SO戦で法大に惜敗 太田2ゴールも空砲に/関東学生秋季1部リーグ戦

2017.10.14
 優勝への道が閉ざされた。明大は予選Bプールを1位で通過し、Aプール2位の法大と対戦。試合開始早々に先制を許すが太田陸登(理工2=今市)の2得点で逆転に成功する。しかし後半22分に法大がPC(ペナルティーコーナー)のこぼれ球を押し込み同点に。試合はそのまま2-2で終了。SO(シュートアウト)戦にもつれ込んだが、2人目から3人連続の失敗が響き2-3で敗戦。次戦は山梨学大との3位決定戦に臨む。
 勝利の女神は残酷だ。止められなければ負け。SO戦の勝敗を分ける法大の5人目。ボールはゴール左隅へと放たれる。GK・塚田駿(文2=今市)も反応したがもう一歩届かず、ネットが揺れた。くしくも法大は春季リーグでSO戦の末、勝利した相手。喜びを爆発させる法大の選手と天を仰ぐ塚田。春とは正反対の光景がそこにはあった。
 後手に回ってしまった。「最初の20分は押されっぱなし」と小池文彦コーチが言うように序盤は完全に法大ペース。DFラインを低くし過ぎたことで法大攻撃陣にスペースを与えてしまった。すると前半3分、PS(ペナルティストローク)から先制点を許す。その後太田の2発で一時は逆転したものの、後半では相手の勢いに飲まれ、PCから同点に追い付かれた。この試合は計9本のPCを法大に献上。ミスからサークル内へ侵入される場面も目立った。テーマである“超攻撃的”な姿は影を潜め「受け身になってしまった」(前田隆昭・営3=丹生)と悔いの残る2失点となった。

 見事にエースの穴を埋めた。前試合に引き続き、谷光未有(法4=天理)が日本代表の遠征のため不在だった今試合。それを感じさせないほどの活躍を見せたのが太田だ。前半27分、舘亮佑(政経2=丹生)からのパスをゴールへ流し込むと、34分にはPCをゴール左下へ豪快にフリックシュートで決めた。普段は谷光が打つPCだが「動揺なく落ち着いてやれた」と冷静に叩き込んだ。今大会は4試合で6得点。決定的なチャンスも多く演出している。SO戦でも1番手で難なくゴールを決め精神的な強さも発揮した。「頼もしいし信頼もしている」(小池コーチ)。首脳陣も期待を寄せる男のスティックが大一番で輝きを放った。

 もうこれ以上負けられない。試合後、宮田知監督は開口一番「悔しいの一言」と無念な気持ちをあらわにした。次戦は山梨学大との3位決定戦になるが「優勝以外は全部同じ」(宮田監督)。見据えるのは11月のインカレ、ただ一つ。課題も収穫も見つかった。この敗戦を糧に日本一へ勝ち続ける。

[楠大輝]

試合後のコメント
宮田監督
「悔しいの一言。それに尽きます。SO戦がどうこうというよりはその前に勝負を決めきれなかったのが痛かったです。(SO戦は)試合前はあまり考えていませんでしたけど塚田は準備させていました。塚田がいるのでSO戦になっても大丈夫かなと思ってはいたのですが、難しいですね。2週間前くらいから練習はしていました。リーグの順位決定戦やインカレは決着つかなかったらSOなので。 鵜飼(聡太・政経1=丹生)や舘が外してしまったのが誤算でしたね。(序盤に失点)際どい判定でPSを与えてしまっただけで立ち上がりは悪くなかったです。(DFに前に出るように指示していた)試合前から言っていたんですけど前に出ないと法政のペースになってしまうので。下がズルズルでグラウンドが滑ってしまう部分もありましたが、DF陣を1回代えて約束事の確認などもしました。今日はDF陣より攻撃陣ですね。うまく回ってはいましたが松尾(衛・法3=岐阜総合学園)がキーパーとの一対一を決め切れなかったり、もう1点が取れなかったです。(太田が2得点)本当に頼りになりますね。腹が据わっているというか、周りがよく見えていますね敵も味方も。(3位決定戦に向けて)明治にとって優勝以外は全部同じなので消化試合のような形ですけど、3位決定戦が11月3日でインカレが8日から始まるのでそこに向けてのプレ公式戦のような感じで臨んでいきたいと思います」

