調整うまくいかず入賞者なし 今後の再起を図る/全日本学生新人選手権

 チームとして無念な結果で終わった。体重制限による失格や、ケガによる棄権の選手が目立ち今大会の出場者は5人。その中で77㎏級に出場し8位だった畑中佑介(法1=榛生昇陽)がチーム最高順位となり、9月に行われた東日本学生新人選手権から記録を上げることができた選手はほとんどいないという結果に。12月の全日本インカレに向けて若い力でチームを押し上げることは難しかった。ケガが付き物であるこの競技で、試合に調子をあわせる難しさが改めて露呈した。

◆10・20~21 第62回全日本学生新人選手権(埼玉県上尾市スポーツ総合センター)
▼77㎏級
8位 畑中
9位 寺澤
10位 竹川
▼85㎏級
12位 戸田
▼94㎏級
河村 記録なし


[77kg級]
 吹っ切れずにいる。竹川夏輝(法2=県立川口)はスナッチ110㎏、ジャーク130㎏のトータル240㎏で10位。約1か月前に行われた東日本学生新人選手権からトータルで15㎏の記録ダウンだった。「不調の原因は大雑把に言うとメンタル面。去年の自分より弱いのが一番つらい」。昨年の同大会でもトータル250㎏と今大会と変わらず、1年間の成長を感じられなかったことが何より悔しかった。今年度いまだ脱却できない成績不振に加え、力のある下級生からの追い上げにも焦りがつのる。重圧や不調の悩みを同期に相談したこともあった。
 時間をかけて自分らしさを取り戻すしかない。「ここから半年かけて、じわじわ伸ばしていければいい」。目先の記録にとらわれず長期的な視野で計画を立てる。次の目標は来春に行われる個人インカレで、スナッチ120㎏、ジャーク150㎏を取ること。ここからが正念場。壁を乗り越えて、強くなる。

 大学入学後初となる全日本規模の大会に臨んだ寺澤寿喜(営1=滑川)。スナッチ112kg、ジャーク129kgのトータル241kgで9位となった。入学して半年、新しい環境や寮での生活にも慣れ「練習にしっかり目を向けられるようになった」。また、同階級で近い記録を持つ畑中佑介(法1=榛生昇陽)と2人でプラットを組み練習を行うことで「負けてられない」と身近なライバルに良い刺激を受けている。そして今大会は、スナッチ3本目で自己ベスト記録を2kg上回る115kgに触るなど上り調子だ。以前から目標としている来年4月の全日本学生個人選手権に出場するための規定記録はトータル250kg。自己ベスト記録では既に上回っているが、試合ではまだ届いていない。「試合で結果が残せるように」。冬を経てさらなる成長を誓う。

[85kg級]
 着実に力をつけてきている。85kg級に出場した戸田樹(政経2=白鴎大足利)はスナッチ107kg、ジャーク133kgで12位となった。先月の東日本学生新人選手権後、フォームの改善や補強練習の強化などによりジャークが向上。約1カ月で8kg記録を伸ばした。一方でジャーク3本目では自己新記録となる136kgをクリーンまで成功させるも、最後に刺しきれず。「本当に悔しい」と肩を落とした。
 「朽名(泰河・法4=名城大付)先輩には感謝でいっぱい」。朽名のもとでの練習が戸田の転機となった。「自分も意地でもやらないと」。ケガを抱えながらもひたむきに練習に取り組む朽名の姿を見て奮起。さらに、朽名のアドバイスにより、これまでは休みにしていた試合前日に軽い練習を行うようすると「試合での調子が全然違う」。競技経験豊富な先輩から学ぶことは多い。そして、競技の調子が上がってきたことでモチベーションも上がっている。「なんとしてでも上を目指したい」。同期の中で唯一いまだ全日本学生個人選手権の出場規定記録を突破していない戸田。一段階上のステージを目指して、260kgの壁を突破してみせる。

[94㎏級]
 結果に肩を落とした。河村紀毅(経営2=滑川)は10月上旬に行われた国体では調子を上げてきていた。しかし、今大会の2週間前からケガに悩む。それでも85㎏級の扇本崇聖(政経1=名城大付)と94㎏の中村響(政経1=愛工大名電)の1年生2人の欠場から「先輩として棄権するわけにはいかない」という責任と「明治という名前もある」というプライド、そして自身最後の全日本新人選手権ということもありケガを押して出場した。結果としてはスナッチで記録なし、ジャークは125㎏。「ベストな状態であれば目標の3位も見えていた」と唇を噛んだ。今後、まずはケガを治し全日本インカレでのメンバー入りを狙う。

 うまく調子を合わせられなかった今大会。しかし、今後に向けて課題が明確なり、また昨年からの成長を実感できた部分もあった。これで今年度の試合が終わる選手もいるが、まずはそれぞれの選手がケガや課題を克服したい。そして総合力がカギとなる全日本インカレに向けて、上位入賞を勝ち取れるようチームを盛り上げていく。

[星川裕也・高野夕・西山はる菜]