大の若きエースが、歴史を変える日は近づいている。
 大会2日目は66㎏級、75kg級、85kg級の試合が行われる。75kg級には昨年度の同大会で2位に輝いた奥田海人(政経3=霞ヶ浦)が登場する。明大レスリング部の悲願である優勝をつかめるかに注目だ。二ノ宮がつないだバトンを有終の美で締めるために、選手たちの奮闘は続く。

[福永智隆]

試合後のコメント
二ノ宮

「インカレも3位だったので、くじ運によっては決勝を狙えるかなと思っていました。とりあえず準決勝で対戦した奈良選手(日体大)と試合をして、どこまでできるかというのを試す場だと思っていました。(奈良への対策は)相手は全日本チャンピオンで自分より圧倒的に格上なんですけど、その中で相手は首投げが得意というのと体格も自分よりいいので、思い切ってやることと首投げはかからないように気をつけようと思って臨みました。でも、いつもと入り方が違って驚きました。(開始早々に4点)左手を差さないように、引き手を作られないようにとは思っていたんですけど、自分の得意な組手になったときに仕掛けてきたんで正直、びっくりしましたし、上手いなと思いました。1点も取れなくてこれが全日本トップとの差かなと思いました。(今日の収穫)1、2回戦と3位決定戦で、特に3位決定戦はきつい試合だったんですけど、しっかり勝ち切れて3位になれたのはよかったかなと思います。(3位決定戦)相手もフリーの選手なんですけどフリーでもよく試合をしていて、力も強いし厳しい試合にはなると思っていました。最後、ポイントを取られそうな場面もあったんですけど最後は気持ちで勝ち切ることができてよかったと思います。(インカレからの調整)国体に出たり、全日本の合宿に参加したりと自分の気持ちの部分でも、トップ選手との体格の差を感じて、ウエイトトレーニングを今までよりも多く練習後にやったりしていました。今大会前は、国体終わって結膜炎になってしまって、グレコのマット練習が3回しかできてなくて不安だったんですけど、今日は今できることはできたかなと思っています。(夏を通しての新たな発見)やっぱりパワーの差だと思います。技術の部分では負けている技術も確かにあるんですけど、自分の通用する部分も少しずつ見えてきているので、力の差で技をかけられなかったり同じ土俵で戦えていないと感じたので、同じ土俵で戦えれば、こだわってやっている組み手で勝負できるなとは思っています。(内閣総理大臣杯に向けて)97kg級は山梨学大と拓大、日大とレベルが高いんですけどそういうトップの選手に少しでも食いついていけるように頑張りたいと思います」