小池コーチ
「最初の20分は押されっぱなし、ディフェンスが引き過ぎてしまっていました。もう少しいつものように前で勝負してほしくて後手に回ってしまったのでそこはやっぱりインカレに向けての課題が残りました。後半は立ち上がりから割とうまくいけたので展開的には良かったです。2対1になってから3点目が取れないというのは良くなかったです。チャンス自体は全然あったので3点決められないというのもインカレに向けての課題となります。PCの精度も上げていかないといけません。チャンスをしっかりと生かせないとまた今日みたいな試合になってしまいます。今日は守備的で安易にPCを与えてしまいました。サークルインされる回数も多くて勝負をサークルの外でできるようにしていかないといけません。太田は頼もしいし信頼もしています。彼の場合は一列目も二列目でもしっかりとやれます。今日のシュートアウトでもいい流れを作ってくれていました。今の軸になる選手です。FW全体も決して悪くはありませんでした。第2陣のFWはまだまだ弱いです。そこをインカレまで時間空くので鍛えていきます。ディフェンス陣と3点目を取り切るところそこが一番大きいです。SOは本来であれば谷光、松山(隼也・政経3=丹生)が打つのだけど今はいないのも大きいです。ですが練習もしていたのでメンタルで弱気になってしまうところもあったのかなとも思います。後半に入って立て続けにPCを与えてしまってそこを切ることができないというのもまだできていない。インカレに向けてどんどん修正していきます」

川村敬亮主将(政経4=今市)
「秋リーグの優勝がなくなってしまったので悔しい部分ではありますが、今日の試合でもインカレに向けて課題が見えた試合だったと思います。前と同じような課題が出ていますけど、やっぱり立ち上がりが悪い結果DFも最初下がり気味になってPSで先制されました。でもその失点を引きずらずに自分らのペースで逆転までいけたのは良かったとは思います。それでも3点目を取る力がまだないなと思います。3点目が取れるか取れないかで自分たちの流れを引き寄せられることができるかと思うので、追加点を取れるようにしていきたいです。後半も全体的に引き気味になった部分もあって、後半先制点が取れたら完全に自分たちの流れにできたかなという試合の中で、もう1点取れないというのはちょっとチーム的にも弱いかなと。攻撃力不足というところが出てしまいました。後半はカードもらって2人消えてしまって。審判に納得がいかない部分が仮にあったとしても、自分たちでカードもらうかどうかは防げるので、そこはもう少し自分たちが大人にならないといけないなという部分でもあったし、もっと厳しい試合の中で試合中に2人消えてしまうというのはチーム的にも厳しい状況ができてしまうので、審判に文句を言わないという当たり前のことができていなかったと思います。(法大は)自分が1年生の時からやって、そんなに大差で勝つことはあまりなく、だいたいSO戦にもつれることが多くて。春も今回もリードしている試合の中で、最終的に追い付かれて負けたり、SO戦になったりするので、2点じゃゲームはわかりません。3点目をどれだけ早く取れるかがどの試合でも大切になってくるので、1、2点で満足せずに3点目を取る力をFWだけじゃなく、チーム全員で強化していかないといけない部分ではあります。練習見る中でスタメンとして出ていない人も春に比べたら積極的に自分のプレーを出せるようになってきている部分は少なからず見えていると思うんですけど、その中でも試合にいざ出た時に場慣れ、試合慣れしていないことも多くあります。ベンチ入りとベンチ外のメンバーには頑張ってもらいたいという部分はありますし、その試合慣れしていない選手が出た時にスタメンの人間、中でも上級生、自分は主将という立場で試合に出て緊張している選手とかをリードしてあげたらプレーしやすい環境ができるのかなと思います。インカレまで1カ月もないので、ベンチ争いとか一から監督も見直すと思うので、そこはしっかりとチャンスは残されていると思うので、ベンチ外の人も頑張ってもらいたいなと思います。グラウンドはちょっと滑りやすい部分はあるかもしれないけど、そこまで芝が悪いわけではないので、グラウンドのせいにはできないし、相手も同じ状況なので試合に影響というのはなかったですね。今季新チームになって、自分たちが4年生になってからまだ一つもタイトルが取れてなくて、秋のタイトルも目指した中で今日SOで負けて、3位決定戦という形になったので、もう学生の大会でタイトル取るにはインカレしかありません。インカレ優勝に向かって頑張っていきます。ただ1回戦から秋リーグの順位決定戦も含めずっと厳しい戦いが続くのは分かっているので、これから数えるくらいしか試合がない中で、1試合1試合しっかりと勝ち切れるゲームをできるようにチーム全員で頑張っていきたいと思います」

前田
「まず立ち上がり20分くらいものすごく悪くて、攻め込まれていたしちょっと引き気味で受け身受け身でホッケーをしていたというのがあったかなと思います。その中でも1失点目は僕のミスでしたが、その後に1点追い返して、それでまた1点入れたというのは大きかったです。でも1点差になってからもう1点正直欲しかったです。3点目欲しかったですが相手の流れにのまれていたかなというのがありました。後半の初めくらいは良かったのですが、自分がグリーンカードをもらったことによって流れが大きく変わったので、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです。1回目のカードは仕方ないなとなったのですが2回目のカードはちょっとよく分からなくて、でも自分の出たカードでチームの流れが変わってしまったので、そこの流れがなければ2-1のまま勝てていた試合だと思います。前半受け身だったので後半からは自分がフリーマンなので前に出て、相手が来てからやるのではなくて自分から行くようにしていて、後半はディフェンスはもっと前で前でやろうという意識ではやっていました。前回の反省点の下がってディフェンスしてしまうというのも前半は正直できていなかったです。後半は少しできていたかなと思いますが、前半は出だしからできていなかったです。1週間で修正し切れなかったというのは自分の力不足でもありますし、自分がやっぱりDF陣をリードできていないというふうに感じますね。技術がどうとかではなくて自分たちの意識の問題だったので、それは1週間あれば修正できる部分なのですが、それができなくて前半から攻め込まれてしまったのかなと思います。法政ペースの時間は苦しかった部分ですが、自分以外のDFは今日結構頑張ってくれたかなと思います。自分が本当にいつも以上にできなかったし、チームの流れを変えてしまったかなと思うので、その部分に関しては本当に悔しいし4年生には本当に申し訳なかったです。審判がどうこうではなくて自分に悔しいです。本当にあのグリーンカードのところで明らかに流れが変わったと思います。悔しいです。相手が法政だからというので少し自分たちの中でも全体的に引いていた部分というのはあったのかなと思います。練習試合もあまりしないし、少しビビっているというか引き気味な感じになってしまっているのかなと。そういう部分で流れが悪くなったというのもあるのかなと思います。今日はすごく悔しい思いをしたので、その悔しさを忘れずに3位決定戦では勝って、そのままの勢いでインカレも勝ちたいなと思います。未有さん(谷光)も代表から帰ってくるので、帰ってきてからもう一回チームづくりをしないと駄目かなと思います」

太田
「最初は相手に先制される形で、でもそこから逆転して前半を折り返すことができました。そこから後半に何回かチャンスがあったんですけど追加点を取ることができなかったので、そこで相手の流れになってしまったかなと思います。得点のチャンスがあった中でも得点できなかったことが今日の反省すべきところだと思います。1点目はPCのミスからのゴールだったんですけど、練習ではPCでミスをしても得点できるまでやろうという練習をしているので本番でも動揺なく落ち着いてできました。(PCについて)僕以外にもシュートを打てる人がいるので切磋琢磨しています。今日の試合は自分の中で入るなと思って、シュートが打てました。それが追加点につながって良かったです。(3位決定戦に向けて)決勝には行けなかったんですけど、3位と4位では大きく違うので、最後の試合ではしっかり勝ちを収めたいです。次戦までは間が空くのでしっかりみんなで練習して備えたいと思います」